2013年10月05日

CHANELのブーツ丈詰め

BEFORE
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丈詰めの場合は、新品の状態のほうが作業が正確に行えます。
新品の状態でも、左右で丈の長さが5.0ミリ前後違っていることが
しばしばあります。

差異の原因は、釣り込みの段階で、釣り過ぎたり、
もしくは、ソールやヒールの取付具合で
靴が少し左右に傾いてしまうと、結果的に丈の高さが違って見えます。

それに加え、履き込んだ靴の場合ですと、履き皺が入ってきますので
こうなりますと、何を基準に長さを決めてよいのやら…という感じになります。
ブーツになりますと、革を大きい状態でパーツ採りしますので、
そうしますと、状態の悪い部位なども含まれて使われていたりします。
1003-5
状態が悪い部位の革ですと、やけに皺が寄ってしまっていたり、
コシがないのでくしゃっと潰れたようになっていたりと、
なかなか寸法を決めるのにてこずります。

今回は、一度履かれた?ぐらいでしたので、そこまでではありませんでしたし、
裏表革で、しっかりした作りでしたので、カッティングは無難にいきました。

といいましても、切りっぱなしではいきませんので、
カットラインが、水平(今回は)になっているか確認して、
誤差の調整を行います。
1003-2
左右で同じ長さでカットしても、同じに見えない場合もあります。
例えば、装飾が付いていたり、切り返し部分があったりしますと、
その高さが、もともと左右で狂っていたりしますので、
正直に上から何センチのところでカットしてしまうと、
その誤差が目立ってしまう場合等は、程よい塩梅のところでカットする
必要もあります。
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あまりこの部分を17ミシンで縫製する修理屋さんは少ないのでは
ないかと思いますが、私も以前は八方ミシンで縫製しておりましたが、
縫ってみたところ、縫製できましたので、それ以降17ミシンで縫っております。

丈詰めの場合は、新しく縫製し直しますので、もともとの縫い目がないので
17ミシンでタタタタタッと、縫製してしまったほうが綺麗に仕上がります。

解れや、縫い直しなどの場合は、もとと同じ縫い目に、
針を落とさなければなりませんので、その場合は八方ミシンで、
ひとめひとめ拾っていくほうが綺麗に仕上がりますので、
修繕箇所によって、ミシンを使い分けております。
AFTER
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縫製後は、カット断面のコバを磨き整え直して完成となります。
23cm丈のショートブーツになりました。

ampersandand at 00:52│ 靴修理