クレープソールからの

2019年10月25日

GEORGE COXのオールソール クレープソールから革底にしてみる。

まだまだソールは履ける状態ですが、クレープソールは飽きたと
いうことで革底にイメチェン交換になります。
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厚底ですが中は白いスポンジになっています。
スポンジの土台にクレープソールを貼付け、その周りにクレープ素材の
板材を貼付けている仕様です。

クラークスもクレープソールで有名ですが、今回の仕様と同じように、
中はスポンジになっているモデルとクレープソールのみで出来た仕様のモデルが
外観のデザインは同じでも混在しているようです。

このようなモデルは中がスポンジは軽くていいのですが、かかとの
クレープ素材が減ってくると表出した部分は柔らかめのスポンジ素材
ですので、サクサク減っていってしまいます。

外観からはどちらのモデルか判断できないので
コスト削減なのか分かりませんが、だまされた感はありますよね。

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クレープソールを剥いた状態です。
10mmのスポンジベースにかかと部分には12mmくらいのスポンジの貼り合わせ。
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中ものはフェルト素材が使用されていてとてもスカスカな状態で敷かれています。
これでは履き込んでいった際には中底の落ち込みに偏りが生じてしまいます。

シャンクは木材が使用されています。木材のシャンクは5割ぐらいの確率で
割れている事がありますが今回は大丈夫そうです。
革底に穴が開いていたりして中まで浸水していると、木材が腐って折れて
しまう場合が多いようです。

靴のクリーニングで綺麗にピカピカ!というのを、ときどきワイドショー
などで取り上げられていますが、水洗いで靴を水没させて洗っていましたが
どうなんでしょうかねあれは。

今回の靴でそれを行なったとすると、まずはスポンジソールに接着されている
クレープソールは接着剤がふやかされて剥がれ易くなりますし、
接着剤で付いている部分は同様です。

次に木材のシャンクも水分を吸って劣化、または靴の内部はなかなか
乾かないので腐ってしまうかもしれません。
中ものがフェルトでしたのでいつまでたっても濡れているかもしれませんし。

中底は革ではなく紙の合成素材でしたので、水没させてしまうと
こちらもふやけて劣化してしまいます。中底が紙の合成素材というのは
ごくごく一般的で、紳士靴でウェルテッド製法以外であれば、
ほぼ合成素材の場合がほとんどです。
ウェルテッド製法の場合でも使われている事ができましたが。

靴を水没させて洗うというのではなく、日々のメンテナンスで
どうにか維持されていかれたほうが宜しいかと思います。

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最近というかしばしばですが、グットイヤーウェルテッド製法の靴は
漉い縫いが出し縫いに貫通されて切れてしまっています。

もう少し製造工程でシビアに製作して頂かないと修理する方はいい迷惑ですね。
今回もところどころ出し縫いで貫通されて切れていましたので
縫い直しが必要な部分がありました。
これはソールを剥がす前に分かる場合と、
剥がさないと分からない場合があります。

ジョージコックスのウェルトには樹脂製の幅広ウェルトが使用されて
いますがこの素材は経年劣化します。
今回もところどころで劣化によるひび割れが確認できましたが、
とりあえず今回はウェルト交換せずに大丈夫そうです。

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中途半端に敷かれていたフェルトは取り除き、一般的なコルクを
隙間なく充填します。
お客様にときどき尋ねられるのですが、
「コルクの交換はいくらかかりますか?」と。

オールソールの時にコルクの交換が有料のお店があるとのこと。
当店ではオールソールはすべて込み込みです。
シャンクが折れていれば無料で交換しますし、些細な補修は込み込みで
勝手に元通りに交換させて頂いております。
*但しウェルト交換が必要など、大掛かりな補修が必要な事が判明した際は
ご相談させて頂きますが。

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もとが厚底なのでシングルソールですとソールのボリューム感が
乏しいので革底はダブルソール仕様で。(4.0mmと5.0mmで合計9.0mm厚)
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フラットソールからヒール仕様に変更する際のヒールの高さの設定ですが
これは好きな高さに設定出来る部分ではなく、靴ごとに決まっています。
今回の靴は、ヒール部分に12.0mmのスポンジが足されていましたので
ヒールの高さは12.0mmとなります。

そして赤いハーフソール2.0mmがつきますので、合計で約14.0mmが
今回のヒール高になります。
ヒールの高さ設定については詳しくはこちらの記事で


AFTER
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ご希望は底面は赤く、ということでしたので赤いハーフソールを使用し、
踏まず部分とダヴリフトの革は赤く染色。

余談ですが、赤い靴底といえばルブタンが有名ですが、
ルブタンがイヴサンローランを訴えたというニュースが以前ありました。
イヴサンローランが赤い靴底の靴を発売したことで商標権侵害を
ルブタンが訴えた、という話。

結局はルブタンが敗訴したようですが(当たり前ですが)、しかし一部では
赤い靴底の商標はルブタンに認められたという感じでしたが。
そんなばかな…ですね。
これが認められるならばハートマークは、星印は、ストライプは、水玉は…と
なりそうな気がしますが。
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ダブルの革底はウェルトと出し縫いしてからハーフソールを
取り付けていますので、底縫いの糸が擦り切れる事はありませんので
基本的に今後はオールソールの必要はありません。

ダブルソールで靴底は硬めな仕上がりですので、つま先にはお決まりの
ビンテージスチールの併用仕様。
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シングルソールでもそうですが、ダブルソールの場合は尚更に
靴底は屈曲し難いので、摩耗し易いつま先にはビンテージスチールで
補強しておく事がお勧めであります。
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本体に使用されているオーストリッチの存在感に負けないように
ダブルソールの革底がいい感じですし、靴底のレッドカラーも印象的です。

オーストリッチといえば表面のイボイボのクィールマーク(羽根軸痕)。
このイボイボは平に潰れているものより、大きく丸く盛り上がっているものが
品質が良いとされているそうです。

オーストリッチといえばいつも思い出す話が、
知り合いの職人さんがオーストリッチの鞄をオーダーされ、
革も一級品のクィールマークが綺麗に表れている素材を探して
誂えたところ、ご依頼主に逆にそのイボが気に入らないので
平なイボの普通のオーストリッチにして欲しいと…。

職人は泣く泣く上等なイボを平に潰すことになりました、とさ…。

なんとも落語のような話ではありますが、
オーストリッチの革をみるといつもこの光景を思い出してしまう
今日この頃…。

ampersandand at 11:56|Permalink

2016年12月15日

オールソールの不安。 クレープソールからの…BUTTERO篇

例えば家電の修理であれば、同じ部品を使って同じように治すので
デザインが変わるということはないでしょうし、
仮に、ipadを修理に出して、手元に届みたら
そのデザインが変わっていたらちょっと面白いですし、
即SNSで拡散される事でしょう。

なのでメーカーでも、街の修理店でも修理に出して治すということについて、
その仕上り具合には然程、不安は抱きません。
しかも街の電気店で治すにしても、例えば東芝の冷蔵庫を治す場合、
東芝から修理部品の供給を承け、純正部品で修理を行う訳なので、
おかしな修理になる事もありませんし。

しかし、靴や鞄などではオリジナルの部材の供給もありませんし
そもそも製品の仕様自体に問題があったりしますので
仮に同じ材料を使用し、同じ設定で治せたとしても…
また同様に壊れる…

ではどうしましょうかと…。

BEFORE
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イタリアブランドのブッテロ。
見ての通り、そもそもソール交換をするつもりもない?
デザインとなっております。
修理を考えないでデザインするというのは楽しいだろうなと
修理を始めてからというもの、つくづく思う次第であります。
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ソールの仕様はクレープソール。
ベタベタ劣化現象が発生しております。
このような感じのソール仕様は、ラバーソールのコンバースと同じなのですが、
ソールの見た目の感じからしますと、分厚いソールなように見えますが…
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周囲に巻かれているクレープソールを剥がしますと…
こんな感じで実際のソール厚は半分程度。
15.0mm程度本体が埋まっておりました。
クレープソールのクレープ巻きと云った感じでしょうか。

周囲を3.5mm程度のクレープソールで本体と一緒に巻いております。
このクレープソール巻き仕様には、色々と問題があるので、
靴のソール設計としてはどうなのだろうかと思う次第です。

ときどき、この巻いた薄いクレープソールを側面で縫製している
仕様がありますが、屈曲部分では、徐々に縫い目にソールが耐えられず、
また劣化により、のちのち縫い目で裂けて(貫通)しまったり致します。

今回のオールソールのご希望は、タンクソールのようなイメージでと
いうことで、強いて云えばvibram社の#1147がご希望でしたが
ご依頼品の靴ではヒールの高さが合わず、使用出来ないということに。

ご依頼品は、画像でも分かるようにソールは前後で厚みの変化もなく
フラット、カカト部分に申し訳ない程度に3.5mm厚のクレープソールは
付けられております。

ですので、ソール交換の場合も前後の高さの差は
3.5mm設定ということになります。
先ほどの#1147では前後の高さの差が、16.0mmありますので
付ける事は出来ますが、1.0cm以上ヒールが高くなってしまいおかしな事に。

ですので、前後別パーツで取付けられるタンク仕様で行う事に。
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クレープソールを全て取り除くとこんな感じ。

今回は、オリジナルからソールの仕様も変更になりますし、
またソールに埋まっている特殊なモデルとなりますので、
当店ではお馴染みの、革巻補修も別途追加で行う事になります。

ですので、靴のデザインもかなり変わってしまいますので
お客様のご了解を得てはおりますが、果たしてその出来映えに
満足して頂けるかどうか…という不安が。
(私は経験上、もちろん仕上りのイメージは出来ているのですが
 お客様にちゃんと伝える事が出来ているのかどうか…)

ほかのアイテムの修理全般に云える事ですが、
デザインや仕様が変更になる場合はお客さんも不安でしょうし、
補修している私も不安だったり致します。

「思っていたのと違う…」なんてことになるとお互い悲しいですし。

ではでは出来上がりは…

AFTER
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レザーソール/ダイナイトロジャーハーフソール/リフト仕様
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周囲には、飾りステッチウェルト仕様
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レザーソールと本体を底縫いを行い、ハーフソールを取付けておりますので
ハーフソールが摩耗しましたら部分交換可能です。
ワークブーツではよく一緒に底縫いされておりますが、
それですとハーフソールが減った段階で、オールソールするしか
方法がなくなってしまいます。

また、一体型のユニットソールではないので、リフト部分も
一段取り外せますので、もちろん部分交換可能です。

ヒールが高くなっているように見えますが、前側にハーフソール7.0mmが
取付けられておりますので、その分カカトも7.0mm上昇します。
ですので、カカト部分は3.5+7.0=10.5(11.0)mmヒール設定
ということになります。

出来映えは、カジュアルなモードな仕様から、
男気あふれるラキッドな雰囲気に仕上りました。
ご依頼主さんからも、「時間とコストを上回る出来映え」と
いうことでご満足して頂けたご様子でした。

ちなみに気になる修繕費用ですが、ご依頼品はソールに埋まっている
特殊モデルとなりますので、当店独自の革巻き補修仕様では
大変手間が掛かりますので、23.000円と大変高額となっております。

なお、一般的な紳士革底のソール交換費用目安は、
レザーソール/チャネル仕様/積上げ/vibramラバーリフト/14.000円
となっております(オリジナルの靴の仕様により異なります)

特殊モデルの修繕は、当店の修繕方法ですと
一足に時間が掛かり過ぎてしまい、他の修理品の進捗にも影響が…。
(なにぶん、一人で全ての業務を遂行しておりますもので…)

ですので以前、一時的に特殊モデルの取り扱いを辞めておりましたが、
お問合せも多く、断られてしまったら、
あきらめる(捨てます)しかないと云われると…

ということで、お預かりの時間と費用をご納得された方には
ご依頼頂いている次第であります。

特殊モデルの詳しい修繕過程はこちらの記事を参照下さい。
カンペール特殊モデル奮闘記
其の壱
其の弐
其の参

ampersandand at 13:36|Permalink

2016年10月12日

クレープソールの移籍組。

好き嫌いが分かれるクレープソール。

私も若い頃に一度だけ、真っ赤な革靴のクレープソールを履いていた
時期がありましたが、ご多分に漏れず、ねちょねちょ現象が発生し退団。

以後、機会が無く履いておりませんが、ときどきあの弾力感のある
履き心地を夢見ることがあります…。

そんな夢見る時期を過ごした方々から退団の申請が相次いでおります。
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主に、クレープソールを主力とするクラークスグループからの
退団組が多いです。

それぞれの移籍チームは主に、イタリアのVIBRAM軍団に引き抜かれてゆきます。
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移籍しますと大概は、岡崎や本田や香川のように出番が
少なくなることが多いのですが、
イタリアへの移籍組は、順調に活躍してくれることでしょう。
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現在、メディカルチェック中ですので追々、
移籍結果をご紹介出来るかと思います。

移籍結果はこちらは。

ampersandand at 22:58|Permalink

2016年03月08日

悲しみのクレープソール オールソール篇

いいお値段だけど、大事に長く履こうと思い、
思い切って購入した靴のソールが剥がれる…。

壊れることは履いていればある事なので
仕方がないと購入ショップに修理で持込むと…

「修理はできません…」

て、悲しいですね。
それ買うとき教えて…て感じです。
BEFORE
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この仕様では剥がれる可能性は高いのですが、
そんなことはなかなか分からないですよね。

それでは今回の仕様のどこがまずいのかですが
ミッドソールに使われている素材と底縫いをしていない二点になります。
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本体とクレープソールの間に薄い層が見えるかと思います。
この部分がミッドソールになります。

そのミッドソールの素材がパルプ、紙が使われております。
このような圧縮された紙のパルプ素材は、市販の靴には良く使われております。
婦人靴は殆どそうですし、紳士靴でもセメンテッドやマッケイ製法の
靴などは、かなりの割合で中底面にはパルプが使用されております。

圧縮された紙ですので、これをミッドソールに使用すると…
接着された面は剥がれないのですが、その接着層を残して
画像のように表面が剥離してしまいます。
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つま先側本体に縫い目があるのでソールと本体が
縫われていそうですが、これは飾りでミッドソールとは縫われておりません。
結局は、素材の問題もありますが、底縫いさえしていれば
現状のままでも壊れることはなかったと思います。

それでは、これをちゃんとした仕様にするにはですが、
まずミッドソールをクレープソール3.5mmに致します。
クレープソールと本体のオイルレザーの接着の相性は
そのままでは悪いのですが、それぞれに適した溶剤(プライマー)で
表面処理を行い相性を良く致します。
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でここで、本体とミッドソールをマッケイ縫いにて底縫いを行います。
(マッケイ製法は靴の中側を縫っております)
そして、接着と底縫いでしっかりと本体に固定されたミッドソールに
クレープソールを積んでゆきます。

クレープソールとクレープソールは、表面をプライマー処理すれば
接着の相性は抜群になります。
AFTER
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ソールの厚みも、オリジナルより3.0mmぐらい増しております。
もとの厚みではクレープ素材ですとやや頼りないので。
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婦人靴ではよくあるのですが、カカト部分のソールが足りておらず
下に潰れて落ち込んでいる場合があります(芯材が弱いという理由もあります)
今回も本体が落ち始めておりましたので、底面を少し後方に延長して
カカトを支えるように設定してあります。

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つま先部分の縫い目は、飾りはそのまま生かしております。
ですが、本体とソールは中側でちゃんと縫製されております。

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カカトの部分はクレープのままでも、オリジナル通り
ラバー素材を埋め込み事も可能です。
クレープソールはいつまでもこの蜂蜜色だと素敵なのですが、
徐々にBEFORE画像のように汚れてきてしまうのが残念です。

これでソールは剥がれませんので、今後はつま先やカカトが
摩耗しましたら、部分補修を行って頂ければ宜しいかと思います。

これでようやく、悲しみの向こう側へと歩んでいけるのでは
ないかと思います。

追記「悲しみのVersace篇」
先日ベルサーチの鞄の修理でご来店のお客さんのお話なのですが、
メールにて鞄の表面の革が剥離してきて修理出来ないかと。
表面の剥離… この場合は合皮の可能性がかなり高いのですが…。

現物確認… やはり合皮。
合皮の表面剥離は、その部分の損傷ではなく
素材自体が劣化しておりますので仮に補修出来たとしても
焼け石に水です、ですので当店では修理不可になっております。

で、事前にVersace店舗に出向いて確認されたところ
Versaceのスタッフはその鞄が合皮素材ということも
認識していなかったと云う話、もちろん修理不可。
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ですので、買うとき教えてって思っても…です。
よく合皮の劣化にてご相談のお客さんにはお伝えしておりますが
購入の際にはプライスタグなどの素材表記を確認されてくださいと。

表地/革
裏地/合皮

外装は革でも内装が合皮の場合もよくありますので要注意です。

ちなみに靴の場合は、ライニングにマーク表記があったり致します。
または、靴底面に表記されたシールが貼られていることもよくあります。
EU圏内の靴の場合は画像のような表記に決められているようです。
表記について詳しくはこちらを
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ampersandand at 19:09|Permalink

2013年07月08日

嫌われ者のクレープソール

これからの季節、より嫌われることとなるでしょうに、クレープソール…。
天然ゴム故の独特の弾力のある履き心地はいいのですが…。
しかし、天然素材故に、夏場のアスファルトや外気の暑さでねちょねちょ…。
ゴミもベトベトベト… 

最初は綺麗な蜂蜜色で、ほっこりした印象ですが
時期に黒ずんでゆきます…。

天然のクレープ素材は、靴材料屋さんや、東急ハンズなどでは
汚れ落としとしても、販売しているぐらいなので
それで路上を歩きますと、おのずと汚れを吸着する次第です。

*当店で、カンペール修理などで使用しておりますクレープラバーソールは、
 クレープ柄をした、ラバー素材となりますのでこちらとは異なる素材です。
before
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ですので、余り減っていない場合でも、この機会に、ということで
他の素材へとソール交換を希望される方が多いですね。
after
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スポンジベースにvibram#1220へと交換致しました。
北海道にお住まいでしたので、冬場の季節等を考えますと
こちらのコマンドソールのほうが、全天候型で良いかと思います。
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そしてこちらも乗り換え組です。
こちらは、vibaramのユニットソールがご希望でしたが、
ヒールの高さのバランスや接着具合の懸念からご相談の上
仕様を変更させて頂きました。
before
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クレープソールは時間とともに劣化致します。
保管状態により硬化するか、または、ねちゃねちゃとべとつきが
酷くなるように劣化してゆきます。
今回は硬化しているようです。
剥がれかけた部分から、雨水が侵入しているようですね。
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クレープソールですと、カジュアルな靴に使われている場合多く、
靴の製法もそれに合わせてステッチダウン製法が用いられていたりします。
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ステッチダウン製法ですと、構造が二通りあります。
中底があり裏革が釣り込まれている場合と
ミッドソールが=中底の役割(中底が無いタイプ)になっている場合です。
まずは、中底が無い場合です。
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画像のように中底が無いタイプですと、分解する際に一旦抜け殻になります。
本底が綺麗に剥がれれば、そのままミッドソールを外さずに
使用してもいいのですが、クレープソールが付いている場合ですと
表面がベタベタして使えないのと、往々にしてミッドソールの
傷みが激しく、交換せざるを得ない場合が殆どです。
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一旦抜け殻状態になるので、修理店によっては断るお店もあるようです。
分解する際には、もとのソール形状をトレースし、本体との
合わさり目も、ポイントポイントで印を付け、新たに合わせる際に
位置がズレないようにしておきます。

ただし、外したミッドソールでも確認できると思いますが、
砂浜の足跡のように、足型にくっきりと窪んでいます。
履き込んでいきますと、土台のクレープソールは柔らかいので、
ミッドソールは、その加重のまま足型に凹みます
(結果、凹み過ぎて割れてしまうのですが…)

位置がズレないように印を付け、外周形状もトレースしても
この足型に凹んだ状態を再現することは不可能なのです。

新たに、ミッドソールを交換しますと新品時のように
フラットになります。
ですので、オールソールした際のサイズ感は、
修理前状態とは少なからず変わってしまいます
(新品時に戻るということなのですが)
after
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といっても、仕上がった靴を履いて頂いてサイズ感に
問題があったことは、今のところ無いのですが。
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今回は、レザーソールベースにダイナイトハーフソールとリフトの
コマンド仕様にて仕上げてあります。
この仕様ですと、ユニットソールとは違い、
カカトリフトはもちろん、前側のハーフソール7.0mmも摩耗した段階で
それぞれ部分交換出来ますので、今後はオールソールの必要は無くなります。
また、部分交換できるので、結果的にコストパフォーマンスも良いと思います。
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アッパーに使われている糸は、味が出ていい感じで汚れております。
だし縫いの糸は、恐らくオリジナルは白だと思うのですが、
新たに真新しい綺麗な白い糸で、ダブルステッチを掛けてしまうと、
糸がやたらと目立ってしまうので、アッパーの色、茶色に染めました。

続いてこちら
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こちらも部分補修で問題ない摩耗度合いですが、
VIBRAM#4014へと交換希望となります。
こちらは、ステッチダウン製法の中底有りタイプとなります。
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先ほどの、抜け殻状態のと違い、ミッドソールを剥がしても底面があり、
ライニングと、先芯や月型芯が釣り込まれているのが確認できると思います。
こちらは同系色ミッドソールを縫い付けてから、#4014を取付けます。
AFTER
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vibram#4014は、ヒールの高さが10mmですが、
この靴のもとの設定は、5.0mm前後でしたので、
5.0mmほど高くなっております。

通常、ヒールの高さはあまり変更できないのですが、
今回は、シャンクといわれるパーツ(詳しくは割愛します)が
無い仕様ということと、ヒール高さが5.0mmから10mmへと、
変更するヒールの高さ自体が低いので、違和感無く(お客様確認済み)
仕上がりました。
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ちなみに、こちらは乗り換え組ではありませんが、
ステッチダウン製法つながりで、REGALで断られたソール交換となります。

ステッチダウン製法だから断られたのか分かりませんが、
REGALで断られたという事なので、二つ返事でお承けする前に、
なにか特殊な仕様なんじゃないかと、じろじろと観察してみるも、
普通にステッチダウン製法の様…。
BEFORE
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AFTER
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お客様もメーカーが修理しないとは!と、ご立腹のご様子でしたが、
なんでなんでしょうかね…
REGALでしたらできるでしょうに…。

以上、「クレープソールからの乗り換え組」篇でした

こちらの記事もご参考までに。
クレープソールの移籍結果 オールソール篇
クラークスの修理専門店ではないのだけれど… その壱
HPアイコンロゴアウトライン

ampersandand at 12:25|Permalink

2013年03月19日

KOOSを履かれている方へ セカンドオピニオン篇

しばしば、
「修理できますか?、他のお店で断れたのですが…」
ということでお持ち頂くKOOS。
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他店で一度修理を断られたので、仕方なくそのまま履いていて…
でもやっぱりあきらめられず… ということでのタイミングがしばしば。

なので、手遅れだったり、かなりの痛手な状態の靴がやってきます。
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今回のKOOSも全損ですね…。
ここまでですとオールソールしたほうがよいです。
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ほか、色々と擦れているのでそこも補色致します。
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KOOSや、この手のブーツはヒールが低く、そしてカカト部分に芯材が
入っていない為、履き進むうちに自重や皺で筒部分が下へ下へとくたっと
潰れてゆきます。
それに比例して、低いヒールは擦り減りまして、より低く…
そうして地面に無事着地… 擦れていってゆきます。

また、UGGもそうですが、縦と横の筒が繋がったような靴の形状ですので
通常の靴と違って、足の甲をしっかりとホールドしませんので
歩行の際には、しっかり蹴りだして歩けず、
すりすりすりと、引きずったような感じで歩かれる方も多く見掛けます。
AFTER
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つま先やカカト部分等は補色して、
ソールはスポンジとクレープラバーソール仕様にしまして
地面から少し距離をとり、擦れないようにしておきます。
ヒール部分も同様に少し高くしておきます。
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それと、かかと部分補修。
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そもそもKOOSはヒールをもう一段高くしておいた方がちょうど
良いのではないかと思わなくもありません。

そう云えば、KOOSを購入時に、お店の方が修理できませんのでと
云われたので、履く前にハーフソールとリフトを一段取付けて
欲しいというご依頼も以前ありましたね。

もちろん修理できない分けないのですが、今回の靴のように
本体を擦ってしまうとまずいので、始めに処置しておくというのは
賢明な判断だと思われます。

ただ、生クレープ素材は比重が重い方なので、ハーフソールとリフトを一段追加
するのは重さが心配でしたが、特に気にならないと仰られておりました。
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減り過ぎているのでちょっとクレープでかさ上げして
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で、一段足して、足した所は小奇麗すぎるので、靴墨で汚して
馴染ませておきます。
生クレープですので、すぐに薄汚れてより馴染んできますが、とりあえず。
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それと、似た感じのブーツで他店で断られたもの。
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本体に穴開いています、穴が開く前にお願いします。
でも、大丈夫です。
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生クレープの素材特性である、抜群の弾力と柔らかさを活用して
ぐりっと本体にくっつけます。

一度断られても、お近くの違った雰囲気の修理店を何店舗か
廻られて、ご相談されたほうが良いと思います。
それぞれ得手不得手、営業方針などが違いますので。



<業務連絡>

しばらくの間、業務多忙により営業日が

金 / 土 / 日 のみとなっております。

ご迷惑をお掛け致しますが、宜しくお願い致します。


現在オールソールのご依頼が集中しておりまして、
〜5月までの仕上がり分までで、手一杯となっております。
現時点で、今後のオールソールのお預かり分
6月以降の仕上がり予定となります。
*通常の修理メニュー/かかとやハーフソールなどなどは、
 いつものお預かり期間でご返却させて頂いております。
 
また、ブーツなどのシーズンオフの靴は、
次のシーズンが始まるまでのご返却とさせていただければ
有り難いです。

そういった事情もありまして作業集中の為、
4月の第一/第二週は、日曜日のみの営業となるかもしれませんので、
ご来店の際はBLOG等でご確認願います。

ampersandand at 21:05|Permalink

2012年12月25日

クレープソールの交換 ステッチダウン製法の違い

CLARKSに代表されるようなクレープソール。
劣化してきますと、ボソボソと砕けてきたり、硬化してきたり。
before クラークス
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121215-13
121215-16

摩耗して、劣化して…。
通常は、ミッドソールがあるタイプというのは、そこから下の
部分で交換できるような構造なのですが、クレープソールは
生ゴムですので、ネチャネチャとミッドソールにくっ付いて剥がれません。
長年、踏み締められていることもあるので余計ですね…
一応剥がそうと、毎回試みてはいるのですが…無理なんですよね。
121215-39

もう一足、リーガルのものです。
before
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こちらは、そこそこ減りですが、バイクに載るので、エンジン部分の熱で
クレープ ソールがねちゃねちゃするので、タンクソールに交換希望と。
クレープソールは天然のゴムですので、夏の猛暑でも溶けるような感じで
べとべとしてきます。
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どちらもステッチダウン製法ですが、その仕様が二通りあります。
まずは、クラークスのタイプ。
この仕様は、ソールを剥がしますと抜け殻の様になっておりますが、
これはミッドソールが=中底になっている為、
ミッドソールを交換するとなると、直に足が載っております中底を
交換する事になります。
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今回のオーナー様は、この部分がひび割れてきているので、
そもそも交換希望ということでしたが、クレープソールが
剥がれないので、どちらにしても交換となりました。

で、そこで注意点ですが、画像でも確認できるように、足跡がくっきりと
残っております。
交換しますと、新品時同様、底面がフラットになりますので、
足裏に感じる感覚というのは、オールソールしますと変わります。
また、柔らかいクレープソールですので、もともともかなり
足型に凹んでおりますので、そこも真新しくなりますので
やはり変わります。

変わると云いましても、新品時に戻るという事なのですが。
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で、これがリーガルのステッチダウン仕様です。
剥がしても中底が残っているのが確認できると思います。
これは、裏革を中底に釣り込んで、表側をフチでL字に返し、
そこに底縫いを掛けております。
ノルウィージャン製法も、中底と側面に掬い縫いが入りますが、
ステッチダウン製法との組み合せです。

クラークスのタイプは、裏革がなく表革一枚ですので、
中底を留める手だてが無いので抜け殻となります。

オーロラシューズも表革一枚タイプの同じ仕様ですが、
オーロラシューズの場合は、ミッドソール(中底)まで
交換してしまいますと、あの中底に刻印されている
雰囲気のある文字などが無くなってしまいますので、
早めにソールの補修をされたほうがよいと思います。
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こんな感じで同じステッチダウン製法でも、2タイプあります。
どちらが良い悪いと云う訳ではなく、作り方の違いです。

ちなみに、私が始めて靴を作った際の底付けの方法は、
このステッチダウン製法ですが、それもまた若干やり方が違っております。
底付け方法は、色々な方法がありますが、作り手によって
また色々と細部が工夫されているので、これもまた靴作りの
面白さでもあります。

市場に流通している既製品ですと、そこまで大きく違うという事は
ないのですが、それでも中ものといわれる靴底のクッション材の違いや、
靴の背骨といわれるシャンクなどでは、メーカーによって
木材やスチール、プラスチックやベンズなどなど形状や入り方は
多様であったりします。
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クラークスの場合は、中底が新しくなりますので、剥がす前に
ポイントポイントで印をつけ、新しい革中底を取付ける際に
形が変わらないように気をつけます。
革中底は表面の吟を剥いて、湿気を吸込み易くしておきます。
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で、革中底を取付、ステッチダウン、底縫いを掛けました。
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リーガルの方は、ミッドソールですのでラバーを取付て底縫いです。
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スポンジベースでヒールを作りまして、vibram#1200を施します。121215-18

クラークは、クレープソールを組み合わせて積んでゆきます。
オリジナル同様、使用したのは、3.0と6.0と10.0mmのクレープを組み合わせて
もとのソールの厚みにしてゆきます。
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材料問屋から送られてきますクレープソールは、ご丁寧にシートで
一枚一枚包まれております。
これは、クレープソール自体がくっ付き易いのと、そこら辺のゴミやらが
吸着してしまう為、わざわざくるんで送られてきます。
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リンゴの皮むきのように荒立ちして、削りますが、
削るというか、伸びるというかな感じで、削りかすも飛んでゆかずに
フチにソルティードックの塩のよう纏わりつきます。
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グラインダーにも纏わりついてますので、くるくるくる…と
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なんということでしょう…
カステラ生地にあんこ入りの和菓子の出来上がりです。
亀屋万年堂あたりに、こんなのありますよね。

クラークス/after
オリジナルは、クレープの側面が黒く染められておりますが、
今回はナチュラルに。
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リーガル/after
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以上、ステッチダウン製法の違いと注意点などでした。

クレープソールからのソール変更関連記事
HPアイコンロゴアウトライン

ampersandand at 17:00|Permalink

2012年11月28日

Clarksのカカト補修  クレープソール

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寒くなりますと、天然素材のクレープはやや堅くなります。
年数が経過しておりますと、ボソボソと部分的に崩れてくる場合もあります。
夏は、逆に路面の熱などで温められ、ねちゃねちゃとゴミをどんどん
吸着してしまうのですが…。

そういった、劣化がなく、部分的に減っている場合は、
部分補修で問題なく修理できます。
before
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ミッドソールぎりぎりですね。
ここまで減っておりますと、一回では補えませんので
何度か盛ってゆきます。
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まずは、汚れた部分を削りとりまして
山なりに減っている部分を接着し易いように整えます。
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積上げ完成。
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そのままでも、天然クレープですと、すぐに汚れて周囲と馴染んでゆきますが、
それにしてもなので、靴墨でカモフラージュします。
after
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作業ででました、余分なクレープは、汚れ落としへと格下げです。
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汚れ落としから格下げしますと、
次は、グラインダーの目詰まりを採る用に格下げになり、
目詰まりを採る際に、グラインダーで削られ、粉々になります。
なんとも幼気な素材でありますね…。


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2012年10月13日

クレープソールのオールソール vibram#1100

DANSKEのクレープソール交換となります。
タンクソールへとカスタマイズです。
リフトはすでになくなり、ベース部分迄到達し、つま先も限界、
素材もやや劣化気味ですので、オールソールでよいかと思われます。
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兎にも角にもまずは、分解。
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ひと手間かけてあります。
今回はステッチダウン製法になりますが、
通常、ミッドソール(今回は=中底となります)と本体が底縫いされ、
そのミッドソールにクレープソールは接着されているのですが、
今回は、ミッドソールと一段目のクレープソールをまとめて底縫いを掛け、
二段目のクレープソールをそこへ接着されております。

これはなにが良いかと云いますと、二段目が痛んだ際に、
一段目迄が底縫いされていますので、痛んだ二段目のみを
剥がし易くなります。
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しかし、今回は別素材へと交換ですので、逆にひと手間掛かりますね…。

しかし、それが善くも悪くも…。
通常、ミッドソールは痛んでなければ交換しないのですが、
クレープソールはねちゃねちゃと、ミッドソールにへばり付いてしまったり、
剥がそうにも、ひどく粘り付き、逆にミッドソールが
裂けてしまったりしますので交換となる場合もあります。

しかし今回は、一段目までが底縫いが掛かっていましたので、
ソールの接着は仮止め程度になっていましたから、
綺麗に(それでもしぶとかったですが)剥がれました。
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ミッドソールは交換するつもりで作業を始めておりましたが、
綺麗にクレープソールが外れましたので、そのまま使用することにしました。

基本的に、ステッチダウン製法(中底無し仕様の場合)の場合は、
問題なければ、ミッドソールを交換致しません。
交換してしまいますと、足型に凹凸が付いている部分が、新品同様にフラットに
なってしまいますので、交換しない方が少なくとも履き心地には
影響が及び難いので。

交換する場合でも、再度クレープソールであれば、その素材の特性上、
形状が変化し易いので、交換してもすぐに馴染むとは思われます。

で、今回は堅さでは一二を争います、VIBRAMのタンクソールです。
ですので、いかがしたものか。
履き心地はクレープと比べますと堅くなりますし、その堅さ故、
折角の凹凸も押し込まれてしまいます。
思案した挙げ句、追加でスポンジのミッドソールを施すことに致しました。
これで、凹凸を吸収し、クッション性も加味できるのではないかと。
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オールソール交換は(修理全般ですが)、特に教科書的なものがあり
こういう場合は、こうするとかはありません。

一般的には(今回の案件でも)そのままミッドソールにタンクソールを
施すのが、巷のお店では通例であります。
細かな仕様等は、それぞれ個人の経験値や考え方により変わるものですので
違いによっての正解不正解という訳ではありません。
どんなものを望まれているかといった処です。

今回は、ご相談の会話の中で、ソールが変わることでの履き心地の
変化について、やや気になっておられるような気がしましたので、
スポンジミッドソールを!と云うご希望はではありませんでしたが
(といいますか、そういった部分は分解して始めて凹凸がひどく出ているなど
 依頼の際にはそこ迄分からない処ではあるのですが)

作業進行中に、ご相談の際の内容から判断し、臨機応変に
構築している次第であります。
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底縫い(ダブル)を掛け、スポンジのミッドソールを追加し
VIBRAM#1100を取付けたところです。
このソールも、当初は#1136を使用する予定でありました。
#1136はヒールが一体となっておりますので前後の高さのバランスが
合わず、前側部分のみ5.0mm程追加する必要があります。
それですと見た目のバランスが悪いのです。
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手前が#1136 奥#1100。 前側のソールの厚みなども違います。

また、靴の形状はオブリークですので、足の形そのままみたいな感じです。
また、底縫いもダブルですので、通常の靴の縦横のバランスからして
横幅が突出しており、一体型の#1136ですと横に合わせると
縦が長いサイズのモノになってしまい使えませんでした。

ですので、セパレートタイプの#1100を使用することで解決致しました。
試しに注文しました最大規格サイズの#1136は、32センチサイズの方で
ちょうどいいのですが… 使う機会がなさそうなので
前後バラして私物に使用するしかないかな… ブルジョアな使い方ですね…。

AFTER
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ラギッド感が…20121007-4
でてますね…。20121007-3
スポンジのミッドソールを追加したことで、
底のボリューム感もいい感じな気がします。20121007-6
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20121007-12,

ちなみに#1136ですとつま先部分の溝は埋まっていないのですが、
#1100ですと、つま先部分の溝が埋まっております。
これは恐らく、つま先部分の衝撃や摩耗への耐久性を考えてだと思われます。
他の部分は凹凸を施し、タンクソールの堅さや厚さと屈曲性を
兼ね備えたソールとなっております。
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なんだか浮いているように撮れましたので…。20121007-15

タンクヒールは、ソールの番手より二番手小さいサイズの規格となりました。
オブリーク形状のソール交換は、注意が必要ですね…規格外な感じです。


以上、雑色ラギッドカスタム篇でした。

ampersandand at 00:24|Permalink

2012年01月20日

Clarksのオールソール

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クラークスのクレープソールの交換です、色違いの二足です。
摩耗と劣化で硬化し割れてきております。

まずは、ステッチを切り、底を外します。
製法はステッチダウン製法になりますので、こんな感じで抜け殻になります。

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ステッチダウン製法でも二通りありまして(もっとあるかもしれませんが)、
今回の様な中底が無いタイプ、ミッドソールに直に縫い付けられている仕様と、
中底があり、ミッドソール、又は本底に縫い付けられているタイプ。

前者の場合は、オールソールの際には、足が直に乗っていた部分の底面が
そっくりと新しいものになりますので、履き込んで足底型に凹凸が沈み込んで
いても、まっさらなフラットな状態になってしまいます。

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底面を元通りの形状で型採りしても、沈み込んでできた足裏の凹凸までは、
新たに付けるミッドソールには反映できません。

ですので、修理後は、足なりに再び沈み込みがつくまで多少、履き心地が
違ってくるかもしれません。

よく雑誌等でステッチダウン製法はあまり修理に向いていないと
記載がありますが、条件によると思います。

ステッチダウン製法ですと、カジュアルよりなデザインなので、
アッパーも裏革がない一枚革仕立てのモノが多いのですが、
その場合は、一枚仕立てなので、革の厚みが2.0mm〜ぐらいの肉厚な
しっかりとした革が使われていたりしますので、
必ずしもオールソールに向いていない訳ではありません。

ただ、中底があるタイプの方が良いとは思いますが。

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ミッドソールを縫い付けましたら、クレープソールを積上げてゆきます。

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一段目。
今回は、ヒール高が10mmついており、ソールの厚みが15mmですので、
5mmのソールをまず一枚積みます。

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次に、ヒール分の10mmを踏みつけ部分から後ろに積みます。

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そして最後に、10mmnソールを積みます。
これで、15mmソールで、ヒールが10mmの設定の底が出来上がります。

時々、メーカーによっては、3mm厚ぐらいのソールをこれでもかというほど
ミルクレープのような感じで積上げている靴があります。
謎です…大変なだけです。

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クレープ素材を削る際は、吸塵機は使えません。
といってもクレープの削りかすは、飛散することはないのですが、
吸ってしまうと、ペトペトと吸塵ホースが詰まってしまうのです。

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そして、削りたてのソールも、置き場所に気をつけないと、
そこら辺のゴミをよく吸着してしまうので要注意です。

他、一足は補修でお預かりのクレープソール。

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クレープソールで補修した際に、どちらにするのか。
汚すのか、綺麗にするのか。

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補修する際には、ベース部分も一緒に削り表面を整えるのですが、
削った部分は綺麗になってしまいます。
このままでは、浮いてしまっておりますので、わざと汚して馴染ませるか、
もしくは、一周表面の汚れを削りとるか。

今回は、他2足が綺麗になるので、この補修の靴だけ薄汚れているのも
なんなので、削り採ることに。

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以上、クラークスのオールソールでした…。

なんだか、このハイカーは、自分で自分の足を突いているように見えますね。
しかも右手と右足が同時に出ていますし…、
だから突いてしまったのか…。













ampersandand at 01:05|Permalink