2018年03月19日
後悔したくないなら合皮製品は買わないこと。必ず劣化します篇
合皮素材は使っても使わなくても製造から2から3年で劣化が始まります。
保管していてもそうですし、使ってもそうなのでどんどん使い倒して下さい。
製造からというのは、その鞄ができてからという訳ではなく、
それに使用する合皮素材が製造されてからということになります。
合皮が作られてから半年経過し、その合皮を使って製造して
店頭に並ぶまでにさらに3ヶ月経過し、そのシーズンは売れ残って
年末にセールで販売されている場合の残りの賞味期限は…。
合皮の劣化については東京都クリーニング生活協同組合さんの
以下のページに詳しく掲載されていますのでお読み頂くと宜しいかと思います。
「ポリウレタン素材の弱点を知る」
「人工皮革と合成皮革」
合皮をクリーニングというのはかなりハイリスクですので
私がクリーニング店・店主だったら一律お断りするだろうなと思います。
合皮というのは簡単にいうと、ガーゼの上にサランラップが
くっ付いているような状態なので、水に濡れればサランラップが
浮かび上がってきてしまいます。
足から発汗される汗というなの水分でも浮かび上がらせてしまう
ということだろうと思います。
素足で履くような靴種の場合は、裏地に合皮が使われていると
余計に劣化が早いと思われますし、また内部が蒸れるブーツでも
よく劣化しているのを見かけます。
靴のことを云いながら、今回のご依頼品はこちらの鞄の内装交換となります。
ご多分に漏れず内装の合皮素材が劣化しています。
女性ものの製品って靴にしても鞄にしても合皮が多用されている
印象があります。
内装部分は劣化しすぎて表面のサランラップ部分は完全に剥離して
下地の状態なのですが、なんだかそれがもともとが
生地の内装だった?みたいにも見えてきます。
しかしポケットの内袋には劣化の様子が見てとれます。
今回交換する箇所は、内装が二層に分かれているのでその部分二箇所と
内装のファスナーポケットの袋と背面ファスナーポケットの袋になります。
まずは分解してゆきます。
合皮部分を交換するにはご覧のようにほとんど分解する必要があります。
一番手前の外装パーツのほか、今回は9パーツに分解されます。
分解したパーツをもとに型採りしてゆくのですが、
革のパーツはそこまで変形しないのですが、合皮部分はしわくちゃになって
硬化していたり、伸びていたりと役に立ちません。
組合わさる革パーツの横幅から推測したり、組み合わせた際の
収まりから判断して型紙を製作してゆきます。
内装生地は、ナイロン系ですと縫製部分から解れてきたりという症状が
既製品でしばしば見て取れるので、一番ベターなのは生地かと思います。
生地と云っても通常のものですと同様に裂け易いので
基本的にご希望がなければ、倉敷帆布の11号を使用し作成しています。
帆布だとカジュアルな感じになりそうですが、倉敷帆布ですと
目がしっかりと詰まっていて、適度な張りもあり耐久性も申し分なく
また合皮のような劣化の心配もないのでお勧めであります。
それぞれパーツができましたら組んでゆきます。
組み立てる際も、順番を間違うと縫えなくなる部分がありますし、
また途中まで縫っておいて、続きはこのパーツを組み合わせてから
という部分もありますので、分解する時に記録用にポイントポイントを
ipadで撮影しておきます。
内装交換の悲しいところは、手間が掛かる割には
あまりブログ映えしないという点でしょうか。
仕上った画像をみてもBEFORE/AFTERの変化が乏しいので。
AFTER
内装1
ポケットの上に付属していたロゴプレート金具は、直にかしめて固定して
ありましたので、外してしまうと再固定ができない為ついておりませんが、
ロゴタグのように縫製してあるもの、再度かしめて固定できるロゴなどは
移植は可能です。
内装2
内装ポケット
背面ポケット
ん〜やはり映えないですね…と思う今日この頃…。
保管していてもそうですし、使ってもそうなのでどんどん使い倒して下さい。
製造からというのは、その鞄ができてからという訳ではなく、
それに使用する合皮素材が製造されてからということになります。
合皮が作られてから半年経過し、その合皮を使って製造して
店頭に並ぶまでにさらに3ヶ月経過し、そのシーズンは売れ残って
年末にセールで販売されている場合の残りの賞味期限は…。
合皮の劣化については東京都クリーニング生活協同組合さんの
以下のページに詳しく掲載されていますのでお読み頂くと宜しいかと思います。
「ポリウレタン素材の弱点を知る」
「人工皮革と合成皮革」
合皮をクリーニングというのはかなりハイリスクですので
私がクリーニング店・店主だったら一律お断りするだろうなと思います。
合皮というのは簡単にいうと、ガーゼの上にサランラップが
くっ付いているような状態なので、水に濡れればサランラップが
浮かび上がってきてしまいます。
足から発汗される汗というなの水分でも浮かび上がらせてしまう
ということだろうと思います。
素足で履くような靴種の場合は、裏地に合皮が使われていると
余計に劣化が早いと思われますし、また内部が蒸れるブーツでも
よく劣化しているのを見かけます。
靴のことを云いながら、今回のご依頼品はこちらの鞄の内装交換となります。
ご多分に漏れず内装の合皮素材が劣化しています。
女性ものの製品って靴にしても鞄にしても合皮が多用されている
印象があります。
内装部分は劣化しすぎて表面のサランラップ部分は完全に剥離して
下地の状態なのですが、なんだかそれがもともとが
生地の内装だった?みたいにも見えてきます。
しかしポケットの内袋には劣化の様子が見てとれます。
今回交換する箇所は、内装が二層に分かれているのでその部分二箇所と
内装のファスナーポケットの袋と背面ファスナーポケットの袋になります。
まずは分解してゆきます。
合皮部分を交換するにはご覧のようにほとんど分解する必要があります。
一番手前の外装パーツのほか、今回は9パーツに分解されます。
分解したパーツをもとに型採りしてゆくのですが、
革のパーツはそこまで変形しないのですが、合皮部分はしわくちゃになって
硬化していたり、伸びていたりと役に立ちません。
組合わさる革パーツの横幅から推測したり、組み合わせた際の
収まりから判断して型紙を製作してゆきます。
内装生地は、ナイロン系ですと縫製部分から解れてきたりという症状が
既製品でしばしば見て取れるので、一番ベターなのは生地かと思います。
生地と云っても通常のものですと同様に裂け易いので
基本的にご希望がなければ、倉敷帆布の11号を使用し作成しています。
帆布だとカジュアルな感じになりそうですが、倉敷帆布ですと
目がしっかりと詰まっていて、適度な張りもあり耐久性も申し分なく
また合皮のような劣化の心配もないのでお勧めであります。
それぞれパーツができましたら組んでゆきます。
組み立てる際も、順番を間違うと縫えなくなる部分がありますし、
また途中まで縫っておいて、続きはこのパーツを組み合わせてから
という部分もありますので、分解する時に記録用にポイントポイントを
ipadで撮影しておきます。
内装交換の悲しいところは、手間が掛かる割には
あまりブログ映えしないという点でしょうか。
仕上った画像をみてもBEFORE/AFTERの変化が乏しいので。
AFTER
内装1
ポケットの上に付属していたロゴプレート金具は、直にかしめて固定して
ありましたので、外してしまうと再固定ができない為ついておりませんが、
ロゴタグのように縫製してあるもの、再度かしめて固定できるロゴなどは
移植は可能です。
内装2
内装ポケット
背面ポケット
ん〜やはり映えないですね…と思う今日この頃…。
ampersandand at 12:44│
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