半カラス

2019年02月21日

普段やらないウェルト交換 A . MANETTI  半カラス篇

前回までのあらすじはこちら
A . MANETTI  分解篇
A . MANETTI  ウェルティング篇

底付けが前回までで終わりましたので、残すはヒールの取付けと
底面の仕上げになります。

ヒールの積上げ
一段目は靴底の丸みが強いので、取り付けた積上げ革の
膨らんだ中央部分を削り落として平に加工します。
その後、ヒールの角度を見ながら今回は三段積上げし
最後にダヴリフトを取付け化粧釘を打ち込みます。
ウェルト交換015ウェルト交換014ウェルト交換013

つま先部分はビンテージスチールをセットするので
その厚みの段差を加工しておきます。
既製品でスチールを取り付ける為にこの加工をすると、
だいたいの靴は底縫いの糸が切れてしまいます。
(切れてもスチールを固定するビスで固定されるので問題はないのですが)

オールソールの際に同時にスチールも取り付ける場合は、
凹みの加工を行なっても底縫いの糸が切れないように
出し縫いがかかる溝を深めに設定し底縫いを行なっていますので
画像のように凹みを作っても糸が見えてきません。
ウェルト交換012
革底面の表面はバフ掛けして表面を綺麗に整えてあります。
整えて綺麗にした表面をふのりで磨いて艶を出します。
ウェルト交換011
踏まず部分は今回は半カラス仕上げでご注文頂いておりますので
ふのりを付けず磨かずに残しておきます。
踏まず部分を染めるのでマスキングをし染料で
いっきに染め上げます。
ウェルト交換009ウェルト交換010
ウェルト交換008
染料でダークブラウンに染めた部分には気泡や埃などが
どうしても付着してしまいますので、#1000くらいの
紙ヤスリでコキコキと表面を研ぎます。
ウェルト交換007
研ぎ上げて表面が平滑になりましたら、防水と艶だしを兼ねて
メンチュウロウを塗布し、温めた鏝で薄く溶かし広げ伸ばします。
その後、布で再度コキコキと余分なロウを取り除き
艶が出るまで磨き上げます。

そうこうしましてようやく完成となります。
踏まず部分はオリジンルではウェルトが削られ接着のみで
縫われておりませんでしたが、しっかりと縫って仕上げております。

ですので、その分出し縫いの際にはウェルト部分の幅が
必要になりますので、踏まず部分のくびれは多少横幅がオリジナルよりは
広くなっている設定になります。

といっても充分踏まず部分はくびれているとは思うのですが、
どうでしょうか。
ウェルト交換006ウェルト交換002
ウェルト交換005
190219-1
これだけ磨き上げて仕上げても、一旦路上に出てしまえば…。
ですのヒドゥンチャネル仕様(半カラス仕上げ)に費用を掛けるより、
実質剛健なチャネル仕様でハーフソールスチール併用を
お勧めするわけなのですが…。

江戸っ子気質な、粋なヒドゥンチャネル仕様だなぁと思う
今日この頃…。

ampersandand at 23:52|Permalink