プリアージュ
2019年04月30日
平成最後のロンシャン角擦れ特集 令和でも擦れてしまうのだろうな篇
以下ブログ掲載のロンシャン修繕事例の掲載画像は古い事例になります。
現在使用している革は変更になっております。
最新の補修事例はインスタグラムをご参考にされてください。
こちらは随時最新の補修事例を掲載しております。2020.2月追記。
使用している革はシリーズにより異なりますが、
それぞれより雰囲気の似ている革を使用しております。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
平成ではいくつのロンシャン プリアージュを治したのだろうか…。
当店に一番始めにご依頼頂いたプリアージュは今でもよく覚えています。
というのは、よく電車で角が擦れているプリアージュを毎日見ていたので
誰かしら「この擦れた角、どうにかならないかしら…」
と、思うだろうなと思っていた矢先、これ直せますかとご依頼頂いたので。
すでにペンが落ちるくらい穴が開いたものから、
ビニールがかかった新品のものまで色々。
旦那さんから名前入りでオーダーしたものをプレゼントされたけど
角が擦れるのが怖くて使えていなかったという方もいらっしゃいましたね。
軽くて折り畳めるという事で使い勝手が良く、使い道に合わせて
S・M・L・XLとサイズ違いで揃えたり、持ち手の長さ違いで揃えたりと
2個、3個と、一番多くて5個まとめてご依頼頂いた方もいらっしゃいました。
エッフェル塔のナイロンシリーズ
付根の補強も出来ます。
ロンシャンを使われている方というのは、角がすぐに擦れてしまうということを
体験済みですので、当店でロンシャンの角擦れ補強が出来るという事を知って
現在使われて穴が開いたロンシャンと、新しく購入された新品とをまとめて
ご依頼頂くパターンが多かったと思います。
ちなみに穴が開いていても新品の状態でも仕上がり具合に違いありませんので。
猫も二匹保護しました。
お姉さんと妹さんの猫ロンシャン。
それぞれが知らずに購入されて使われていたとか、シンクロ猫です。
四隅の補修はサイズが小さいロンシャンほど難しいです。
というのも、そもそもすでに袋状の鞄の状態から四隅に革のパーツをぐるっと
縫製するので、皺がでないように少しずつ回しながら縫っていきます。
ですので鞄が小さいと回転させる時に内部の空間が狭く
ミシンの腕にひっかかり易く、その都度鞄を少しずつずらしては
回転させて縫ってを繰り返します。
逆に大きなLサイズのロンシャンですと、たるんだナイロン生地や
革の持ち手がだらんだらんして回転を邪魔して鬱陶しかったりもします。
Mサイズが補修には一番やさしいサイズでしょうか。
といってもいずれの場合もミシンもダダダと電動で縫える部分ではないので
一針一針手回しでミシン針を動かし縫製しています。
ナイロン生地ですと擦れたら擦れっぱなしで痛んでいくのみですが
革で補強する事で擦れに強くなりますし、擦れても保湿を行なう事で
現状維持が可能な素材となります。
長持ちさせるには、定期的にレザーローションで保湿を行なって頂くと
色褪せも擦れ予防にもなります。
ロンシャンでは定期的に?カスタムオーダーできるようです。
名前や柄の刺繍を入れられたり、ナイロンの色をコンビにできたりと。
そして当店では常時、角のカスタム補強を承っております。
名入れにコンビ仕様で角カスタム、
これはきっと世界で一つのロンシャンでしょう。
こちらはロンシャン プリアージュのクラブシリーズ。
馬の刺繍がポイントで、刺繍の色と革の断面が同じ色に染められています。
使い易い色なのか、このガンメタリックのご依頼が多いですね。
角補強のパーツ断面も同様に刺繍の色に合わせてそれぞれ
染めて仕上げています。革の色によっては断面の発色が綺麗にでないので
白で染めて下地を作ってから色を染める場合もあります。
最近めずらしくビルベリーカラーのご依頼がありました。
ただこの濃い紫色の革のご用意がなく、色々と問屋さんを探しました。
クラブシリーズとネオシリーズはナイロンシリーズのブラウンのみと異なり
革の色が本体と同じなので、すべての色をご用意出来る訳ではないので
色についてはご依頼の際にご相談させてください。
こちらはベーシックなナイロンシリーズ。
平成のご依頼で一番多い色はネイビー系だったかなと思います。
次にむらさき色という感じでしたでしょうか。
四隅の補強パーツは、本体の縫い割り位置に合わせて補強パーツも
縫製しているので後付け感はなく、もともとついている感じに仕上ります。
ご依頼数が多いので補強パーツを量産体制に。(といっても私一人なのですが)
裁断してコバを染めて縫い割りして、もくもくとパーツを積上げていきます。
ネオシリーズに取り付けられているストラップが長い場合は短く加工できます。
こちらは10cmカットしたストラップ。
付根のパーツをばらして長さをカットして元の縫い目に縫製なので
見栄えは変わらず仕上ります。
明日から令和となりますが、令和元年も引き続き当店を
ご愛顧頂ければ有り難いと思う次第でございます。
店主
現在使用している革は変更になっております。
最新の補修事例はインスタグラムをご参考にされてください。
こちらは随時最新の補修事例を掲載しております。2020.2月追記。
使用している革はシリーズにより異なりますが、
それぞれより雰囲気の似ている革を使用しております。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
平成ではいくつのロンシャン プリアージュを治したのだろうか…。
当店に一番始めにご依頼頂いたプリアージュは今でもよく覚えています。
というのは、よく電車で角が擦れているプリアージュを毎日見ていたので
誰かしら「この擦れた角、どうにかならないかしら…」
と、思うだろうなと思っていた矢先、これ直せますかとご依頼頂いたので。
すでにペンが落ちるくらい穴が開いたものから、
ビニールがかかった新品のものまで色々。
旦那さんから名前入りでオーダーしたものをプレゼントされたけど
角が擦れるのが怖くて使えていなかったという方もいらっしゃいましたね。
軽くて折り畳めるという事で使い勝手が良く、使い道に合わせて
S・M・L・XLとサイズ違いで揃えたり、持ち手の長さ違いで揃えたりと
2個、3個と、一番多くて5個まとめてご依頼頂いた方もいらっしゃいました。
エッフェル塔のナイロンシリーズ
付根の補強も出来ます。
ロンシャンを使われている方というのは、角がすぐに擦れてしまうということを
体験済みですので、当店でロンシャンの角擦れ補強が出来るという事を知って
現在使われて穴が開いたロンシャンと、新しく購入された新品とをまとめて
ご依頼頂くパターンが多かったと思います。
ちなみに穴が開いていても新品の状態でも仕上がり具合に違いありませんので。
猫も二匹保護しました。
お姉さんと妹さんの猫ロンシャン。
それぞれが知らずに購入されて使われていたとか、シンクロ猫です。
四隅の補修はサイズが小さいロンシャンほど難しいです。
というのも、そもそもすでに袋状の鞄の状態から四隅に革のパーツをぐるっと
縫製するので、皺がでないように少しずつ回しながら縫っていきます。
ですので鞄が小さいと回転させる時に内部の空間が狭く
ミシンの腕にひっかかり易く、その都度鞄を少しずつずらしては
回転させて縫ってを繰り返します。
逆に大きなLサイズのロンシャンですと、たるんだナイロン生地や
革の持ち手がだらんだらんして回転を邪魔して鬱陶しかったりもします。
Mサイズが補修には一番やさしいサイズでしょうか。
といってもいずれの場合もミシンもダダダと電動で縫える部分ではないので
一針一針手回しでミシン針を動かし縫製しています。
ナイロン生地ですと擦れたら擦れっぱなしで痛んでいくのみですが
革で補強する事で擦れに強くなりますし、擦れても保湿を行なう事で
現状維持が可能な素材となります。
長持ちさせるには、定期的にレザーローションで保湿を行なって頂くと
色褪せも擦れ予防にもなります。
ロンシャンでは定期的に?カスタムオーダーできるようです。
名前や柄の刺繍を入れられたり、ナイロンの色をコンビにできたりと。
そして当店では常時、角のカスタム補強を承っております。
名入れにコンビ仕様で角カスタム、
これはきっと世界で一つのロンシャンでしょう。
こちらはロンシャン プリアージュのクラブシリーズ。
馬の刺繍がポイントで、刺繍の色と革の断面が同じ色に染められています。
使い易い色なのか、このガンメタリックのご依頼が多いですね。
角補強のパーツ断面も同様に刺繍の色に合わせてそれぞれ
染めて仕上げています。革の色によっては断面の発色が綺麗にでないので
白で染めて下地を作ってから色を染める場合もあります。
最近めずらしくビルベリーカラーのご依頼がありました。
ただこの濃い紫色の革のご用意がなく、色々と問屋さんを探しました。
クラブシリーズとネオシリーズはナイロンシリーズのブラウンのみと異なり
革の色が本体と同じなので、すべての色をご用意出来る訳ではないので
色についてはご依頼の際にご相談させてください。
こちらはベーシックなナイロンシリーズ。
平成のご依頼で一番多い色はネイビー系だったかなと思います。
次にむらさき色という感じでしたでしょうか。
四隅の補強パーツは、本体の縫い割り位置に合わせて補強パーツも
縫製しているので後付け感はなく、もともとついている感じに仕上ります。
ご依頼数が多いので補強パーツを量産体制に。(といっても私一人なのですが)
裁断してコバを染めて縫い割りして、もくもくとパーツを積上げていきます。
ネオシリーズに取り付けられているストラップが長い場合は短く加工できます。
こちらは10cmカットしたストラップ。
付根のパーツをばらして長さをカットして元の縫い目に縫製なので
見栄えは変わらず仕上ります。
明日から令和となりますが、令和元年も引き続き当店を
ご愛顧頂ければ有り難いと思う次第でございます。
店主
ampersandand at 23:21|Permalink│
2019年04月19日
ロンシャン プリアージュの持ち手を交換するしかない件
前回の記事では持ち手を交換せず、短く加工するという
ご案内でしたが、今回は交換するしか方法がない案件となります。
はずれを引いてしまったようです。
ロンシャン・プリアージュのネオになります。
付根部分で革が裂けてきています。
常々ロンシャンをみていますと、よくこの部分が裂けないものだなと
思っていましたが、角の補修で日々と届くプリアージュを
みていますが、案外どれも裂けていないのです。
裂けてはいませんが革がかなり伸びているものは多数ありますが。
しかし今回ははずれを引いてしまったようです。
革は天然素材ですので、個体差がありなかには繊維の密度が荒く
引っ張られると裂けてしまい易いものも。
今回のプリアージュも繊維が荒くもろい状態でした。
型押しの柄に合わせて簡単に千切れてきてしまいます。
通常はこの部分は裏革を宛てて二重にして強度を出しておいた方が
無難なのですが、その分手間は掛かってしまいます。
使用されている革の厚みは2.0mm弱ありますので、一枚革の仕様としては
ぎりぎりな設定の範囲かと思います。
プリアージュの革は表面に型押しされていて硬さがあるので
スムースの革よりは伸び難い感じではあります。
ただ、今回の品のようにはずれを引いてしまうと、やはりその部分の
強度不足は否めません。
プリアージュはナイロン生地に裏面をコーティングし生地に
張りを出しているので実質薄手のナイロン一枚です。
ナイロン生地に直接革の持ち手を縫い付けています。
ですので荷物をたくさん入れて使われていたりすると
付根部分の縫製がナイロン生地に食い込み裂け始めている事例もあります。
ホックボタンの内側は樹脂のリングで食い込まないように
ちゃんと補強されているんですがね。
新たに持ち手を製作し取り付ける場合は、元の縫い目の位置に
マチ針で角々を合わせて縫製致しますが、それでも1.0mm2.0mmは
元の縫い穴には入らないところがあります。
その場合、逆に元の縫い穴の近くを縫製する事がかえって強度を
弱まらせてしまう場合があります。
古い縫い穴が近いと、負荷が掛かった際に生地がぐっと引っ張られ
その穴と縫い穴が繋がってしまう恐れがあります。
画像でもお分かりのように、縫い目というか切り取り線というか
言い方次第だと思います。点々と半券の切り取り線のように穴が開いています。
革であれば厚みもありますし、強度もあるのでそこまで
気にする事もないのですが。
心配し過ぎなのかもしれませんが、ただ、
「持ち手を交換してからナイロン生地が裂けてきました…」
なんていうお便りが届くのが怖いのです。
かといって持ち手を製作して、尚かつ付根四箇所を補強するとなると
費用も余計に高くなってしまうのですが…。
そして今回は色がグリーン、グリーンなんてあたっけでしたが
唯一在庫していたグリーンがなんともぴったり。
付根の裏は二重に革で補強しておきます。→これがあとで問題に…。
付根の形状、幅などはオリジナル通りに型採りして裁断。
元の縫い穴の角々をマチ針で穴同士を合わせて位置決めし縫製していきますが、
ここで問題が。
付根部分を二重に補強した為に、二つ折りのハンドルから付根部分の
フラットな部分に移行する膨らみの反発が強く、ぴたっと本体に
接地してくれない…。
ちなみにオリジナルの付根部分も一見同じように見えますが個体差が合って
付根部分の横幅が微妙に違っています。
おそらく縫製するロンシャンの職人さんの押さえつけ具合なんだと思います。
もしくはコンピューター制御で自動で縫製しているのならば誤差が凄いですが。
鞄のサイズによってはXL?だったかは持ち手の幅は、
強度的にもともと太く設定してあるようですが。
本体に縫い穴が開いているのでそれより幅が狭く取り付けてしまうと
縫い穴が見えてしまうので、なんとしても元の位置にセットせねばなりません。
指で押さえつけながら一箇所一箇所なんとか縫製することができました。
AFTER
ただ、やはり革の反発(膨らもうとする力)が強いので付根部分の真横に
縫製する縫い目が多少湾曲してしまっています。
色はオリジナルとかなり近いのですが、表面の型押しの柄はありません。
今回のオリジナルの型押しは角シボという柄になっていますが、
他にもプリアージュの場合は数種類の型押しがモデルにより
使い分けられているようです。
ロンシャンのオリジナルの型押し革の場合ですと同じ柄の革はありません。
ですので交換、補強の場合は一般的なシュリンク柄のシボ柄になります、
または今回のようにスムース革。
持ち手付根の内側も革で四箇所とも補強してあります。
やはり補強しないとナイロン生地が心配ですので。
持ち手製作2本、付根4箇所2重補強、付根内側4箇所補強と
オリジナルは単純に二つ折りして本体に縫製しているだけですが
再制作の場合は以上のような作業が追加されてしまいますので
必然的に持ち手交換の費用はお高くなってしまいます。
前回のロングをショートにする場合でも作り替えると同様の内容ですので
手間(費用)の掛かる付根部分をいじらずに、カットして縮める方法を
ご提案させて頂きました(革も変わらないので見栄えも同じになりますし)
ただ、強度を心配し過ぎなのかもしれませんので、オリジナル通りに
二つ折りでそのまま本体に縫製しても大丈夫なのかもしれませんが。
古いプリアージュを購入して、持ち手を補強無しで交換し、
5kgの鉄アレイを入れっぱなしで吊るしておいて強度が大丈夫かどうか
実験でもしてみようかなと思う、プリアージュな今日この頃…。
補修費用などについてはHPをご覧下さい。
ご案内でしたが、今回は交換するしか方法がない案件となります。
はずれを引いてしまったようです。
ロンシャン・プリアージュのネオになります。
付根部分で革が裂けてきています。
常々ロンシャンをみていますと、よくこの部分が裂けないものだなと
思っていましたが、角の補修で日々と届くプリアージュを
みていますが、案外どれも裂けていないのです。
裂けてはいませんが革がかなり伸びているものは多数ありますが。
しかし今回ははずれを引いてしまったようです。
革は天然素材ですので、個体差がありなかには繊維の密度が荒く
引っ張られると裂けてしまい易いものも。
今回のプリアージュも繊維が荒くもろい状態でした。
型押しの柄に合わせて簡単に千切れてきてしまいます。
通常はこの部分は裏革を宛てて二重にして強度を出しておいた方が
無難なのですが、その分手間は掛かってしまいます。
使用されている革の厚みは2.0mm弱ありますので、一枚革の仕様としては
ぎりぎりな設定の範囲かと思います。
プリアージュの革は表面に型押しされていて硬さがあるので
スムースの革よりは伸び難い感じではあります。
ただ、今回の品のようにはずれを引いてしまうと、やはりその部分の
強度不足は否めません。
プリアージュはナイロン生地に裏面をコーティングし生地に
張りを出しているので実質薄手のナイロン一枚です。
ナイロン生地に直接革の持ち手を縫い付けています。
ですので荷物をたくさん入れて使われていたりすると
付根部分の縫製がナイロン生地に食い込み裂け始めている事例もあります。
ホックボタンの内側は樹脂のリングで食い込まないように
ちゃんと補強されているんですがね。
新たに持ち手を製作し取り付ける場合は、元の縫い目の位置に
マチ針で角々を合わせて縫製致しますが、それでも1.0mm2.0mmは
元の縫い穴には入らないところがあります。
その場合、逆に元の縫い穴の近くを縫製する事がかえって強度を
弱まらせてしまう場合があります。
古い縫い穴が近いと、負荷が掛かった際に生地がぐっと引っ張られ
その穴と縫い穴が繋がってしまう恐れがあります。
画像でもお分かりのように、縫い目というか切り取り線というか
言い方次第だと思います。点々と半券の切り取り線のように穴が開いています。
革であれば厚みもありますし、強度もあるのでそこまで
気にする事もないのですが。
心配し過ぎなのかもしれませんが、ただ、
「持ち手を交換してからナイロン生地が裂けてきました…」
なんていうお便りが届くのが怖いのです。
かといって持ち手を製作して、尚かつ付根四箇所を補強するとなると
費用も余計に高くなってしまうのですが…。
そして今回は色がグリーン、グリーンなんてあたっけでしたが
唯一在庫していたグリーンがなんともぴったり。
付根の裏は二重に革で補強しておきます。→これがあとで問題に…。
付根の形状、幅などはオリジナル通りに型採りして裁断。
元の縫い穴の角々をマチ針で穴同士を合わせて位置決めし縫製していきますが、
ここで問題が。
付根部分を二重に補強した為に、二つ折りのハンドルから付根部分の
フラットな部分に移行する膨らみの反発が強く、ぴたっと本体に
接地してくれない…。
ちなみにオリジナルの付根部分も一見同じように見えますが個体差が合って
付根部分の横幅が微妙に違っています。
おそらく縫製するロンシャンの職人さんの押さえつけ具合なんだと思います。
もしくはコンピューター制御で自動で縫製しているのならば誤差が凄いですが。
鞄のサイズによってはXL?だったかは持ち手の幅は、
強度的にもともと太く設定してあるようですが。
本体に縫い穴が開いているのでそれより幅が狭く取り付けてしまうと
縫い穴が見えてしまうので、なんとしても元の位置にセットせねばなりません。
指で押さえつけながら一箇所一箇所なんとか縫製することができました。
AFTER
ただ、やはり革の反発(膨らもうとする力)が強いので付根部分の真横に
縫製する縫い目が多少湾曲してしまっています。
色はオリジナルとかなり近いのですが、表面の型押しの柄はありません。
今回のオリジナルの型押しは角シボという柄になっていますが、
他にもプリアージュの場合は数種類の型押しがモデルにより
使い分けられているようです。
ロンシャンのオリジナルの型押し革の場合ですと同じ柄の革はありません。
ですので交換、補強の場合は一般的なシュリンク柄のシボ柄になります、
または今回のようにスムース革。
持ち手付根の内側も革で四箇所とも補強してあります。
やはり補強しないとナイロン生地が心配ですので。
持ち手製作2本、付根4箇所2重補強、付根内側4箇所補強と
オリジナルは単純に二つ折りして本体に縫製しているだけですが
再制作の場合は以上のような作業が追加されてしまいますので
必然的に持ち手交換の費用はお高くなってしまいます。
前回のロングをショートにする場合でも作り替えると同様の内容ですので
手間(費用)の掛かる付根部分をいじらずに、カットして縮める方法を
ご提案させて頂きました(革も変わらないので見栄えも同じになりますし)
ただ、強度を心配し過ぎなのかもしれませんので、オリジナル通りに
二つ折りでそのまま本体に縫製しても大丈夫なのかもしれませんが。
古いプリアージュを購入して、持ち手を補強無しで交換し、
5kgの鉄アレイを入れっぱなしで吊るしておいて強度が大丈夫かどうか
実験でもしてみようかなと思う、プリアージュな今日この頃…。
補修費用などについてはHPをご覧下さい。
ampersandand at 14:13|Permalink│
ロンシャン・プリアージュの持ち手を短くする件。
ロンシャンのプリアージュ、あなたは
肩に掛ける派、それとも肘に掛ける派、どちらでしょうか。
持ち手の長さがロングとショート二種類あるのですが
購入する時にはどのように決めていらっしゃるのでしょうか。
サイズが大きいのは肩掛けにしないと地面に付いてしまうのでロングに?
とかなんでしょうか。
でも大きいサイズを肘掛けで持った時のだらっとした
ラフな感じもいいかしら…。
とか、悩みそうですね。
今回はそれとは別のお悩みで、プレゼントされたイニシャル入りのオーダーの
プリアージュでしたが、肩を怪我されて肩掛けでは使用できなくなってしまい、
箪笥の肥やしにしておくのは忍びないという事でロングからショートに
変更できないかというご相談。
お問い合わせの感じですと、新しく作り替えがご希望と云う事でしたが、
費用や交換により再縫製するナイロン生地部分の弱さなどの懸念が
ありましたので、短く加工する方法をご提案させて頂きました。
測り方にもよりますが、ロングは54cmでショートが36cmぐらい。
付根部分が伸びていたりするので、その時お預かりしていたいくつかの
ショートのハンドルを計測して平均を出してみました。
中央でカットして9.0cmずつ短くします。
通常、持ち手のハンドルを中央のこの部分で繋げて
補修するというのは邪道だと思います。
というのは、この部分は手に触れる部分ですし負荷の掛かる部分ですので。
例えば平たい持ち手であれば本体付根の片側を分解してカットし、
もとの状態と同じように縫製や金具で固定する方法は可能ですが、
プリアージュの場合はエンド部分の形状問題がありますので
片側短縮方法はとれません。
またこの方法がとれるのは、プリアージュのハンドルは接着剤で
貼り合わされておらず、また芯材なども貼り込まれておらず、
一枚革を二つ折りにしているシンプルな仕様でしたので
今回の加工には向いている状態でした。
今回の繋ぎ方は、ブランド鞄のショルダーストラップでも
ときどき使われている方法になります。
ショルダーの場合は、長い部分は1.0メートル以上革の長さが必要ですので
革によってはその長さを採れない場合があります、またコスト面などでも。
ですので、今回のように革を継いで作られているものもあります。
繫ぎ目は縦ではなく斜めに。
縦で繋いでしまうと、ハンドルの中央は山なりになるので繋ぎ目の
一点にピンポイントで負荷が掛かってしまいます。
ですので、斜めに合わせる事で負荷の掛かる面を分散させています。
では中央で繋がなければ?という考えもありますが、
繫ぎ目は革が二重に合わさり接着され硬さが他の部分より硬くなるので、
円弧を描くハンドルの途中で繋いでしまうと、硬い部分でカクッと角が
でてしまう可能性や、逆にその結果その部分が折れて痛み易い事も
考えられますので、中央の山の頂上で連結した方がよいという判断に
なっています。
繫ぎ目は互い違いで端を斜めに漉いていますので、
合わせると同じ厚みになります。
今回は強度を踏まえて少し厚めに残し連結させています。
通常この繋ぎ方の場合は、斜めに連結した部分は縫製しないのですが
今回は手に触れる部分ですので端の部分のめくれ予防に、
念の為、斜めに二本縫製を入れておきます。
AFTER
斜めに縫製を入れているので繋ぎ目は分かりますが、
斜めの縫製は茶色の#30番糸で、二つ折りの部分の縫製の糸はベージュの
#8番糸で縫製し、なるべく目立たないように仕上げてあります。
連結部分も目立たず、繫ぎ目の強度も問題無い感じです。
持ち手の円弧も綺麗なラインになっていてカクッとした感じもありませんので
いい感じではないでしょうか。
補修費用などについてはHPをご覧下さい。
肩に掛ける派、それとも肘に掛ける派、どちらでしょうか。
持ち手の長さがロングとショート二種類あるのですが
購入する時にはどのように決めていらっしゃるのでしょうか。
サイズが大きいのは肩掛けにしないと地面に付いてしまうのでロングに?
とかなんでしょうか。
でも大きいサイズを肘掛けで持った時のだらっとした
ラフな感じもいいかしら…。
とか、悩みそうですね。
今回はそれとは別のお悩みで、プレゼントされたイニシャル入りのオーダーの
プリアージュでしたが、肩を怪我されて肩掛けでは使用できなくなってしまい、
箪笥の肥やしにしておくのは忍びないという事でロングからショートに
変更できないかというご相談。
お問い合わせの感じですと、新しく作り替えがご希望と云う事でしたが、
費用や交換により再縫製するナイロン生地部分の弱さなどの懸念が
ありましたので、短く加工する方法をご提案させて頂きました。
測り方にもよりますが、ロングは54cmでショートが36cmぐらい。
付根部分が伸びていたりするので、その時お預かりしていたいくつかの
ショートのハンドルを計測して平均を出してみました。
中央でカットして9.0cmずつ短くします。
通常、持ち手のハンドルを中央のこの部分で繋げて
補修するというのは邪道だと思います。
というのは、この部分は手に触れる部分ですし負荷の掛かる部分ですので。
例えば平たい持ち手であれば本体付根の片側を分解してカットし、
もとの状態と同じように縫製や金具で固定する方法は可能ですが、
プリアージュの場合はエンド部分の形状問題がありますので
片側短縮方法はとれません。
またこの方法がとれるのは、プリアージュのハンドルは接着剤で
貼り合わされておらず、また芯材なども貼り込まれておらず、
一枚革を二つ折りにしているシンプルな仕様でしたので
今回の加工には向いている状態でした。
今回の繋ぎ方は、ブランド鞄のショルダーストラップでも
ときどき使われている方法になります。
ショルダーの場合は、長い部分は1.0メートル以上革の長さが必要ですので
革によってはその長さを採れない場合があります、またコスト面などでも。
ですので、今回のように革を継いで作られているものもあります。
繫ぎ目は縦ではなく斜めに。
縦で繋いでしまうと、ハンドルの中央は山なりになるので繋ぎ目の
一点にピンポイントで負荷が掛かってしまいます。
ですので、斜めに合わせる事で負荷の掛かる面を分散させています。
では中央で繋がなければ?という考えもありますが、
繫ぎ目は革が二重に合わさり接着され硬さが他の部分より硬くなるので、
円弧を描くハンドルの途中で繋いでしまうと、硬い部分でカクッと角が
でてしまう可能性や、逆にその結果その部分が折れて痛み易い事も
考えられますので、中央の山の頂上で連結した方がよいという判断に
なっています。
繫ぎ目は互い違いで端を斜めに漉いていますので、
合わせると同じ厚みになります。
今回は強度を踏まえて少し厚めに残し連結させています。
通常この繋ぎ方の場合は、斜めに連結した部分は縫製しないのですが
今回は手に触れる部分ですので端の部分のめくれ予防に、
念の為、斜めに二本縫製を入れておきます。
AFTER
斜めに縫製を入れているので繋ぎ目は分かりますが、
斜めの縫製は茶色の#30番糸で、二つ折りの部分の縫製の糸はベージュの
#8番糸で縫製し、なるべく目立たないように仕上げてあります。
連結部分も目立たず、繫ぎ目の強度も問題無い感じです。
持ち手の円弧も綺麗なラインになっていてカクッとした感じもありませんので
いい感じではないでしょうか。
補修費用などについてはHPをご覧下さい。
ampersandand at 11:51|Permalink│
2019年01月14日
2019年もロンシャンの角は擦れるんだろうなの件
以下ブログ掲載のロンシャン修繕事例の掲載画像は古い事例になります。
現在使用している革は変更になっております。
最新の補修事例はインスタグラムをご参考にされてください。
こちらは随時最新の補修事例を掲載しております。2020.2月追記。
使用している革はシリーズにより異なりますが、
それぞれより雰囲気の似ている革を使用しております。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
去年はいったい、いくつのロンシャンの角擦れ補修を行なったのだろうか…
なかには旧モデルのまだファスナーが付いていないモデルもありましたし、
こんなデザインも!というシーズン限定品のようなモデルも。
バリエーション展開がごいすぅーなロンシャンです。。
今回は、2018年・ロンシャン角擦れコレクションを開催したいと思います。
こちら同じご依頼主さんからまとめて。
色合いが好きな組み合わせです。
現在流通しているナイロンよりおとなしめな色味で上品な感じがあります。
旧モデルのファスナー無しバージョンなのでシルエットが
現在のモデルと違っています。
こちらはプリアージュネオの角擦れ補修と底鋲取付け。
底鋲はロンシャン以外でもお問い合わせ頂きますが、
底鋲を取り付けても底板を取り付けないと底部分は
たるんで下がってしまいますのでほとんど効果がありませんので
底鋲を取り付ける際には底板(内装部分に入れる樹脂板)も併用仕様になります。
底鋲も既製品なんかだと四隅に付いていますが、それですと中央が
下がってしまいますので、基本五箇所がよいと思います。
できれば7箇所くらい付けたいところですが。
四隅のビスも内側寄りに付けると、結局荷物を入れた際に
四隅が垂れ下がって擦れてしまいがちなので、端目に付けています。
といっても底鋲を付けたからといって、底面が全く擦れないというのは
難しいかと思います。
実際に大きめの底鋲が付いている紳士鞄の角でも良く擦れていますので。
特に角部分は底面で擦れるというのもありますが、持ち歩きの際に
人やもので擦れている割合も高いので角擦れは鞄の宿命とお考えください。
こちらはルプリアージュのキュイール。
総レザー仕様となります。
このシリーズのご依頼でプリアージュシリーズの
角擦れ補修はシリーズ完全制覇となります。
ルプリアージュ・シリーズ一覧
ルプリアージュ ナイロン
ルプリアージュ ネオ
ルプリアージュ クラブ
ルプリアージュ キュイール
ルプリアージュ コレクション
レザーモデルなので、ナイロン素材と違い本体の部分でも皺の山となる部分には
擦れて色褪せが目立ちます。
画像では色が再現できていませんが、持ち手とフラップの革の色が
ボルドーのようなダークブラウンのようなどっちつかずな色合い。
どちらの革もあるのですがどっち付かずでボルドーを使用すると
ちょっと紫過ぎる感じでダークブラウンだと黒すぎる…
なので中間をとってミディアムブラウンカラーを使用しました。
オリジナル部分のレザーが色褪せしているのもあって
なかなか同じ色合いの革をチョイスするには難しいモデルです。
こちらはいつものプリアージュのナイロンシリーズ。
小さいSモデルですとミシンが取り回しずらく、
Lサイズだと大きいので縫製の際にナイロンがダブつき厄介です。
Mサイズが一番補修し易いというこちらの事情を吐露してみたり…。
ミシンは受付カウンター後ろに鎮座している八方ミシンを使用します。
レトロなのでオブジェだと思われている節もありますが、
現役ですし修理にはなくてはなりません。
すでに製造中止しているので貴重品です。
去年はロンシャンのご依頼が急増したので、抜き型を作成しました。
抜き型があるので角パーツの作成が少し楽になった昨年でありました。
ただハンドプレス機はなんちゃってを使用しているので
抜く際にはそこそこパワーが必要で大変なので年明けには
ハンドクリッカーの導入も検討中です。
オーダーでしょうか、スペシャルエディションでしょうか
文字ロゴモデルもあるんですね。
文字が選べるなら屋号の「ampersand」モデルを作って、
HPのロンシャン修理ページのアイコンに使用してみたいですね。
こんなモデルもありました。
これは恐らくシーズンコレクションモデルなんでしょうか。
ちょっとロンシャンに詳しくなった2018年でした。
2019年もご依頼お待ちしております。
補修費用などについてはHPをご覧下さい。
現在使用している革は変更になっております。
最新の補修事例はインスタグラムをご参考にされてください。
こちらは随時最新の補修事例を掲載しております。2020.2月追記。
使用している革はシリーズにより異なりますが、
それぞれより雰囲気の似ている革を使用しております。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
去年はいったい、いくつのロンシャンの角擦れ補修を行なったのだろうか…
なかには旧モデルのまだファスナーが付いていないモデルもありましたし、
こんなデザインも!というシーズン限定品のようなモデルも。
バリエーション展開がごいすぅーなロンシャンです。。
今回は、2018年・ロンシャン角擦れコレクションを開催したいと思います。
こちら同じご依頼主さんからまとめて。
色合いが好きな組み合わせです。
現在流通しているナイロンよりおとなしめな色味で上品な感じがあります。
旧モデルのファスナー無しバージョンなのでシルエットが
現在のモデルと違っています。
こちらはプリアージュネオの角擦れ補修と底鋲取付け。
底鋲はロンシャン以外でもお問い合わせ頂きますが、
底鋲を取り付けても底板を取り付けないと底部分は
たるんで下がってしまいますのでほとんど効果がありませんので
底鋲を取り付ける際には底板(内装部分に入れる樹脂板)も併用仕様になります。
底鋲も既製品なんかだと四隅に付いていますが、それですと中央が
下がってしまいますので、基本五箇所がよいと思います。
できれば7箇所くらい付けたいところですが。
四隅のビスも内側寄りに付けると、結局荷物を入れた際に
四隅が垂れ下がって擦れてしまいがちなので、端目に付けています。
といっても底鋲を付けたからといって、底面が全く擦れないというのは
難しいかと思います。
実際に大きめの底鋲が付いている紳士鞄の角でも良く擦れていますので。
特に角部分は底面で擦れるというのもありますが、持ち歩きの際に
人やもので擦れている割合も高いので角擦れは鞄の宿命とお考えください。
こちらはルプリアージュのキュイール。
総レザー仕様となります。
このシリーズのご依頼でプリアージュシリーズの
角擦れ補修はシリーズ完全制覇となります。
ルプリアージュ・シリーズ一覧
ルプリアージュ ナイロン
ルプリアージュ ネオ
ルプリアージュ クラブ
ルプリアージュ キュイール
ルプリアージュ コレクション
レザーモデルなので、ナイロン素材と違い本体の部分でも皺の山となる部分には
擦れて色褪せが目立ちます。
画像では色が再現できていませんが、持ち手とフラップの革の色が
ボルドーのようなダークブラウンのようなどっちつかずな色合い。
どちらの革もあるのですがどっち付かずでボルドーを使用すると
ちょっと紫過ぎる感じでダークブラウンだと黒すぎる…
なので中間をとってミディアムブラウンカラーを使用しました。
オリジナル部分のレザーが色褪せしているのもあって
なかなか同じ色合いの革をチョイスするには難しいモデルです。
こちらはいつものプリアージュのナイロンシリーズ。
小さいSモデルですとミシンが取り回しずらく、
Lサイズだと大きいので縫製の際にナイロンがダブつき厄介です。
Mサイズが一番補修し易いというこちらの事情を吐露してみたり…。
ミシンは受付カウンター後ろに鎮座している八方ミシンを使用します。
レトロなのでオブジェだと思われている節もありますが、
現役ですし修理にはなくてはなりません。
すでに製造中止しているので貴重品です。
去年はロンシャンのご依頼が急増したので、抜き型を作成しました。
抜き型があるので角パーツの作成が少し楽になった昨年でありました。
ただハンドプレス機はなんちゃってを使用しているので
抜く際にはそこそこパワーが必要で大変なので年明けには
ハンドクリッカーの導入も検討中です。
オーダーでしょうか、スペシャルエディションでしょうか
文字ロゴモデルもあるんですね。
文字が選べるなら屋号の「ampersand」モデルを作って、
HPのロンシャン修理ページのアイコンに使用してみたいですね。
こんなモデルもありました。
これは恐らくシーズンコレクションモデルなんでしょうか。
ちょっとロンシャンに詳しくなった2018年でした。
2019年もご依頼お待ちしております。
補修費用などについてはHPをご覧下さい。
ampersandand at 13:39|Permalink│
2018年10月05日
ロンシャン修理専門店ではないのだけれど… 角擦れ篇
以下ブログ掲載のロンシャン修繕事例の掲載画像は古い事例になります。
現在使用している革は変更になっております。
最新の補修事例はインスタグラムをご参考にされてください。
こちらは随時最新の補修事例を掲載しております。2020.2月追記。
使用している革はシリーズにより異なりますが、
それぞれより雰囲気の似ている革を使用しております。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ロンシャンのル・プリアージュは、現在恐らく5種類ありまして
・ナイロン素材の ル・プリアージュ ナイロン
・ストラップが付いたナイロン素材の ル・プリアージュ ネオ
・レザー素材の ル・プリアージュキュイール
・ナイロン素材でロゴの刺繍が入った ル・プリアージュ クラブ
・シーズンコレクションの ル・プリアージュ コレクション
これ以外にもそれぞれのシリーズでカスタマイズできるので…
お問い合わせの際は、「ロンシャンの角が擦れて…」と
どれもロンシャンという括りでまとめられてしまうのですが、
ル・プリアージュナイロンシリーズ以外は、
角の補強に使用する革の色が本体で使用されている革に
似た革のご用意できるかどうか分かりませんので
郵送でのご依頼の場合は必ずお問い合わせ願います。
今の時点で、レザーシリーズのル・プリアージュキュイール以外は
すべて取り扱いをしていると思います。
キュイールは本体がレザーなので補強することもないので
当分こないと思いますが。
それではここ最近のプリアージュコレクションのご紹介。
最新?のル・プリアージュクラブシリーズ。
革の断面、コバの色が刺繍の色に染められているのが特徴です。
すでに完成している鞄の角部分に革を縫い付けるのは、
モーターのミシンでダダダダッとはいきませんので、
場所が場所だけに一目一目、車輪を手回しで回しながら
針を落として縫製しています。
使用する糸もオリジナルと太さを合わせ、
色もそれぞれ取り寄せて使用しています。
AFTER
コバの色はレモンイエローなので、四隅の角補強の革もレモンに染めます。
使用した革は「芯通し」といって革の内部までネイビーに染まっている
革を用いたので断面もネイビー。
ネイビーの下地に直接レモンイエローを塗布しても
色が透けてしまい沈んだ黄色になってしまうので、
始めにホワイトで染めてからレモンイエローを塗布します。
レモンイエローと云っても同じ色はないので、イエローとキャメルなどを
混色して色を合わせています。
郵送でのご依頼でしたので到着するまでどんな色なのか
分かりませんでしたが、近い雰囲気の革がご用意できました。
色物というのは、画面上で確認しても実物と異なる場合がほとんどなので
現物確認するまで取り扱ったことがないカラーについては
同じ雰囲気の革がご用意できるかご案内できません。
続いて猫、シーズンコレクションでしょうか。
写真を撮っていると、なんだか帽子をかぶったやんちゃな雄猫に
見えてきました。
こちらのお客様は前回ナイロンシリーズのレッドを同じく
角補強されて今回は猫も。
すでにプリアージュを使われている方は、すぐに角が擦れる事を
経験済みなので、新しく購入した段階で新旧合わせて
革補強をご依頼頂く事が多いです。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
使用するブラウンの革は、現在(2019.1月頃から)表面にオリジナルに近い
雰囲気のシボ加工のある革を使用しています。
こちらの革を使用しています。
以下掲載の修繕事例は
以前に使用していた表面にシボの無いブラウンの革の事例になります。
修理詳細や最新の事例は新しいブログ記事またはHPをご参考にされてください。
2019.04.25
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
AFTER
続いて定番のル・プリアージュナイロンシリーズ。
革がブラウンでコバはブラックに統一されています。
オーダーでカスタムされています、ナイロンのコンビカラーにイニシャル刺繍。
取り扱いが多いので、わたしもだんだんロンシャン通になってきました。
AFTER
ナイロンコンビ・イニシャル刺繍無しタイプ。
こちらはナイロンコンビにエッフェル塔の刺繍モデル。
そしてこちらが定番のベーシックなモデルとなります。
補修費用などについてはHPをご覧下さい。
現在使用している革は変更になっております。
最新の補修事例はインスタグラムをご参考にされてください。
こちらは随時最新の補修事例を掲載しております。2020.2月追記。
使用している革はシリーズにより異なりますが、
それぞれより雰囲気の似ている革を使用しております。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ロンシャンのル・プリアージュは、現在恐らく5種類ありまして
・ナイロン素材の ル・プリアージュ ナイロン
・ストラップが付いたナイロン素材の ル・プリアージュ ネオ
・レザー素材の ル・プリアージュキュイール
・ナイロン素材でロゴの刺繍が入った ル・プリアージュ クラブ
・シーズンコレクションの ル・プリアージュ コレクション
これ以外にもそれぞれのシリーズでカスタマイズできるので…
お問い合わせの際は、「ロンシャンの角が擦れて…」と
どれもロンシャンという括りでまとめられてしまうのですが、
ル・プリアージュナイロンシリーズ以外は、
角の補強に使用する革の色が本体で使用されている革に
似た革のご用意できるかどうか分かりませんので
郵送でのご依頼の場合は必ずお問い合わせ願います。
今の時点で、レザーシリーズのル・プリアージュキュイール以外は
すべて取り扱いをしていると思います。
キュイールは本体がレザーなので補強することもないので
当分こないと思いますが。
それではここ最近のプリアージュコレクションのご紹介。
最新?のル・プリアージュクラブシリーズ。
革の断面、コバの色が刺繍の色に染められているのが特徴です。
すでに完成している鞄の角部分に革を縫い付けるのは、
モーターのミシンでダダダダッとはいきませんので、
場所が場所だけに一目一目、車輪を手回しで回しながら
針を落として縫製しています。
使用する糸もオリジナルと太さを合わせ、
色もそれぞれ取り寄せて使用しています。
AFTER
コバの色はレモンイエローなので、四隅の角補強の革もレモンに染めます。
使用した革は「芯通し」といって革の内部までネイビーに染まっている
革を用いたので断面もネイビー。
ネイビーの下地に直接レモンイエローを塗布しても
色が透けてしまい沈んだ黄色になってしまうので、
始めにホワイトで染めてからレモンイエローを塗布します。
レモンイエローと云っても同じ色はないので、イエローとキャメルなどを
混色して色を合わせています。
郵送でのご依頼でしたので到着するまでどんな色なのか
分かりませんでしたが、近い雰囲気の革がご用意できました。
色物というのは、画面上で確認しても実物と異なる場合がほとんどなので
現物確認するまで取り扱ったことがないカラーについては
同じ雰囲気の革がご用意できるかご案内できません。
続いて猫、シーズンコレクションでしょうか。
写真を撮っていると、なんだか帽子をかぶったやんちゃな雄猫に
見えてきました。
こちらのお客様は前回ナイロンシリーズのレッドを同じく
角補強されて今回は猫も。
すでにプリアージュを使われている方は、すぐに角が擦れる事を
経験済みなので、新しく購入した段階で新旧合わせて
革補強をご依頼頂く事が多いです。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
使用するブラウンの革は、現在(2019.1月頃から)表面にオリジナルに近い
雰囲気のシボ加工のある革を使用しています。
こちらの革を使用しています。
以下掲載の修繕事例は
以前に使用していた表面にシボの無いブラウンの革の事例になります。
修理詳細や最新の事例は新しいブログ記事またはHPをご参考にされてください。
2019.04.25
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
AFTER
続いて定番のル・プリアージュナイロンシリーズ。
革がブラウンでコバはブラックに統一されています。
オーダーでカスタムされています、ナイロンのコンビカラーにイニシャル刺繍。
取り扱いが多いので、わたしもだんだんロンシャン通になってきました。
AFTER
ナイロンコンビ・イニシャル刺繍無しタイプ。
こちらはナイロンコンビにエッフェル塔の刺繍モデル。
そしてこちらが定番のベーシックなモデルとなります。
補修費用などについてはHPをご覧下さい。
ampersandand at 14:04|Permalink│
2018年07月03日
ロンシャン ル プリアージュの角擦れ補強。 ご依頼が多いので抜き型つくっちゃいました篇
以下ブログ掲載のロンシャン修繕事例の掲載画像は古い事例になります。
現在使用している革は変更になっております。
最新の補修事例はインスタグラムをご参考にされてください。
こちらは随時最新の補修事例を掲載しております。2020.2月追記。
使用している革はシリーズにより異なりますが、
それぞれより雰囲気の似ている革を使用しております。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
LONGCHAMP LE PLIAG
角、すぐ擦れちゃいますよね…。
最近は新品の段階で革にて角補強をする方も増えてきました。
軽くて使いやすいので何度もリピート購入される方が多いようで
その為、すぐに角が擦れるのも周知の事実。
であれば、始めに補強してしまおうという事のようです。
新品の段階でも、すでに穴が開いてしまった場合でも
費用は変わりませんし、見栄えも変わりませんので
お好きなタイミングでご依頼頂ければと思います。
ちなみに角の補強ではなく、内側から少しつまんで縫製する事で
穴が開いた部分は塞がりますが、結局はまたすぐに穴が開いてしまうので
繰り返しているとどんどん鞄が小さくなってしまいます…。
のでロンシャンの場合はおすすめしておりません。
ご依頼が多くなると一つのプリアージュにつき、四箇所補強パーツが
必要になるので裁断も大変です。
しかも正円にカットするのって案外難しいので。
40個くらいカットすると気に入らないのが3個くらいでます。
私の腕のせいなのですが…。
カットしましたら断面にオリジナル同様にブラックで塗装を行います。
次に三角に縫製してとんがりコーン状態にします。
これをプリアージュに縫い付けていきます。
もともとの縫い割りの位置に合わせてセットし縫製していきますので
後付け感は全く感じられない仕上りになります。
そうしまして完成となります。
革の色はブラックとブラウンのご用意があります。
それ以外でも対応できますのでご相談下さい。
プリアージュ 角擦れ補強
ナイロン生地ですと擦れればそのままいずれ穴が開いてしまいますが、
革の場合はメンテナンスを日頃から行うことで現状維持が可能です。
メンテナンスというと「ちょっと面倒くさいな」思われそうですが、
皮革用の保湿クリームをささっと塗布するだけですので簡単です。
お勧めのクリームは、コロンブス社のブリオクリームです。
保湿成分には化粧品にも添加されている、ホホバオイルが配合され、
ビーズワックスとヒマワリワックス天然成分も配合されています。
有機溶剤は使われていませんので安心してお使い頂けると思います。
無色なので爪の間に入って汚れる心配もありません。
というか、手につくと手もすべすべになっています。
もちろん今回の角補強にも仕上りの際に保湿で使用してあります。
*店頭でも僅かではありますが販売しております。
[コロンブス] columbus ブリオクリーム BRILLO (ムショク)
付属のコットンを使用するより、Tシャツの端切れなどの生地を
使用した方が塗布し易くクリームも無駄にならないかと思います。
今回は間に合いませんでしたが、抜き型、届きました。
これで無駄なく裁断することができる今日この頃…。
それにしても硬い鋼を図面と寸分の狂いもなく成形する技術は凄いなぁ
と思う今日この頃…。
現在使用している革は変更になっております。
最新の補修事例はインスタグラムをご参考にされてください。
こちらは随時最新の補修事例を掲載しております。2020.2月追記。
使用している革はシリーズにより異なりますが、
それぞれより雰囲気の似ている革を使用しております。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
LONGCHAMP LE PLIAG
角、すぐ擦れちゃいますよね…。
最近は新品の段階で革にて角補強をする方も増えてきました。
軽くて使いやすいので何度もリピート購入される方が多いようで
その為、すぐに角が擦れるのも周知の事実。
であれば、始めに補強してしまおうという事のようです。
新品の段階でも、すでに穴が開いてしまった場合でも
費用は変わりませんし、見栄えも変わりませんので
お好きなタイミングでご依頼頂ければと思います。
ちなみに角の補強ではなく、内側から少しつまんで縫製する事で
穴が開いた部分は塞がりますが、結局はまたすぐに穴が開いてしまうので
繰り返しているとどんどん鞄が小さくなってしまいます…。
のでロンシャンの場合はおすすめしておりません。
ご依頼が多くなると一つのプリアージュにつき、四箇所補強パーツが
必要になるので裁断も大変です。
しかも正円にカットするのって案外難しいので。
40個くらいカットすると気に入らないのが3個くらいでます。
私の腕のせいなのですが…。
カットしましたら断面にオリジナル同様にブラックで塗装を行います。
次に三角に縫製してとんがりコーン状態にします。
これをプリアージュに縫い付けていきます。
もともとの縫い割りの位置に合わせてセットし縫製していきますので
後付け感は全く感じられない仕上りになります。
そうしまして完成となります。
革の色はブラックとブラウンのご用意があります。
それ以外でも対応できますのでご相談下さい。
プリアージュ 角擦れ補強
ナイロン生地ですと擦れればそのままいずれ穴が開いてしまいますが、
革の場合はメンテナンスを日頃から行うことで現状維持が可能です。
メンテナンスというと「ちょっと面倒くさいな」思われそうですが、
皮革用の保湿クリームをささっと塗布するだけですので簡単です。
お勧めのクリームは、コロンブス社のブリオクリームです。
保湿成分には化粧品にも添加されている、ホホバオイルが配合され、
ビーズワックスとヒマワリワックス天然成分も配合されています。
有機溶剤は使われていませんので安心してお使い頂けると思います。
無色なので爪の間に入って汚れる心配もありません。
というか、手につくと手もすべすべになっています。
もちろん今回の角補強にも仕上りの際に保湿で使用してあります。
*店頭でも僅かではありますが販売しております。
[コロンブス] columbus ブリオクリーム BRILLO (ムショク)
付属のコットンを使用するより、Tシャツの端切れなどの生地を
使用した方が塗布し易くクリームも無駄にならないかと思います。
今回は間に合いませんでしたが、抜き型、届きました。
これで無駄なく裁断することができる今日この頃…。
それにしても硬い鋼を図面と寸分の狂いもなく成形する技術は凄いなぁ
と思う今日この頃…。
ampersandand at 20:19|Permalink│
2017年05月24日
ロンシャン の ル • プリアージュ をお仕事用にしてみる。
以下ブログ掲載のロンシャン修繕事例の掲載画像は古い事例になります。
現在使用している革は変更になっております。
最新の補修事例はインスタグラムをご参考にされてください。
こちらは随時最新の補修事例を掲載しております。2020.2月追記。
使用している革はシリーズにより異なりますが、
それぞれより雰囲気の似ている革を使用しております。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
使用するブラウンの革は、現在(2019.1月頃から)表面にオリジナルに近い
雰囲気のシボ加工のある革を使用しています。
こちらの革を使用しています。
以下掲載の修繕事例は
以前に使用していた表面にシボの無いブラウンの革の事例になります。
修理詳細や最新の事例は新しいブログ記事またはHPをご参考にされてください。
2019.04.25
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
LONGCHAMP Le Pliage
よく通勤途中で見かけるこの鞄。
付け根部分が壊れそうだな〜なんて思っていましたら
修理のご依頼です。
修理のご依頼は付け根ではなく、底の角部分の擦り切れ。
鞄のこの部分の損傷は、もう仕方ないのです。
靴のかかとが減るのと同じです。
物理的に擦れれば減る、擦り切れると云う事です。
特に、今回のように角部分がナイロンやコットンですと
使用方法にもよりますが、角の擦り切れが早いかと思います。
で、いつも気になっていた付け根部分を見てみますと
この持ち手は、革が一枚でできております。
通常ですとこの厚みの持ち手だと、付け根部分は革が二重になっています。
この部分は伸び易く負担が掛かり易いので、厚めの革の場合は
一枚でもいいのですが、この革の厚みですと二重が基本です。
見たところ外観は大丈夫そう、では裏面は。
やっぱり切れています。
この鞄の生地は、ナイロン生地の裏面に樹脂をコーティングしてある
だけですので、やはり耐えられないだろうと。
現状は、コーティングの部分が裂けていますが
このままいくと、本体のオレンジの生地も裂けてしまいます。
このコーティングは、生地強度を増す為という訳ではなく、
見た目の為のコーティングな感じですので、実質薄手のナイロン一枚仕立て。
ですので、縫製に使われるナイロンの糸の縫い目に、
生地が耐えられず、縫い目で裂けている状態です。
革でも生地でもナイロンでも、この付け根部分は
鞄の中で一番負荷が掛かりますので、
通常は、力布的な補強の芯材などが宛てられています。
(まは本体の生地が二重に折り込まれていたり)
ご依頼主さんは、お仕事用で使われていて
ナイロンで軽いし、一泊の出張でもちょうどいいサイズですし
マチがあるのでお弁当も平に置けるので使い勝手がいいとの事。
で、結構な荷物を入れてしまうと。
大きい鞄だからといって、たくさん荷物を入れるのは禁物です。
大きな本体に細い持ち手、なんていう鞄をよく見かけますが
それはデザインというだけで、実用と云う訳ではありませんので。
このル プリアージュも、使用目的としては
サブバック的な範囲の仕様と云う感じでしょうか。
補修するかどうか、新しい鞄も探してみたが、
なかなか丁度いいものがないので、修理してでも使いたいと。
(また、同じ鞄を購入しても同じようになってしまうし)
それでは補修です。
角部分には革を宛てて補強します。
角の補強革のサイズは、その場でラインを描きサイズを決めて頂きました。
付け根部分も内側に補強の革を宛てます。
ル プリアージュで使われている革は、シボの型押しがされています。
なので、色味だけでなくシボも必要となるのですが…
オリジナルも手に触れる部分と、蓋の部分ではすでに
革の色がちょと変わってきています。
持ち手の部分に近い色の革はありますが、シボが無い。
蓋の部分に近いシボありのブラウンの革が
残り僅かですが、革棚から発掘できましたので、今回はそれを用います。
とんがりコーン的な補強パーツを製作。
そして本体にそれぞれ縫製します。
今回は一枚仕立てですので内側に縫い目ができますが、
通常の内装ありの鞄の場合、内側に縫い目がでないように
補修する事も可能です。
AFTER
こちらの角補強サイズは大きいサイズになります。
通常の角補強サイズはこちら。
もともとも縫い割り部分に補強パーツの縫い割りのラインを
合わせて加工しますと、もともとついている感じで仕上ります。
間近でもみても、後付けとは分からないと思います。
付け根部分の補強四箇所。
用意できた革もしなやかな革でしたので、
本体に縫い付けてもナイロン生地に添うようにくったりと。
受け取りに来られたご依頼主さんにも
「もともとみたい〜」と、一番のお褒めのお言葉。
修理しました、と云う感じだと残念ですし。
ここでお客さんの予想外の行動。
鞄を畳み始めたのです!
確かにこのル•プリアージュは折りたたみができる鞄ですが
それはナイロンの状態であります。
革で角を補強しましたし、まさか畳まないという前提だろうと
勝手に思っていましたので、
動揺を隠せず、
「畳めないんじゃ…」とぼそぼそと云いつつも、
お客さんは、ぱたぱたぱたと畳んでいく…。
なんとかぎりぎりホックボタンで閉じる事が。
ですが、角パーツが今回のような大きめの革宛で補強した場合は
補修後は一応畳めない仕様ということになります(畳めてはいますが)
ただ、裏地のようなコーティングですがこれは畳んだりして鋭角に
生地が折曲がることで剥離し易くなってしまうと思われますので
そもそも折り畳まないほうが宜しいのではないかと思います。
補修費用などについてはHPをご覧下さい。
ロンシャン ルプリージュ角擦れ補修まとめ
ロンシャンのプリアージュをカスタムオーダー風にしてみる。
こちらは、もう何件も同様の補修をしているBALLYのトート。
ロンシャン以外でも角補強は可能です。
この鞄、毎回ロゴパターンの配置が微妙に違うような気がします。
AFTER
この角のパーツというのは、恐らく昔は旅行鞄などのハード環境で使われる
鞄の角の補強目的のデザインだったのでしょうが、
今では、鞄正面だけの角に革のパーツがあしらわれていたりと、
有名無実化していたりします。
ちなみに靴のキャップトゥ部分も、昔は指先の保護をする為に
その部分は革が二重になっていて、補強の役目を担っていたらしいのですが、
今はキャップ部分は二重ではないのですが、硬質になる芯材を入れる事で、
同様の役割をしています。
以上、「お仕事用にロンシャンハード化してみる篇」でした。
現在使用している革は変更になっております。
最新の補修事例はインスタグラムをご参考にされてください。
こちらは随時最新の補修事例を掲載しております。2020.2月追記。
使用している革はシリーズにより異なりますが、
それぞれより雰囲気の似ている革を使用しております。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
使用するブラウンの革は、現在(2019.1月頃から)表面にオリジナルに近い
雰囲気のシボ加工のある革を使用しています。
こちらの革を使用しています。
以下掲載の修繕事例は
以前に使用していた表面にシボの無いブラウンの革の事例になります。
修理詳細や最新の事例は新しいブログ記事またはHPをご参考にされてください。
2019.04.25
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
LONGCHAMP Le Pliage
よく通勤途中で見かけるこの鞄。
付け根部分が壊れそうだな〜なんて思っていましたら
修理のご依頼です。
修理のご依頼は付け根ではなく、底の角部分の擦り切れ。
鞄のこの部分の損傷は、もう仕方ないのです。
靴のかかとが減るのと同じです。
物理的に擦れれば減る、擦り切れると云う事です。
特に、今回のように角部分がナイロンやコットンですと
使用方法にもよりますが、角の擦り切れが早いかと思います。
で、いつも気になっていた付け根部分を見てみますと
この持ち手は、革が一枚でできております。
通常ですとこの厚みの持ち手だと、付け根部分は革が二重になっています。
この部分は伸び易く負担が掛かり易いので、厚めの革の場合は
一枚でもいいのですが、この革の厚みですと二重が基本です。
見たところ外観は大丈夫そう、では裏面は。
やっぱり切れています。
この鞄の生地は、ナイロン生地の裏面に樹脂をコーティングしてある
だけですので、やはり耐えられないだろうと。
現状は、コーティングの部分が裂けていますが
このままいくと、本体のオレンジの生地も裂けてしまいます。
このコーティングは、生地強度を増す為という訳ではなく、
見た目の為のコーティングな感じですので、実質薄手のナイロン一枚仕立て。
ですので、縫製に使われるナイロンの糸の縫い目に、
生地が耐えられず、縫い目で裂けている状態です。
革でも生地でもナイロンでも、この付け根部分は
鞄の中で一番負荷が掛かりますので、
通常は、力布的な補強の芯材などが宛てられています。
(まは本体の生地が二重に折り込まれていたり)
ご依頼主さんは、お仕事用で使われていて
ナイロンで軽いし、一泊の出張でもちょうどいいサイズですし
マチがあるのでお弁当も平に置けるので使い勝手がいいとの事。
で、結構な荷物を入れてしまうと。
大きい鞄だからといって、たくさん荷物を入れるのは禁物です。
大きな本体に細い持ち手、なんていう鞄をよく見かけますが
それはデザインというだけで、実用と云う訳ではありませんので。
このル プリアージュも、使用目的としては
サブバック的な範囲の仕様と云う感じでしょうか。
補修するかどうか、新しい鞄も探してみたが、
なかなか丁度いいものがないので、修理してでも使いたいと。
(また、同じ鞄を購入しても同じようになってしまうし)
それでは補修です。
角部分には革を宛てて補強します。
角の補強革のサイズは、その場でラインを描きサイズを決めて頂きました。
付け根部分も内側に補強の革を宛てます。
ル プリアージュで使われている革は、シボの型押しがされています。
なので、色味だけでなくシボも必要となるのですが…
オリジナルも手に触れる部分と、蓋の部分ではすでに
革の色がちょと変わってきています。
持ち手の部分に近い色の革はありますが、シボが無い。
蓋の部分に近いシボありのブラウンの革が
残り僅かですが、革棚から発掘できましたので、今回はそれを用います。
とんがりコーン的な補強パーツを製作。
そして本体にそれぞれ縫製します。
今回は一枚仕立てですので内側に縫い目ができますが、
通常の内装ありの鞄の場合、内側に縫い目がでないように
補修する事も可能です。
AFTER
こちらの角補強サイズは大きいサイズになります。
通常の角補強サイズはこちら。
もともとも縫い割り部分に補強パーツの縫い割りのラインを
合わせて加工しますと、もともとついている感じで仕上ります。
間近でもみても、後付けとは分からないと思います。
付け根部分の補強四箇所。
用意できた革もしなやかな革でしたので、
本体に縫い付けてもナイロン生地に添うようにくったりと。
受け取りに来られたご依頼主さんにも
「もともとみたい〜」と、一番のお褒めのお言葉。
修理しました、と云う感じだと残念ですし。
ここでお客さんの予想外の行動。
鞄を畳み始めたのです!
確かにこのル•プリアージュは折りたたみができる鞄ですが
それはナイロンの状態であります。
革で角を補強しましたし、まさか畳まないという前提だろうと
勝手に思っていましたので、
動揺を隠せず、
「畳めないんじゃ…」とぼそぼそと云いつつも、
お客さんは、ぱたぱたぱたと畳んでいく…。
なんとかぎりぎりホックボタンで閉じる事が。
ですが、角パーツが今回のような大きめの革宛で補強した場合は
補修後は一応畳めない仕様ということになります(畳めてはいますが)
ただ、裏地のようなコーティングですがこれは畳んだりして鋭角に
生地が折曲がることで剥離し易くなってしまうと思われますので
そもそも折り畳まないほうが宜しいのではないかと思います。
補修費用などについてはHPをご覧下さい。
ロンシャン ルプリージュ角擦れ補修まとめ
ロンシャンのプリアージュをカスタムオーダー風にしてみる。
こちらは、もう何件も同様の補修をしているBALLYのトート。
ロンシャン以外でも角補強は可能です。
この鞄、毎回ロゴパターンの配置が微妙に違うような気がします。
AFTER
この角のパーツというのは、恐らく昔は旅行鞄などのハード環境で使われる
鞄の角の補強目的のデザインだったのでしょうが、
今では、鞄正面だけの角に革のパーツがあしらわれていたりと、
有名無実化していたりします。
ちなみに靴のキャップトゥ部分も、昔は指先の保護をする為に
その部分は革が二重になっていて、補強の役目を担っていたらしいのですが、
今はキャップ部分は二重ではないのですが、硬質になる芯材を入れる事で、
同様の役割をしています。
以上、「お仕事用にロンシャンハード化してみる篇」でした。
ampersandand at 16:36|Permalink│