2015年11月18日

Mな女性たち… koosの場合。

引き続き、Mな女性たち今回はkoos篇です。
この時期になりますと毎年このようになってしまった
koosがやって参ります。
シーズン前のほうがいいのですが…。

前回も云いましたように、一日でこのようにはなりませんので、
擦れているのに気付きましたらMっけをださずに補修をされて下さい。
擦り減ったリフトだけ修理するのと、この状態を修理するのでは
費用にして3倍くらい違ってきますので。
BEFORE
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擦れた部分が年輪のようになっておりますが、
リフト、ソール、本体、裏地、インソールと中心部分に
どんどん浸潤しているのがよく分かりますね…

つぎは、足が擦れるというところです、
そうなりますと完全にM判定といったところでしょうか。

koosの場合は、クレープソールは二層になっております。
一層目はほとんど接着されず、かなり細い糸で本体と縫われています。
で、そこにもう一段クレープソールを接着しております。
ですので、摩耗して一層目の縫われている糸まで擦り減ってしまうと
簡単にソールが剥がれてしまいます。
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今回は、ソールだけでなく本体まで擦り減ってしまっているので
本体の形状をまずは補修しないとです。
この接地面が片減りしている状態で歩いているということは、
知らず知らずのうちに足首、股関節、腰、背骨へと徐々に
歪みが生じてしまう可能性があります。
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本体の欠損している部位をスポンジで充填し
削り込んでもとの形状に致します。
そしてそこへ、革を巻いて縫製し元の状態となります。
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今回は郵送でのご依頼でしたので、こちらで受け取り後
状態をみてオールソールか部分補修か判断してくださいとのこと。

前側の接地部分はあまり減っていない状態でしたので
部分補修で行う事にしました。
例えば、前側部分で広範囲に先ほどお伝えしたように
底縫いの糸が擦切れてしまっている状態ですと
オールソールの判断となります。
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カカト部分はもちろん本体まで減っているので、
底縫いの糸は擦り切れておりますが、屈曲部ではないのと
前側の擦り切れとは違いポイントで接着出来ますので
部分補修で問題ありません。

本体がフラットになりましたので、ようやくソールの補修になります。
まずは減っている部分をクレープにて嵩上げします。
今回も、カカトは後方に延長して本体が地面に擦れ難くしておきます。
そして最後にリフトを一段取付けます。
リフトはオリジナルより3.0mmほど高めにしておきます。
AFTER
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補修箇所はそのままの色ですと目立ちますので、
側面は少し靴墨で汚して周囲と馴染ませます。
つま先も少し減っていましたので補修しました。
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ampersandand at 22:03│ 靴修理