2017年12月17日

ロンシャンのプリアージュをカスタムオーダー風にしてみる。   角擦れ篇

以下ブログ掲載のロンシャン修繕事例の掲載画像は古い事例になります。
現在使用している革は変更になっております。

最新の補修事例はインスタグラムをご参考にされてください。
こちらは随時最新の補修事例を掲載しております。2020.2月追記。
使用している革はシリーズにより異なりますが、
それぞれより雰囲気の似ている革を使用しております。

インスタグラムrogo

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ロンシャンのル・プリアージュ…角がすぐ擦れてしまいますね。
こちらも定番の補修となってきました。
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この鞄は、ナイロン素材の裏面にビニールコーティング?
しているような素材ですので、内装が無く、外装のナイロンの角が
擦れてしまえば穴が貫通してしまいます。
before
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無地のモノしか知りませんでしたが、エッフェル塔バージョンもあるんですね。
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こちらはカスタムオーダー品でしょうか。
色がコンビで中央に刺繍入り(ボカしてあります)です。

補強には「革」を使用します、と今更ながら云ってみます。
ときどき「修理で使用するのは本革ですか?」とメールでのやり取りで
最後の方で尋ねられる時があります。

「もちろん革ですよ、合皮素材は当店では一切使用しておりません」と。

当たり前過ぎて「革を使います」とは確かにお伝えしていませんでした。
合皮を使用するお店もあるようですが、
修理で合皮を使うのってどうなのでしょうか。

そもそも合皮を在庫として保管している時点で、その合皮は劣化が…。
そして劣化している合皮で修理って…。
*合皮は使っても使わなくても製造から、2〜3年で劣化してしまいますので。

<角のレザーパーツのサイズについて>
角のパーツというのは、このようなパーツがある訳ではないので
ご依頼に応じてサイズや革を選んで製作しています。
ですので、以前掲載しました修繕事例のような
大きめのサイズでなく、自由にサイズは決められます。
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今回ご依頼頂いたエッフェル塔は、塔とロゴがそれぞれ角付近にありますので
そのプリントが隠れないようなサイズで製作しています。

水色のご依頼主の方は、紙切れでだいたいのサイズ感を切って頂き
それを参考にして製作しました(郵送依頼)。
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プリアージュの革ですが、表面には型押しでしわしわの柄が押してあります。
これはロンシャンのオリジナルの模様ですので、同じ革は手に入りません。
通常のシボとよばれるしわしわ模様であれば、似ているものもあります。

ですので、今回使用しました革は、色合いはかなり近いレザーが
ご用意できましたが、シボはないスムースレザーになっています。
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今回ご依頼頂いた2件のタイミングで、他に5件ぐらい
お問い合わせがありました。
同じタイミングで、同じ内容のご依頼が集中するという、
修理あるある状態です。

このような革の違いをお伝え致しますと、
「少し検討してみます」というご回答がいくつかございましたので、
今回の記事をご参考にして頂ければと思います。

AFTER
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パーツの縫い合わさりは、後付け感はなく、もともと一緒に
縫い込まれているように仕上ります。
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角にレザーパーツがあったほうが、かわいい感じがします。
デザインのバランスとしては、持ち手とフラップと
ファスナーエンドの両側にレザーパーツが配されており、
鞄上部に革のパーツが集中しているので(茶色の面積が多いので)、
下部に小さなレザーパーツがちょこんと配されていると
全体のバランスがとれるような気がします。171201001171201002
角が革になったからといって、痛まなくなる訳ではありません。
革も擦れればいずれ穴が開いてしまいます。
ただ擦り切れていくナイロン素材とは違い、保湿を定期的に行なって頂ければ
現状維持は可能な素材ですので、油断せずにメンテナンスをお願い致します。
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革の表面のシボの違いですが、上部と下部でレザーパーツが離れているので
気にならないかと思います(色は似ていますし)。

なお、二件とも郵送依頼で小さく折り畳まれて梱包されていました。
折り畳めるのがこの鞄の一つの売りでもありますし、小さい方が送料も安いので
畳んで梱包したくなりますが、一点ご注意ください。

先程もお伝え致しましたが、素材がナイロンに
ビニールコーティングされてるような素材となります。

折り畳むと鋭角にナイロンが折れ、コーティングが劣化してきますと、
ナイロンと剥離し、表面に水ぶくれのような浮きが発生し易くなると思います。
また、コーティングのひび割れも生じ易くなりそうです。

ですので、繰り返し折り畳まない方が宜しいかと思われます。
ご返却の際は、完全に折り畳まずにゆるく畳み、
梱包が最小の60サイズに収まるようにしてご返却しております。

ご依頼の際も、60サイズに収まれば送料は同じですので
完全に小さく畳みきらずに、余裕をもって箱詰めされてみてください。

以上、「プリアージュ・カスタムオーダー風篇」でした。

こちらの記事もご参考に。
ロンシャン ル プリアージュの角擦れ補修まとめ
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ampersandand at 23:54│ ロンシャン