カンペール

2015年11月07日

CAMPER 断られるのは仕方がない。 あげ底篇

カンペールでは、ソールと本体の合体の仕方が
他の靴ブランドに比べ一癖も二癖もあります。

BEFORE
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ですので、あまり受付されない修理店も多いようです。
ソールを剥がしてみたら… なんじゃこりゃなんてことは
よくよくあります。

別にそんな作り方にしなくても、見え方も変わらないし
もうちょっと普通にすればコストを抑えられるし、
耐久性もあげられるのにな…と思うことがしばしばあります。
なにか理由はあるのでしょうが、謎です。
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今回も靴は、一件普通の仕様なのですが、靴とソールの隙間を
埋める俗に「中もの」と云われる部分に厚いスポンジが施工されていました。

通常であれば全く問題ないのですが、5.0mmほどの厚みがあり
その厚みが収まる様にソールを凹ませてあります。
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ですので、通常のようにソールを取付けてしまうとどうなるかと
いいますと、サイズ感が変わってしまう可能性があります。

これだけの厚みですと、実際に履いた際には中底が踏みつけられると
その下が5.0mm厚のスポンジですので中底が凹みます。
(特に市販の靴の中底はだいたいはパルプですので余計に凹みます)
それは結局、靴の中の容積が広がるという事ですので
サイズが大きくなっているということです。
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私の見解としては、柔らかいマットレスで寝ると腰が必要以上に
沈み込んで余計に疲れてしまう場合がある様に、
柔らかすぎる、クッションが効き過ぎる仕様は
人によっては合わないかもしれません。

ただ、この場合は元と同じ様にしないと、サイズが変わってしまう可能性が
ありますので元通りの仕様で製作致します。

ときどきサイズ調整や履き心地についてご相談頂きますが、
快適、履き易い 、軽い= 柔らかい、ゆったりした靴
などと感じられている方が多いようですが、適した剛性で作られ
ある程度の締め付け感があった方が歩行には疲れ難いかとも思います。
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スポンジが収まる様にミッドソールを刳り貫きましてサンドします。

もともとあまりソールが減っていない状態でのソール交換ですが、
ヒール部分が劣化し割れてしまったのでソール交換となっております。
ですので、中もののスポンジもほとんどヘタっておりませんので
そのまま使用致します。

スポンジは同じ厚みでも弾力、沈み込み具合が変わってしまうと
今回はサイズ感に影響が出る可能性がありますので
ヘタリがなければ再利用致します。

そしてレザーソールを取付け底縫いを掛けます。
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接地面はハーフソールを取付けます。
補強/滑止め兼用仕様が標準設定となります。
AFTER
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例えばグットイヤーウェルテッド製法、マッケイ製法などであれば
些細な違いはあるにしても、靴底の設定はどのブランドでも同じです。

が、カンペールの場合は、マッケイ製法だったとしても
そこから幾通りにも枝分かれした仕様になっておりますし
それは、ソールを剥がしてみないと分からない場合が殆どです。

ですので、あまりやりたがらないお店があるのは
仕方が無いのだろうと思います。

という当店も、始めてのカンペールの時は、まさか
こんな仕様だとは思わずに受け付けてしまったところから
始まった訳ですが。

以前どのくらい、カンペールのソール交換したのだろうかと
湯船につかりながら計算してみましたが、
少なく見積もっても600足ぐらいは交換しているので、
今ではそんなサプライズにはもう慣れましたが。
それでもまだまだ未知のカンペールは飛来してきます…。

さきほどカンペールのHPを観てみましたが、
完全にソール交換がアウトな新作が続々と登場しているようです(怖)
しかし、ダメもとでソールを剥がさせてくれる
ご依頼者がいらっしゃれば対応可能になるかもしれませんが。

そのほか、CAMPER 修繕事例はこちらです。


ampersandand at 21:54|Permalink

2015年11月06日

CAMPER ウェッジのカラーソール対処法 ブルーハワイ篇

BEFORE
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カンペールのデザインの特徴的な部分として
ソールのボリューム感があります。

そのボリュームのある特徴的なソールを表現する為に、
軽量で耐久性のあるウレタン素材を混合した素材を用いておりますが…
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結果、湿度の高い日本ではこのようにぱっか〜ん
なってしまいます…。

これを交換するにも、修理で使用するものは取付けて削りだして
成型するのが基本ですので、三次曲面のあるようなものは
表現するのは難しかったり致します。

よく、「丸みをだして」というご注文がありますが、加工も大変ですが
なにより摩耗に関して耐久性が著しく低下しますのでお断りしております。
理由については、今回の本題ではないのでまた次の機会に致します。
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ウェッジソールタイプは、スポンジを積み重ね、
削りだしてゆくのですが、素材の色は
ブラック/ダークブラウン/ホワイト/朱色と限られております。
厚みによってはブラック/ダークブラウンのみとなります。

ですので、今回のカラーソールの場合などは
レザーソールを用いて染めることで対応は可能です。
ですので、ヒールモデルに仕様変更とはなってしまいます。

今回のブルーハワイ色は巧く染まりました。
(かき氷のブルーハワイ味と同じ色です、ブルーハワイ味って…謎です)
天然素材ですので、染まり具合はまちまちですので、
本番を染める前に、使用したレザーの端切れで試し染めして具合を
確認しつつになります。
AFTER
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ヒールが修繕前より低く見えますが、実質の高さはほぼ同じになります。
言葉では巧く伝えられないのですが、同じなのです。
これも次回、機会がありましたらどうゆうことなのかご案内致します。
図説が無いとたぶん伝わらないと思いますので。
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この仕様ですと、まずレザーソールを取付けて本体と底縫いを行います。
そして、摩耗する前側はハーフソールを取付け、滑止めと補強を兼ねます。

カカトは、リフトのゴムが交換出来る通常使用です。
レザーソールもヒールもオリジナルのような劣化は
まず起りませんので、ハーフソールとカカトのゴムを
摩耗しましたら部分交換(お近くの修理店で可能です)で
対応できますので、オールソールの必要は今後必要無いかと思います。

以上、カラーソールの対処法でした。
一般的な紳士靴のような仕様の場合は、
カラーラバーソールでご用意出来るものもございます。

そのほか、CAMPER 修繕事例はこちらです。

ampersandand at 23:55|Permalink

2015年10月29日

CAMPER ヒールとかソール、折れるんですね…。 秋の悲しみ篇

先日まで、秋のカンペールヒールモデル、
悲しみのオールソール月間でしたので、そのご報告となります。

通常のヒールの婦人靴ですと、あまりヒールが砕けたり、
ソールが折れたりと云う経験は少ないので、
カンペールに慣れていない方は、しばしば驚かれてご依頼になられます。

ただ、カンペール愛好家のカンペーラー(アムラーみないな感じです)の
方々には、おなじみの光景かと思います。
BEFORE
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カンペールのヒールモデルは、殆どの場合ヒール部分が
割れてしまい終焉を迎えてしまいます。

こちらのブログで何度もお伝えしております様に、
カンペールで使用されている素材は、日本の気候に合わないようで
劣化により、かなりの確率でソール(ヒール)が割れてしまいます。

ヒールモデルの場合は、ソールとヒールが一体化になっておりますので
画像のように、カカト部分が一部割れてきた場合でも
当店ではオールソール対応となってしまいます。

カカト部分一部の割れでも、結局は同素材のソール部分も
同様に劣化しておりますので、時間の問題となっておりますので。

また、ヒール内部の状態が分かりませんので、
空洞になっている場合などは、表面的に補修を行った場合、
後にぼきっと折れたりしますと、事故に繋がりかねませんので
安全を考慮しまして当店ではそのような対応となっております。
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ヒール色々。
カンペールのヒール形状は様々ですので、
それに合う形状を探すのがひと苦労です。

形状というのは、外観のデザインと云う意味ではなく、
ヒールの高さ/接合部分の縦横比/太さの三要素になります。
最後に、オリジナルの形状という優先順位となります。

*ヒールの高さは、オリジナルと同じになる様に設定しております。
 ただし、本体がソールに埋まっているなど、見かけと実際の高さが
 異なっている場合がありますので、オリジナルと同じ設定でも
 ヒールの見た目の高さは、5.0mm前後違って見える場合があります。


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ヒールモデルは、この三要素を合わすのが難しいところです。
接合部分が合うものでも、高さが足りない、太さが細すぎるなどなど
ですので、いくつか使えそうなものを仕入れ、実際に
合わせたり加工したりして選択しております。
(色は染めるのでどうにでもなります)
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ヒールモデルのオールソールは基本的に
レザーソールをベースに使用しております。

レザーソールに本体と底縫いを行い剥がれないように致します。
レザーソールですので、劣化により割れることもまずないと思いますので
安心して履いて頂けます。

接地する部分にはハーフラバーソールを施します。
そうする事で、底縫いの糸も切れませんし、摩耗しましたら
ヒールのカカトのゴム同様に、部分補修で交換可能な仕様となります。
部分補修は、お近くの修理店でも可能だと思います。

ですので、今後は普通に使用されていれば、
オールソールの必要はないかと思います。
AFTER
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次回は、「カンペールヒールモデル ひと癖篇」となります。



ampersandand at 08:03|Permalink

2015年05月24日

雑色ジャンクション、カンペール渋滞中…。 

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ampersandand at 23:50|Permalink

2014年11月21日

カンペール修理専門店ではないのだけれど… なかなかの存在篇 

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今月は、いつもにも増して全国からカンペールが
着々と届いております。

いずれもソールが割れたり、崩壊しているものばかり…。
みなさん、出先で靴底がぱっくり割れてしまった場合は
どうされているのでしょうか…。

壊れた時に、仕方なくソールが無い状態でそのまま
歩かれている靴もありますが、
本体の革が擦切れて無くなってしまうと、
綺麗に治せない、余計な費用が掛かってしまうので、
あまりお勧めは致しません。

届けられるカンペールの中には、捨てられずに何年も保管されていた
ものも多かったり致します。
壊れた時点で、その時に問い合わせた修理店で断られ、
それでもあきらめきれずに保管していて、その後、
ふと検索してみて当店を発見されるといったパターンが多いようです。

なんでもかんでも使い捨てられる今の時代に、
壊れて修理を断られてもあきらめきれず、
保管されている靴というのは、なかなかの存在ですね。

ampersandand at 01:00|Permalink

2014年10月08日

季節の変わり目カンペール。 受難篇

一日、一日と季節は秋めいていき、気持ちのよいシーズンです。
ただし、カンペールオーナー様には受難な季節でしょうか…。

季節も移り変わり、そろそろあのカンペールが似合う季節かな…と
下駄箱から久しぶりに取り出し、いざ出かけてみますと…
ぱっくり… ぽっきり… べっとり…
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出かける前に、近所をしばらく散歩されて、
点検されてからのほうがよろしいかと思います。

分かり易く崩壊していなくても、曲げた際の屈曲部分やヒールに
わずかでも亀裂がありますともうダメだと思います。
でもでもと、無理して駅の階段で ぽきっといこうものなら… 
お気をつけ下さい。

なお、カンペールあるあるですが、そういったひび割れに
市販の接着剤を塗布しても効果はありません。
痛んでいる訳ではなく、「素材の劣化」ですので…残念ながら。
チャレンジングする場合でも、本体の革には付かないように
してください、採れませんので。
1007
2ペア揃ってみたりします。

最近なかなかblogの更新ができないのですが、
帰宅後、お問合せメールの確認を行いますと、沢山頂いておりまして
それぞれ図説で補修方法を御回答などしておりますと
眼精疲労もあり、blogまで辿り着けなくなります。

ちなみにこんな感じの補修レポートを作成する場合もあります(実物)。
1007-9
修繕方法は一通りではないので、その方の歩行癖や使い方などにより
適したもので行います。
また、基本的に耐久性と見た目のバランス重視ですが、
耐久性より見た目重視と云う方もいらっしゃるので、
その場合の案も提示したり致します。

鞄の角部分の補修イメージ図(角部分は合成)
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補修後
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カカトの擦れ補強イメージ図
(青矢印はこの部分と同じような色になりますと)
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パーツの縫製箇所はダブルステッチの予定でしたが、
八方ミシンで不安定な箇所を縫製しているので、
ダブルにすると二列目が乱れる可能性があったので
シングルステッチに変更しました。
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全国から郵送修理でのご依頼がどんどん増えておりますので、
こうした対応が必要になる場合があります。
ただ、郵送された実物を見てみたら… 画像よりひどく、
手こずるなんてことはしばしばありますので大変ではありますが。

カンペールも、これでもかというほどオールソールを行っておりますが、
なかなかデザイン豊富で、画像では判断できないような、
おいおいっ… というような、
かなりアクロバティックな仕様の代物が届いたりする今日この頃…。

P.S
ときどき、

「peuモデルのゴムの靴ひもを、ひとつ購入したいのですが…」や、
「純正インソールの、サイズは38を買いたいのですが…」

と、お問合せありますが、
当店は、カンペールの代理店ではありませんので
販売は行っておりませんのであしからず。

ampersandand at 11:20|Permalink

2014年07月14日

カンペールの憂鬱。

このblogに辿り着いた方は、恐らくカンペールのソールが悲しいことの
なっているのだろうと思いますが…。
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先日、常連のお客さまと、こんなやりとりがありました。
カンペールを購入しようと思うのだけれど、どうだろうか。
修理品には詳しいのですが、現行品がどうなっているのか
わたしは分からなかったので、iPadでご一緒にカンペールのhpを
覗いてみますと…。

これだけソールが割れるのだから、現行品はなんらかの考慮が
されているものとばかり思っておりましたが…。

相変わらず…といったところでしょうか。
しかもパワーアップしていますね。
完全にソール交換ができないタイプも盛りだくさんです…。
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お客さまとカンペールHPの商品一覧を見つつ、

「これダメですね、これも、これも…」

「ここからここまで全部だめです… 」

「これは?」

「あー だめですね…。」

「これならば、ソール交換はできるのでこれなら大丈夫です。」

「でも、足首まで覆ってあった靴のほうがいいと思いますよ」
(高齢な方でしたので)

「それだと… これしかないですね…」

と、そんなやりとりもありました。
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丸い赤いカンペール印が入っているソールはその部分で割れます。
丸い部分は素材が異なり硬いので、そこがきっかけになってしまいます。
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表面を剥がすと…内部は完全に崩壊しているとか恐ろしいですね…
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他店で部分修理されたカンペールもよくやって参ります。
で、あまりカンペール修理に慣れておりませんと、
接着剤の選択が間違っていたり、無意味に釘を打ったりして
余計に劣化を進行させてしまっている場合もあります。
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カンペールのソールに釘を打っても糠に釘ですし、
かえって割れるきっかけになりかねません。
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といってもそのカンペールですら、加水分解系のソールに
あまり適さない底縫いを施していたりしていますので…なんとも。
(加水分解ソールに底縫いを行うならば、接着を念入りにした
 ほうが良いと思います、縫い目で割れてしまいますので)

カンペールの履き易さの一つは、指先のサイズ感がゆったりしている
こともありますが、その他の要因としまして「抜き」があると思います。
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ボリュームのある特徴的なソールは、内部の「抜き」を行う事によって
軽量化/屈曲性の向上/弾力性を与えているように思います。
しかし、この抜きによって劣化が始まると、一気に崩壊、割れを
誘発する要因となっておりますので…どうなのでしょうか…。
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また、5割から6割ぐらいの確率で、ソールを剥がしますと
中底も痛んでいることが多く、補修を行ってからソール交換を
行っております。
(ソールを剥がすまでほとんど分からないので、ほぼサービス補修ですねここ)
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そして最近の憂鬱としては、インソールまで劣化している
案件が発生しております。
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カンペールのインソールは、ヤシを圧縮したもの、革中敷きや
ウレタン系のインソールがあります。
このウレタン系のインソールは、底に使われている素材と
似ている素材ですので… そうです劣化します。

この手のインソールは、三次曲面をしておりますので
グラインダーではその曲面を正確に再現できません。
ですので、厚みなどは再現できますが、
なかなか完全に履き心地までは難しいですね。

ですので、市販の立体的なインソールを代替えで
使われてもよろしいかと思います。

ではでは、憂鬱なことばかり云っても悲しくなりますので、
立ち直ったカンペールたちをまとめてご紹介。
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vibram#148
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vibram#1030
0625-570625-60
vibram#148
0625-190625-20
vibram#4014
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BIRKENSTOCK & red rubber mid sole
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leather mid sole&rubber sole (crepe pattern)
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leather mid sole& rubber sole(crepe pattern)
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leather sole&half rubber sole
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rubber sole(crepe pattern)

どうでしょうか、少しは立ち直れましたでしょうか。
交換したソールは、劣化が起り難いソールを使用しておりますので、
今後は憂鬱になることは避けられるかと思います。
尚、カカトなど摩耗しましたら、部分補修も可能な仕様となります。

掲載のソールは一例となりますので、
他のソールでも交換可能となります(モデルにより限られる場合もございます)

ほか、カンペール修繕事例はHPにて参照下さい。


ampersandand at 19:44|Permalink

2014年07月12日

カンペールが犬に喰い千切られたら案件 復元修理篇

しばしば犬に喰い千切られる靴たち… 災難です。
そして多くの場合は、伺ったお宅で…だったりします。
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なかなかの食いっぷり… 治せるかどうか自信が揺らぐぐらいの…
かかとの履き口がごっそり無くなっておりますね。
下あごの歯形が二本がくっきりと残っています。
左足は無事だったので、それをお手本にすることに。
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食い残し断面で残ってはいるが、ダメな感じの部分をカットしてゆきます。
まだこの段階では、修繕方法を2通りで迷っている感じで進めております。
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このまま表面を覆ってしまうと、革や芯材の段差が出てしまうので
パズルのようにピースを嵌めて均します。
補修方法は、パーツのようにするか、
革で全体的に覆ってしまうかが悩みどころでした。

カンペールの場合ですと、左右でデザインが異なっている事も多く、
また千鳥ステッチのような縫製も特徴的なので、
千鳥ステッチ風でピースをそのまま継ぎ接ぎにようにしようか、どうしようか。
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しかし、このデザインだと、他の部分との共通点がないので
唐突すぎるということで、全体を覆う方法で進めることにします。
革の色はこの段階では合っておりませんが、
ちょうどよいものがなかったので、後ほど補色を行い馴染ませます。

AFTER
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履き口や、かかと縫い割りなどオリジナルの縫製を再現しつつ
覆った革パーツを縫製して縫い止めます。

カンペールのタグも食われてしまっていたので、
グレーの革で再現してみました。
ここまでくると、どこまで再現するかが面白くなってきます。
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どちらが修理したほうか、分かりますでしょうか。
内側はライムグリーン色の革がなかったので、からし色に。
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補修したことで、接着剤や革の重なりで履き始め硬く感じるかも知れませんが、
(カンペールのかかと部分は、他の靴に比べると柔らかいので
通常の靴であれば同じ硬さになるのですが…)
履いていくうちに馴染んでくるかと思います。

以上、犬に喰い千切られたら案件となります。
ちなみに自宅の飼い猫は、喰い千切りはしませんが、
ブーツの筒の中をしばらく覗き込んでいたりはします。
何もいやしませんよ…と。

ampersandand at 21:59|Permalink

2014年06月02日

カンペールのオールソール 自主規制篇

最近、カンペールの修理記事があまりないので
ブームは去ったかと思われておいででしょうが…
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画像が溜まり過ぎて、どれを掲載したのか分からなくなっていたり
BEFORE画像はあるが、AFTER画像が発見できなかったり…と
放置状態なだけでありまして、今だブームは続いている次第であります。

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しかも、こうも集まってきますと同じデザインでかぶりだしますので
修理の際には気をつけないと、あべこべ事件が発生してしまうので注意です。
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しかし、ほとんど店舗営業していない状態で、
作業をおこなっておりますので、カンペールのソール交換につきましては、
ピーク時に比べますと、だいぶ精神的余裕をもって
行えるようになってきました。
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といいましても、シーズン前までお待ち頂いております、
ブーツのソール交換が、まだひと山あるのですが…。
もうしばらくお待ち願います。

落ち着きましたら、個別のモデルごとに
BEFORE/AFTER記事を投稿したいと思います。

ただ、今までの傾向としまして、記事を投稿しますと
その後いっきにご依頼が集中する傾向がありますので
投稿を自主規制しているという次第もあるのですが…。

ampersandand at 08:30|Permalink

2014年02月03日

石垣島のカンペール

今までは、宮古島が最南端ご依頼記録でしたが、
この度、記録更新となりました。
ご依頼は、カンペールのソール交換とビルケンの腰革補修となります。

BEFORE
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カンペールはソール交換と、補色になります。
カンペールは、革は比較的丈夫ですが、みなさんお手入れは、
なかなかされていない方が多いですね… 靴クリーム、使ってください。
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このステッチダウンのカンペールは、通常、表面のウレタン系のソール
交換のみで大丈夫なのですが…
あいだの部分のスポンジが、ところどころ剥がれ始めています。

ほかのメーカーですと、少しぐらい剥がれているのであれば
接着剤を塗布して、そのままでいける場合もあるのですが、
カンペールは、使用されている接着剤がタチが悪く、
すべて取り除かないと、しっかりと圧着できません。
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ですので、このあいだのスポンジも今回は交換となりました。
しかし、このキャラメル色のスポンジ素材はありませんので
現在はアイボリー色となります。

ちなみに、このあいだに使われるスポンジを、
材料問屋のおいちゃんは、「あんこ」といっておりました。
あいだに挟んでいるという処からのネーミングでしょうか。

剥がした状態の画像で確認できると思いますが、
この部分までが、本体とアウトステッチで縫われています。
この部分まで交換するとなりますと、このカンペールの場合は、
履き心地やサイズ感がかなり変わってしまうと思います。
AFTER
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スポンジはもとと同じ色がありませんが、なかなかカンペールらしい
感じでまとまっていると思います。
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もとの色が分からないぐらい、カスカス状態でしたので
わたしの一存で、キャメルからタン色系で補色してみました。
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続いてビルケンの腰革。
この部分がなんでこういう状態になってしまうかは、
いままで何度となく、お伝えしておりますが、再度お伝えしたいと思います。
原因としては、

90% 靴ひもを解かないで(結びっぱなしで)履く人。
8% 靴ひもを解いて履きたいけど、履けない人。
2%  原因不明。                 *ampersand 店主調べ

統計を見て頂きますと、一目瞭然ですね。
靴ひもを解かないで履けるという事は、
緩いということです。
緩いので、歩行の際に、足が靴の中で動きますので、
必然的に擦れる(当たる)部分が破れてきます。

before
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足が動いているので、その分、無意識で指を踏ん張ったりと、
バランスをとったりと、力んでいますので、
疲れ易かったりするだろうと思います。

また、履く際に指をひっかけて履きますと、履き口部分も裂けてしまいます。
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今回のような、スポンジが入っていたり、履き口ラインが
凹凸形状ですと、難しいので費用は高くなります。
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通常のすべり革補修ですと、見た目が悪くなってしまいますので、
オリジナルのようなパーツを作り、かぱっと被せます。
0122-14
スポンジが入っていますので、縫製する際は埋もれてしまい、
谷の部分は、縫い目が見えずらいですね。
after
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ちなみに、履きたいけど、履けない人というのは、
仕事などで脱いだり履いたりする時に、
いちいち座って悠長にできないんです…という分かっちゃいるが…という方。

そういう方は、サイドゴアブーツや、スリッポンタイプの
ゴムである程度固定される靴が良いかも知れません。

しかし、ゴムで固定している為、伸び縮みはするので
足が動かない訳ではありません。
またゴムが伸びた際には、補修が必要になるというデメリットもあります。

先日、テレビで紹介されておりましたが、
キャタピランと云う、結ばない靴ひもというのがあるようです。
ビジネスシューズには、合わないと思いますが、
靴ひもが億劫な方には良いのかもしれません。

以上、長文失礼しました。

ampersandand at 01:24|Permalink