2016年03月08日
悲しみのクレープソール オールソール篇
いいお値段だけど、大事に長く履こうと思い、
思い切って購入した靴のソールが剥がれる…。
壊れることは履いていればある事なので
仕方がないと購入ショップに修理で持込むと…
「修理はできません…」
て、悲しいですね。
それ買うとき教えて…て感じです。
BEFORE


この仕様では剥がれる可能性は高いのですが、
そんなことはなかなか分からないですよね。
それでは今回の仕様のどこがまずいのかですが
ミッドソールに使われている素材と底縫いをしていない二点になります。

本体とクレープソールの間に薄い層が見えるかと思います。
この部分がミッドソールになります。
そのミッドソールの素材がパルプ、紙が使われております。
このような圧縮された紙のパルプ素材は、市販の靴には良く使われております。
婦人靴は殆どそうですし、紳士靴でもセメンテッドやマッケイ製法の
靴などは、かなりの割合で中底面にはパルプが使用されております。
圧縮された紙ですので、これをミッドソールに使用すると…
接着された面は剥がれないのですが、その接着層を残して
画像のように表面が剥離してしまいます。


つま先側本体に縫い目があるのでソールと本体が
縫われていそうですが、これは飾りでミッドソールとは縫われておりません。
結局は、素材の問題もありますが、底縫いさえしていれば
現状のままでも壊れることはなかったと思います。
それでは、これをちゃんとした仕様にするにはですが、
まずミッドソールをクレープソール3.5mmに致します。
クレープソールと本体のオイルレザーの接着の相性は
そのままでは悪いのですが、それぞれに適した溶剤(プライマー)で
表面処理を行い相性を良く致します。

でここで、本体とミッドソールをマッケイ縫いにて底縫いを行います。
(マッケイ製法は靴の中側を縫っております)
そして、接着と底縫いでしっかりと本体に固定されたミッドソールに
クレープソールを積んでゆきます。
クレープソールとクレープソールは、表面をプライマー処理すれば
接着の相性は抜群になります。
AFTER

ソールの厚みも、オリジナルより3.0mmぐらい増しております。
もとの厚みではクレープ素材ですとやや頼りないので。

婦人靴ではよくあるのですが、カカト部分のソールが足りておらず
下に潰れて落ち込んでいる場合があります(芯材が弱いという理由もあります)
今回も本体が落ち始めておりましたので、底面を少し後方に延長して
カカトを支えるように設定してあります。


つま先部分の縫い目は、飾りはそのまま生かしております。
ですが、本体とソールは中側でちゃんと縫製されております。


カカトの部分はクレープのままでも、オリジナル通り
ラバー素材を埋め込み事も可能です。
クレープソールはいつまでもこの蜂蜜色だと素敵なのですが、
徐々にBEFORE画像のように汚れてきてしまうのが残念です。
これでソールは剥がれませんので、今後はつま先やカカトが
摩耗しましたら、部分補修を行って頂ければ宜しいかと思います。
これでようやく、悲しみの向こう側へと歩んでいけるのでは
ないかと思います。
追記「悲しみのVersace篇」
先日ベルサーチの鞄の修理でご来店のお客さんのお話なのですが、
メールにて鞄の表面の革が剥離してきて修理出来ないかと。
表面の剥離… この場合は合皮の可能性がかなり高いのですが…。
現物確認… やはり合皮。
合皮の表面剥離は、その部分の損傷ではなく
素材自体が劣化しておりますので仮に補修出来たとしても
焼け石に水です、ですので当店では修理不可になっております。
で、事前にVersace店舗に出向いて確認されたところ
Versaceのスタッフはその鞄が合皮素材ということも
認識していなかったと云う話、もちろん修理不可。

ですので、買うとき教えてって思っても…です。
よく合皮の劣化にてご相談のお客さんにはお伝えしておりますが
購入の際にはプライスタグなどの素材表記を確認されてくださいと。
表地/革
裏地/合皮
外装は革でも内装が合皮の場合もよくありますので要注意です。
ちなみに靴の場合は、ライニングにマーク表記があったり致します。
または、靴底面に表記されたシールが貼られていることもよくあります。
EU圏内の靴の場合は画像のような表記に決められているようです。
表記について詳しくはこちらを

思い切って購入した靴のソールが剥がれる…。
壊れることは履いていればある事なので
仕方がないと購入ショップに修理で持込むと…
「修理はできません…」
て、悲しいですね。
それ買うとき教えて…て感じです。
BEFORE


この仕様では剥がれる可能性は高いのですが、
そんなことはなかなか分からないですよね。
それでは今回の仕様のどこがまずいのかですが
ミッドソールに使われている素材と底縫いをしていない二点になります。

本体とクレープソールの間に薄い層が見えるかと思います。
この部分がミッドソールになります。
そのミッドソールの素材がパルプ、紙が使われております。
このような圧縮された紙のパルプ素材は、市販の靴には良く使われております。
婦人靴は殆どそうですし、紳士靴でもセメンテッドやマッケイ製法の
靴などは、かなりの割合で中底面にはパルプが使用されております。
圧縮された紙ですので、これをミッドソールに使用すると…
接着された面は剥がれないのですが、その接着層を残して
画像のように表面が剥離してしまいます。


つま先側本体に縫い目があるのでソールと本体が
縫われていそうですが、これは飾りでミッドソールとは縫われておりません。
結局は、素材の問題もありますが、底縫いさえしていれば
現状のままでも壊れることはなかったと思います。
それでは、これをちゃんとした仕様にするにはですが、
まずミッドソールをクレープソール3.5mmに致します。
クレープソールと本体のオイルレザーの接着の相性は
そのままでは悪いのですが、それぞれに適した溶剤(プライマー)で
表面処理を行い相性を良く致します。

でここで、本体とミッドソールをマッケイ縫いにて底縫いを行います。
(マッケイ製法は靴の中側を縫っております)
そして、接着と底縫いでしっかりと本体に固定されたミッドソールに
クレープソールを積んでゆきます。
クレープソールとクレープソールは、表面をプライマー処理すれば
接着の相性は抜群になります。
AFTER

ソールの厚みも、オリジナルより3.0mmぐらい増しております。
もとの厚みではクレープ素材ですとやや頼りないので。

婦人靴ではよくあるのですが、カカト部分のソールが足りておらず
下に潰れて落ち込んでいる場合があります(芯材が弱いという理由もあります)
今回も本体が落ち始めておりましたので、底面を少し後方に延長して
カカトを支えるように設定してあります。


つま先部分の縫い目は、飾りはそのまま生かしております。
ですが、本体とソールは中側でちゃんと縫製されております。


カカトの部分はクレープのままでも、オリジナル通り
ラバー素材を埋め込み事も可能です。
クレープソールはいつまでもこの蜂蜜色だと素敵なのですが、
徐々にBEFORE画像のように汚れてきてしまうのが残念です。
これでソールは剥がれませんので、今後はつま先やカカトが
摩耗しましたら、部分補修を行って頂ければ宜しいかと思います。
これでようやく、悲しみの向こう側へと歩んでいけるのでは
ないかと思います。
追記「悲しみのVersace篇」
先日ベルサーチの鞄の修理でご来店のお客さんのお話なのですが、
メールにて鞄の表面の革が剥離してきて修理出来ないかと。
表面の剥離… この場合は合皮の可能性がかなり高いのですが…。
現物確認… やはり合皮。
合皮の表面剥離は、その部分の損傷ではなく
素材自体が劣化しておりますので仮に補修出来たとしても
焼け石に水です、ですので当店では修理不可になっております。
で、事前にVersace店舗に出向いて確認されたところ
Versaceのスタッフはその鞄が合皮素材ということも
認識していなかったと云う話、もちろん修理不可。

ですので、買うとき教えてって思っても…です。
よく合皮の劣化にてご相談のお客さんにはお伝えしておりますが
購入の際にはプライスタグなどの素材表記を確認されてくださいと。
表地/革
裏地/合皮
外装は革でも内装が合皮の場合もよくありますので要注意です。
ちなみに靴の場合は、ライニングにマーク表記があったり致します。
または、靴底面に表記されたシールが貼られていることもよくあります。
EU圏内の靴の場合は画像のような表記に決められているようです。
表記について詳しくはこちらを

ampersandand at 19:09│
│クレープソールからの



