カスタム

2019年04月03日

リュックの快適さ。 TUMIカスタム篇。

3.11以降、リュックでの通勤が増えているという記事を
読んだ事がありますが、災害時もそうですが日常でも
両手がフリーというのは楽です。

なにより片手で持つより背負った場合の方が
荷物が圧倒的に軽く感じますし。
ショルダーでもいいのですが、やはり両肩で荷重を
分散させてほうが身体にもよいようです。

斜め掛け、または肩掛けで片側に加重が日常的に
加わり続けると身体が歪んでしまうようですのでお気をつけ下さい。
一日違いで左右で持ち替えると少しはよいのかもしれません。

今回のご依頼品は女性の方。
女性の方がTUMIの鞄を使われるのは多くはないかと思います。
なにせ鞄自体が重いので。
で今回もショルダーで使われていたのですが、
それでも荷物が入ると重い、という事でリュックでも使えるように
できないかとご相談。
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取り外し可能なストラップがご希望。
取り外しできるショルダーとしっかりしたハンドルが付いているので
それにリュック仕様が追加され、2WAYから3WAYになります。
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リョックに仕様変更と云うお問い合わせはしばしばありますが
その際には一度試されてください。
ビニール紐などを洗濯バサミでストラップのように固定してみて、
または相方に指で押さえてもらって実際にストラップを取り付けた状態を。

例えば鞄の寸法が縦より横のサイズが長い場合は、
リュックにしてしまうとバランスがおかしい事にお気づきになると思います。
なので、ビジネスでも使用する紳士鞄でリュックタイプというのは、
手に持つ時は横で、リュックの時には縦にして背負う設定なっています。

横長ではなく縦長にして、なのでリュック時にはハンドルが
サイドにぶらんぶらんしています。
あれ、収まるようにはじめからデザインすればいいのにな、と
見かけると思っています。

横の鞄を縦にして使うにあたり、ファスナーの開閉の向きであったり
ポケットの仕様であったりが工夫されています、
縦(リュック)にした時にモノが落ちないように。

なのでなんでもかんでもリュックと云うわけにはいきませんので
ご相談前に一度ご確認頂ければと思います。
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それとリュックにする時にはストラップを取り付ける本体部分の
強度も重要になります。
ストラップの付根部分には加重が加わりますので、
縫製した際に土台の生地がしっかりしていないと
裂けてきてしまう場合もあります。
その場合は周辺に補強を施したりとデザインに影響がでてしまう事も。

今回も、はじめは本体にも部分的に補強の革宛てを検討しておりましたが、
ぐるりと縁取り部分がありましたのでそこに引っ掛ける
パーツを取り付ける事に。
縁取り部分は何重にも素材が重なり縫製されていて硬い部分なので、
強度的に申し分ありませんし、鞄のデザインにも影響が少なくて済みます。

今回のリュック仕様変更に必要なパーツは、
ストラップ38mm・2本
ストラップ25mm・2本
引っ掛け金具・3個
長さ調整パーツ・2個
Dカンパーツ・3個
になります。

始めは左右のストラップは、ばらばらの仕様で考えておりましたが、
その場合、引っ掛け金具は上下二箇所で計四箇所付くことになり
なんだか重々しいし、金具がジャラジャラ多すぎる感じが。

また取り外した際には左右でバラバラになってしまい、
仕舞ったり取り出したりする際に面倒では…と思いまして
上部の付根部分は連結して一つにまとめる仕様に致しました。
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完成
付根はこんな感じで一つにまとめてみました。
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意外と悩んだのが付根部分のベルトの開き具合。
どのくらいの角度に設定したほうが背負った時に
自然になるのだろうか…。

行きと帰りの通勤中にリュックの人を観察して開き具合を決めてみました。
この角度で問題ないようです。
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金具はTUMIオリジナル金具同様に艶消しのマットブラック。
マットなブラック金具はかっこいいですね。
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それとハンドル部分がぶらんぶらんしてしまうので
まとめパーツも取付け。
この留め金具のみ、マットブラックがなくてシルバーに…残念。
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ストラップを使わないときは三箇所に
引っ掛けるDカンが残るだけですのでデザイン的にも
大掛かりにならずミニマムにまとまったかと思います。

今回の作業で一番難しかったのは、縁取り部分に
三箇所Dカンを取り付ける作業。
何重にもナイロン素材が重なっているので厚みがあり、
また厚みも端とでは均一ではないので、縫製の際に針が入るところと
でるところがずれるので、裏面の縫い目が少し歪んでしまいます。

接着で仮固定しても縫製の際にずれてきてしまうので
一旦、手縫いで仮縫いしてからミシンで縫製するという
なかなか手強い縫製となりました。

わたしも数年前からリュック派になりましたが、
使用しているリュックは、恐らく20年前に購入したもので
一年間くらい使用して、そのまま押し入れの奥に追いやられていた
吉田鞄のナイロン素材のもの。

今の私には使い勝手が悪い仕様なので、
今の自分の荷物に合う
リュックを作りたいなと思う、今日この頃…。

ampersandand at 14:31|Permalink

2018年10月30日

ショルダーバックをリュックにカスタマイズ篇

ときどきトートバックやショルダーバックをリュックでも
使えるようにカスタマイズできないかとお問い合わせ頂きますが
仕様や費用面などで折り合いがつかず、なかなかご成約には
至らない事が多いのですが、
今回は紆余曲折ありましたが、なんとかご希望の感じに仕上げる事が
できましたのでご紹介させて頂きます。

BEFORE
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A4サイズぐらいでマチが5.0cm程度の薄い紙袋のようなショルダー鞄。
(実際に素材は紙を加工したものらしいのですが)
上部についているストラップを外してリュック仕様にできないかと
ご依頼頂きました。

いわゆるリュックサックのようなスポンジ入りの
ストラップがご希望とのこと。
参考になる商品の画像を添付して頂き、実際に今使われている
リュックのストラップの長さを計測して頂きました(郵送依頼)。

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リュックのストラップの取付けに都合のいいように
背面上部にはナイロンベルトが縫い付けられております。
すでに取り付けられているショルダーストラップを取り外し
その部分にリュックのストラップを取り付けます。

肩当部分には太いベルを使用する予定でしたが
カーキ色はあまり需要がないようで太いサイズの展開がなく
丁度在庫でストックしていた倉敷帆布を使用して製作する事にしました。
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鞄自体はボリュームのあるものではないので、ストラップはあまりごつく
ならないように、5.0mmのスポンジを帆布で包む事にしました。
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鞄に縫い付けられる部分にはナイロンを挟んで補強しておきます。
帆布は折り込んで尚かつ両面重なるので強度は充分かと思いますが
念の為の補強です。

リュックの修繕で多い事象はこの上部の付根部分になりますので。
生地が避けてきたり、縫製が解れてきたりと。
このあたりは修理業務で得た知見を製作に活かしています。
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今回の製作で一番心配だったのが、スポンジ入りの肩当パーツに
ナイロンベルトパーツを合わせてクロスに縫製する部分でした。

8号帆布生地2枚/スポンジ5.0mm/ナイロンベルト3重
これだけ重なっている部分で、尚かつ間にスポンジが入っていますので
縫製の際にはスポンジが沈んでいきますので、
糸調子が狂っちゃうよなーと心配でした。
リュック003

本番を縫製する際には同じ条件の重なりパーツを用意して
試しに縫製し問題が無い事を確認してから縫製致しました。

新規での製作ですとこんな感じで、形状の試作サンプルはもちろん
糸調子や縫製可能位置かどうかなど、部分的に試作確認する必要が
ありますので手間もかかりそれなりに費用がかかります。

いちいちの試作は手間ですが、綺麗に仕上るかどうかは
このような見えない手間が重要となります。
AFTER
リュック01リュック02リュック00

ご郵送後
「気に入って家の中で背負っていたら、息子にいつまで背負ってるのと
 笑われてしまいました 」

とのこと。
通常は息子がランドセルを背負って…という感じですが
喜んで頂けたようでよかったです。

リュックにする場合は、製作の可否や費用などは本体の形状が
大いに関係してきますので、どれでもできるという訳ではありません。

今回も下側の本体取り付けベルト部分については
マチが狭くミシンが届かない為、ビスにて固定しています。
最終的な可否は現物判断になると思います。

ここ数年、冬場以外はリュック生活を送っています。
両手があくのでいいのです。
使っているのは15年くらい前に購入した吉田鞄ですが
やはり私の職業柄、知人にそれ作ったの?といわれる事があります。

知人に気まずい思いをさせない為にも、
リュックを作ろうかな…と思う今日この頃…。

ampersandand at 19:13|Permalink