2015年05月16日

添付画像から製作をしてみる。 HERMESのエヴリンショルダー篇

既にあるものを製作する場合は、壊れたものをお預かりして
それを元に調整、製作を行うのですが無い場合は…。

エヴリンのショルダーの製作のご依頼。
ショルダーだけが無いので製作できないかと。

以前、他の方のご依頼で、オリジナルのベルトをお預かりし
製作した事があるので、だいたいは分かるのですが、
その際に製作した型紙は残しておりませんので、
革パーツの寸法などがおおよそとなってしまいます。
(しかも、前回のベルトは確か38mmで、今回は50mm幅ですので
 そもそも革パーツの寸法は異なっているのかもしれません)

ネットで検索すればオリジナルの画像は見れるので、そこから
判断しつつ製作することは可能ですとお伝えしますと、
(恐らく、大丈夫か?とご不安になられたと思うのですが)
お友達からオリジナルをお借りして、画像を添付していただけました。
(ちなみに、メールにてお問合せのご依頼です)

それがこちら(エヴリンのショルダーベルト)
0515-81
いくつか添付していただいたのですが、メジャーを添えていただいたので
そこからパソコンで実寸を割り出す事ができます。
(メジャーが無い場合はいくら画像があっても分からないのですが)

オリジナルを郵送しましょうか?とお伝えして頂けましたが、
ばっちりの添付画像でしたし、お友達からお借りしていたり、
送料も余計に掛かったしまいますので、データのみで製作を行いました。

基準となる寸法が画像内で分かりますと、
それを縮尺していけば縦横寸法が割り出せます。
ただ、金具と組む場所や加工寸などの調整は必要です。
0515-80
金具はご用意できるモノで対応となります。
データをプリントアウトし型紙から革を裁断します。
壊れない様に革を二重にし、芯材も挟み込んで丈夫な根革を製作。
0515-12
0515-77
そうしまして完成です。
ショルダーの長さは90cmをベストな長さ指定としまして、
確か〜135cmの調節可能となっております。

ベストな長さ指定というのは、あまり気にされないかもしれませんが、
このようなショルダーベルトの場合、コキカンと云われる長さ調整金具は
一つで足りるのですが、ベルトの左右の組み方を同じに揃えようと
しますと(オリジナルもそうですが)、コキカンを左右で2個使われます。
0515-75
この金具が鞄を背負った際に、左右で同じ高さの位置にきていたほうが
綺麗かなと思いまして、製作する際にベスト(一番使用する長さ)な
長さをお聞きしております。
(長さを調節してしまえば金具はズレるのですが)
0515-74
革は、オリジナル同様の型押しのシボ革を使用しておりますので
金具を見なければ、オリジナルと変わりはないかと思います。
それとベルト素材は、オリジナルのような肉厚のコットン素材が
今のところ見つけられておりませんので、ナイロン素材となります。

オリジナルパーツを使用した場合のベルト製作篇

ampersandand at 13:19│ 鞄と小物修理