2018年03月24日
いい加減な修理店 B オールソール篇 その弐
前回までのあらすじはこちら。
古いハーフソールを剥がさずに二重に貼ることで履き心地が
悪くなるのか?
話が分かりづらくなるので、「片足のハーフソールは半分残っている状態」
というのは一旦おいておきます。
これで履き心地に違和感が生じるのは当たり前なので。
落差(オフセット)とは?
オールソールのお問い合わせの際に、いつもこの部分が伝わりづらいので
これについて別記事を書こうと思っているので今回はかいつまんでご紹介します。
靴にはそれぞれでヒールの高さが決まっています。
ですので、オールソールするからといってもっとヒールを高くしたい!、
ぺったんこヒールにしたい!あのvibramソールを使いたい!
と云う訳にはいきません。
(あまりこの部分を考慮しないでソールを取付けているお店もあるようですが)
こちらをご覧下さい。

分かり易いのでこちらのパンプスを使ってご説明したいと思います。
「ヒールの高さはどのくらいですか?」と尋ねますと
みなさん決まってCの部分を計測されると思います。
このパンプスは前側にプラットフォームという厚底仕様になっていますが
アッパーの革で一緒につり込まれていますので外からは見えません。
実際の足が入っているレベルはAの下線位置になります。
Bの部分がプラットフォームの厚みです。

この場合のヒールの高さは、Cの高さではなくAの高さになります。
Cの高さというのは、Bの高さによって変化してしまいますが、
Aは変わることはありませんので、オールソールの際はこの高さを基準に
それぞれの仕様を決めていきます。
例えば
C/90mm
B/25mm の場合
90 - 25 = 65mm
このパンプスのヒール高は、90mmではなく65mmになります。
これを「落差」、または「オフセット」といいます。
ここ、テストにでるので覚えておいてください。
図だけみると修理の話?って感じです。
C点からA点を通り、B点へ繋げる際の最短距離を求めなさい…
この落差は、靴それぞれもとになる靴型で設計されています。
踏みつける際に、足が曲がる位置と靴が曲がる位置を
合わせた設計になっています。
このパンンプスの場合は、65mmが正解ですが、前側に25mm足しているので
ヒールにも同じ分を足した高さ、90mmを取付ければ落差は合うことになります。
重要なのは、前後でそれぞれプラスマイナスをし、もともとの
落差を変えないことが大切です。
*多少の許容範囲はありますが。
例えばこのパンプスをオールソールする時に、
前側のプラットフォームを取り除いてソール交換すれば、
ヒールは90mmでなはく65mmを取付けることができます。
見かけのヒールの高さは低くなっていますが、
実際の高低差(落差)は変わっていません。
ちなみにハイヒールを本来の設定より低くしてしまうと、
踏みつける位置は踏まず側(後方)に下がってきてしまいます。
その場合パンプスは、履き口が広がってしまい脱げ易くなる、
シャンクが折れるなどの症状が生じる可能性があります。
ただ、多少それぞれで許容範囲がありますので
ハイヒールのヒール土台まで摩耗してしまっている方、ご安心ください。
前置きが長くなりましたが、今回のご依頼品ではどうでしょうか。

こちらの靴の落差は、およそ30mmと云うことが分かりました。
およそというのは、ヒール部分も修理店Bにてリフト交換がすでにされています。
ですので、この修理店は何をしでかしているのか分かりません。
リフト交換の際に必要以上に削っていたりすると、ヒールの
高さも狂ってしまっている可能性があるからです。
接地具合や残されたヒールブロックを見る限り、あまり修理店Bの
影響はヒールにはでていないようです。
旧修理店で貼られたハーフソールは、通常の2.0mm厚でした。
修理店Bで重ねて貼られたハーフソールは、厚めの3.5mm厚。
合計前側が、5.5mm高くなっています(摩耗している分はありますが)
先程の落差設定でいくと、通常のハーフソールでも前側が2.0mm
高くなっているので、その時点でおかしくはないのか?ですが
2.0mmですとまず問題がありません。
しかし、これが3.5mmにすると途端に違和感が生じてしまいます。
店頭でお客さんに3.5mmのハーフソールを地面に置いて
取付ける靴で踏みつけて立って頂くと、みなさん違和感を感じられます。
たった1.5mmの差なのですが。
ちなみに3.5mmのハーフソールを新品の靴に取付けたい場合はどうするのか?
ですが、リフトも3.5mm追加しなければなりません。
しかし、3.5mm厚のリフトというのはないので、始めに付いている
6.0mmにリフトを外し、9.5mm(10.0)のリフトを取付ければ計算が合います。
ただ、これでは減っていないリフトをわざわざ交換するのでもったいないです。
ですので、ハーフソールは一旦2.0mmを取付け、のちのちそれが摩耗した頃には
リフトも減っているので、そのときに前後とも交換すれば宜しいかと思います。
ご依頼品の違和感の原因とはなんだったのか?
皆さんもうお分かりだと思いますが、
「前側が5.5mm高くなっている(靴が後ろに傾斜している)」
「左右の靴で前側の高さが異なる(片足はハーフソールが半分なので)」
というところだと思います。
1.5mm(3.5)の差でも違和感があるのに、5.5mmそれも
左右で違うとなると違和感ありありでしょう…。
結局、修理店Bで治してから履かなくなってしまったのですが、
もったいないので今回検索して当店をご指名頂いたとのこと。
でもそんな事があると、もう一度修理に出すのは
怖かったんじゃないかと思います。
しかも今回はオールソールでお金も掛かりますし、しかも郵送なので。
その参へつづく…。

古いハーフソールを剥がさずに二重に貼ることで履き心地が
悪くなるのか?
話が分かりづらくなるので、「片足のハーフソールは半分残っている状態」
というのは一旦おいておきます。
これで履き心地に違和感が生じるのは当たり前なので。
落差(オフセット)とは?
オールソールのお問い合わせの際に、いつもこの部分が伝わりづらいので
これについて別記事を書こうと思っているので今回はかいつまんでご紹介します。
靴にはそれぞれでヒールの高さが決まっています。
ですので、オールソールするからといってもっとヒールを高くしたい!、
ぺったんこヒールにしたい!あのvibramソールを使いたい!
と云う訳にはいきません。
(あまりこの部分を考慮しないでソールを取付けているお店もあるようですが)
こちらをご覧下さい。

分かり易いのでこちらのパンプスを使ってご説明したいと思います。
「ヒールの高さはどのくらいですか?」と尋ねますと
みなさん決まってCの部分を計測されると思います。
このパンプスは前側にプラットフォームという厚底仕様になっていますが
アッパーの革で一緒につり込まれていますので外からは見えません。
実際の足が入っているレベルはAの下線位置になります。
Bの部分がプラットフォームの厚みです。

この場合のヒールの高さは、Cの高さではなくAの高さになります。
Cの高さというのは、Bの高さによって変化してしまいますが、
Aは変わることはありませんので、オールソールの際はこの高さを基準に
それぞれの仕様を決めていきます。
例えば
C/90mm
B/25mm の場合
90 - 25 = 65mm
このパンプスのヒール高は、90mmではなく65mmになります。
これを「落差」、または「オフセット」といいます。
ここ、テストにでるので覚えておいてください。
図だけみると修理の話?って感じです。
C点からA点を通り、B点へ繋げる際の最短距離を求めなさい…
この落差は、靴それぞれもとになる靴型で設計されています。
踏みつける際に、足が曲がる位置と靴が曲がる位置を
合わせた設計になっています。
このパンンプスの場合は、65mmが正解ですが、前側に25mm足しているので
ヒールにも同じ分を足した高さ、90mmを取付ければ落差は合うことになります。
重要なのは、前後でそれぞれプラスマイナスをし、もともとの
落差を変えないことが大切です。
*多少の許容範囲はありますが。
例えばこのパンプスをオールソールする時に、
前側のプラットフォームを取り除いてソール交換すれば、
ヒールは90mmでなはく65mmを取付けることができます。
見かけのヒールの高さは低くなっていますが、
実際の高低差(落差)は変わっていません。
ちなみにハイヒールを本来の設定より低くしてしまうと、
踏みつける位置は踏まず側(後方)に下がってきてしまいます。
その場合パンプスは、履き口が広がってしまい脱げ易くなる、
シャンクが折れるなどの症状が生じる可能性があります。
ただ、多少それぞれで許容範囲がありますので
ハイヒールのヒール土台まで摩耗してしまっている方、ご安心ください。
前置きが長くなりましたが、今回のご依頼品ではどうでしょうか。

こちらの靴の落差は、およそ30mmと云うことが分かりました。
およそというのは、ヒール部分も修理店Bにてリフト交換がすでにされています。
ですので、この修理店は何をしでかしているのか分かりません。
リフト交換の際に必要以上に削っていたりすると、ヒールの
高さも狂ってしまっている可能性があるからです。
接地具合や残されたヒールブロックを見る限り、あまり修理店Bの
影響はヒールにはでていないようです。
旧修理店で貼られたハーフソールは、通常の2.0mm厚でした。
修理店Bで重ねて貼られたハーフソールは、厚めの3.5mm厚。
合計前側が、5.5mm高くなっています(摩耗している分はありますが)
先程の落差設定でいくと、通常のハーフソールでも前側が2.0mm
高くなっているので、その時点でおかしくはないのか?ですが
2.0mmですとまず問題がありません。
しかし、これが3.5mmにすると途端に違和感が生じてしまいます。
店頭でお客さんに3.5mmのハーフソールを地面に置いて
取付ける靴で踏みつけて立って頂くと、みなさん違和感を感じられます。
たった1.5mmの差なのですが。
ちなみに3.5mmのハーフソールを新品の靴に取付けたい場合はどうするのか?
ですが、リフトも3.5mm追加しなければなりません。
しかし、3.5mm厚のリフトというのはないので、始めに付いている
6.0mmにリフトを外し、9.5mm(10.0)のリフトを取付ければ計算が合います。
ただ、これでは減っていないリフトをわざわざ交換するのでもったいないです。
ですので、ハーフソールは一旦2.0mmを取付け、のちのちそれが摩耗した頃には
リフトも減っているので、そのときに前後とも交換すれば宜しいかと思います。
ご依頼品の違和感の原因とはなんだったのか?
皆さんもうお分かりだと思いますが、
「前側が5.5mm高くなっている(靴が後ろに傾斜している)」
「左右の靴で前側の高さが異なる(片足はハーフソールが半分なので)」
というところだと思います。
1.5mm(3.5)の差でも違和感があるのに、5.5mmそれも
左右で違うとなると違和感ありありでしょう…。
結局、修理店Bで治してから履かなくなってしまったのですが、
もったいないので今回検索して当店をご指名頂いたとのこと。
でもそんな事があると、もう一度修理に出すのは
怖かったんじゃないかと思います。
しかも今回はオールソールでお金も掛かりますし、しかも郵送なので。
その参へつづく…。

ampersandand at 16:32│
│オールソール



