2018年01月17日

痛いのと、きついの。 Don't think. Feel! 篇

きついので履かずじまいだったけど、新婚旅行で訪れたイタリア?で
購入した靴なので棄てるには忍びない…。
どうにかならないかということでご来店。
171220007171220005
革はトカゲ柄の型押しの革。
表面が硬めの革に型押ししているので、伸びも少ない堅い革に仕上っています。
きついと感じられる部分は、親指部分。

履いて頂いてどこがきついのか触診。
アッパー自体に浮きもあり、そんなにきつきつの感じでもない。
でもきついと。

「きついのはここじゃありませんか?」

「そうです」

これは、「きつい」のではなく「痛い」という状態でした。
一緒ではないのかと思われそうですが、痛い場合は改善できない場合が
しばしばあります。

きつい、と云う状態は、足に対して革の容積が足りていないので
革を伸ばしてやれば改善の見込みがあるのですが、
痛い、と云う状態は締め付けられているのではなく
何かが当たっていたいと云う状態になります。
171220003

主な原因としては、何重も重なった革の継ぎ目や縫い目や飾り部分、
履き口部分、金具部分などなど。
これらの部分はコリコリだったりと堅い状態になっています。

ですので、それらの箇所が皮膚の薄い間接の骨に当たってしまう位置に
該当してしまうと「痛い」となってしまいます。
革が幾重にも縫い合わさったり、履き口だったり留め金具だったりというのは
取り除いたりという事はできません。

今回は親指の間接部分に、履き口の境目(トップライン)が
丁度乗り上げている状態でした。

ですので、きついのではなくトップラインが骨にコリコリあたってしまって
痛いという状態ですので、革を伸ばしてもトップラインは
当たりますので改善されない可能性が高いのです。

革が柔らかければまだよかったのでしょうが、型押しの硬い革で
折り込み(フチが折り返され二重になり伸び留めテープも挟まっている)されて
いるのでなおさら堅い…。

この場合は、ストレッチ(機械で圧を掛ける)をやってみて…、
という感じでダメもとでお預かりするしかありません。

伸び易くなるようにストレッチャー液を散布し、該当の箇所にコブの
アタッチメントを付けてハンドルを回してじわじわと圧を掛けます。
伸び難いので小指側も伸ばして全体的に広げるようにします。
数日この状態で放置して様子を見ます。
171220002171220008
例えば今回のような「痛い」ではなく、サイズがきつい場合でも
ストレッチを行い革を延ばすと、今まで狭い部分(指周り)が広がるので
ハイヒールの場合は、ずるずると足が前に前につま先の狭い部分に
入り込んでしまい、またきつい…という繰り返しになってしまう場合もあります。

パンプスなどの甲に抑えがないデザインは、そもそも靴が脱げないように
実際の足の容積より12%とか小さく作って脱げないようにしていますので
きつくて当たり前の履物なのです。

靴を購入される際には、どうか感じてください。
それが「痛い」のか「きつい」のかを。

きついのであれば履いていくうちに多少伸びていきますし、
ストレッチで改善できる場合もあります。
「痛い」場合は、残念そこまで…ということにもなってしまいますので。

売り場スタッフの営業トークに惑わされず、
「Don't think. Feel!」
by Bruce Lee

追記
ストレッチ後に履いて頂くと、とりあえず大丈夫そうですと。
まずは履けるようにさえなれば、今回の靴は履き込みつつなんとか、
と云う感じでしょうか。
HPアイコンロゴアウトライン

ampersandand at 11:30│ 靴修理