2017年08月13日

バルセロナ、北海道経由のカンペール 大陸移動オールソール篇

ときどき海外からのオールソールのご依頼がありますが、
一応修理品といえども、靴ですので関税が掛かる場合があるようです。
靴の場合は、確か30%かまたは何々みたいな条件だったかと思います。
只、今まで届いた靴で関税を請求された事はありませんが。

今回はそんな不安もない、持ち込み品となります。
バルセロナ在住のお客さまからのご依頼品。
カンペールはスペインの靴メーカーですので、
本店にお問い合わせされたそうですが、
修理できない、新しいのを買ってくれと云われたとの事…。

ですので、バルセロナから北海道の恋人に会いにいくという
知り合いに頼んで手持ちで国内に持ち込み、
その後、北海道から関東在住の妹さんに宅急便で配送、
そして妹さんが店頭持ち込みというマンパワーでのご依頼品となります。
before
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スペインのカンペール本店で断られたとの事ですが、
そうでしょう、そうでしょう…。

このソールは在庫でストックできないのですから。
ストックしている期間にも、素材が徐々に劣化していきますので
無理なのだと思います。
0723-32

こんな感じでみんな割れてしまいます。
この底面の装飾もかわいいのですが、割れの原因にもなっております。
通常のラバー素材であれば問題はないのですが、
この素材は劣化し易いようなので、劣化し始めた際に、
このような凹凸で厚みの差がありますと、キットカットのように、
凹み部分できっとカットです。
0723-30
ヒール部分もソール一体形状ですので素材は同じ。
ですので、こちらも割れてしまいます。
リフト部分は一度スペイン?で修理されています。

当店では、カンペールの場合は基本的に部分補修は行っておりません。
*一部可能な場合や、デメリットをご了承の上で行っているものもあります。
画像でお分かりのように、リフトを固定した部分からひび割れが生じております。
修理したリフトはまだ摩耗しておらず、擦り減っていませんが
その取り付け部分からひびが…。

結局この素材ですと、修理する際の圧着や素材違いの堅さのものが
修理で取り付けられますので、劣化が始まっていた場合の
土台部分ですと、その後にこのように割れが生じ易くなってしまいます。
または作業中に割れてしまう事もあります。
ですので、当店では安全面も含め部分補修はお勧めしておりません。

ちなみに、カンペールではベロの部分に同素材でロゴマークの
パーツが取り付けられてりますが、これも同様に劣化して
割れてきます、革にてロゴマークを代替修理も可能です。
0723100723-11
それでは修理となりますが、このソール仕様モデルは
当店ではおなじみのモデルとなり通常修理となっております。
なんどもご紹介しておりますので、途中行程は今回は割愛させていただきます。
after
0723-107
ベースとなる部分はレザーソールで行い、本体とは底縫いで固定してあります。
革底は基本的に劣化により割れるということはあまり
考えられませんので(30年とか経過すれば別ですが)安心して
履いて頂けると思います。

その底縫いした革底に、ハーフラバーソールを取り付け
滑止め、靴底補強と底縫いの糸切れを予防します。
ハーフソールが摩耗しましたら、その部分のみ張り替えできますので
本体の革底が摩耗する事はありません。

ヒール部分は、一般的なハイヒールの規格で、
プラスチックヒールに革を巻いてある仕様になります。
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ですので、仮にものすごく土台のヒール部分を減らしてしまっても
本体とは別体になっているので、ヒール部分ごと交換もできますし、
もちろん、通常とおりに一段目のゴムの交換も可能です。
いずれの補修も、スペインの修理店でも問題なく行えると思います。
0723-1030723-100
受け取りは、お姉さんが一時帰国に合わせてピックアップでご来店に。
トリフのオーリブオイルや、イベリコ豚味のプリングス?など色々と
スペインのお土産を頂いてなんだか恐縮でした。

お治しした靴が異国の地で活躍し、地元の修理店で部分補修される際に
スペインの職人さんに「うまくソール交換しているな…」
と、思われたい今日この頃。

ampersandand at 15:07│ カンペール