持ち手交換
2019年07月21日
現行モデルのTUMIの持ち手の評判がいまいちらしい。 旧モデルへ仕様変更するぞ篇
ぞくぞくと集まる現行モデルのTUMI、TUMI、TUMI…
持ち手の状態は新品同様のものから原型をとどめないものまで
すべて持ち手の交換でやってきています。
TUMIのホームページを見てみると、ブリーフのカテゴリーも持ち手は
ほぼこのパターンの持ち手になっています。
お客様曰く、「改悪ですね…」と。
この持ち手、なにがそんなに評判が悪いのか…
それは今までのナイロンベルトに革を巻いている仕様ではなく
芯材にスポンジを用いた仕様にしてしまっている事でしょう。
これが一般的なトートバックであればそんなに問題にはならないのでしょうが
TUMIの鞄は鞄自体がなんでそんなに重いの?なにか荷物を出し忘れていない?
と思いたくなる程重いのです、ナイロンなのに。
(コンパクトタイプはそんなに重くないのですが)
その重い鞄にパソコンや書類やらがわんさか収納された場合には
相当な重量になります。
小学生のランドセルが重い問題に匹敵します。
課長、荷物置いてっていいですか状態です。
そんな重い鞄の持ち手の芯材がスポンジというのはいただけないですね。
メーカーであればその結果がどうなるかは重々承知のはずなんでしょうけど…。
これは悪く考えれば早めに痛むようにして買い替えさせよう作戦では…
とも勘ぐりたくもなります事案です。
余談ですが今はなきYAKUMOという国産の工業用ミシンメーカーが
あったのですが、ミシンが壊れないので買い替えが起こらずに
結果、会社が潰れてしまったという噂を耳にした事があります。
(JUKI社に買収されたようですが)
わたしも上下ミシンの古いYAKUMOを一台所有していますが、
(中古で購入したので定かではありませんが40年以上前のミシン)
壊れないのは消費者にすればとてもありがたいのですが、
メーカーとしてはそれでは厳しいのでしょう。
ちなみに工業ミシンなので家電のように毎年新機能が付いてバージョンアップ
なんていうのはないので、一度購入し酷く壊れなければ(まず壊れない)
余裕で数十年使えてしまうのです。
使わずに押し入れに眠っているSINGER社の八方ミシンは
100年くらい前のものですが、メンテすれば今でも使えますし。
スポンジ芯ですと柔らかいので画像のように持ち方によっては外側の持ち手が
ひねられて伸ばされ左右で太さが違ってしまう程、変形してしまう始末です。
そこでそんな改悪されてしまった持ち手の仕様を旧モデル仕様へと
仕様変更するのが今回のお題となります。
旧モデルはナイロンベルトに革が巻かれた仕様になります。
付根の革の形状がラウンドだったり三角だったりといくつかありますが
TUMIと云えば三角モデルが定番なので仕様変更モデルは
三角デザインにしています。
旧モデルの革の交換補修の際は、鞄に持ち手がくっ付いている状態で革の部分を
交換してミシンを掛けるので、鞄の重さがしんどいですが
今回は持ち手は別で製作して本体に後で組み込む事が出来ますので多少は楽です。
最終的には鞄に組んで縫製するのですが。
ナイロンベルトと革の間にも補強で芯材を挟み込んで耐久性を保たせてあります。
革はタンニン鞣しを使用していますので使い込む程にエイジングする次第です。
************************************
AFTER
もともと持ち手が組まれていたカン(連結パーツ)にナイロンベルトを
通して縫製してあります。
カンに通す部分のナイロンは二重に重ねて重い重量に
耐えられるように工夫しています。
カンに通す持ち手の仕様としては下の画像のTUMIモデルと同じになります。
すでに持ち手の仕様の一つとして存在するTUMIのモデルと同じになるので
交換した感はなく、そういうモデルもあるんだろうな的な仕上がりです。
比べて頂いてもオリジナルと遜色ない仕上がりになっているかと思います。
それもそのはず、革の形状や設定も旧モデルを型採りして製作していますので
同じになります。(画像のモデルも革の部分は交換致しました)
持ち手の長さは、35cmや40cmなどモデルによりまちまちですので
それぞれに合わせて製作致します。
TUMIのナイロンは防弾チョッキにも使われているという素材なので
一般的なナイロン素材に比べるとかなり丈夫なので、持ち手だけ
補修してしまえば安心して長く使い続けられると思います。
革の部分は定期的にレザーローションなどで汚れを落として
保湿を行なって頂ければ、擦り切れや色褪せなどの予防にもなりますので
適時行なって頂ければと思います。
革は痛んでからお手入れしても原状回復は難しいので、肝心なのは使い始めから
定期的にお手入れする事が重要となります。
[サフィール] ユニバーサルレザーローション 150ml 汚れ落とし 保湿 ツヤ 靴磨き バッグ 無色 レザー クリーム 9550904002 (Free)
店頭でも1.500円で販売しております。
TUMI補修費用などはこちらから
持ち手の状態は新品同様のものから原型をとどめないものまで
すべて持ち手の交換でやってきています。
TUMIのホームページを見てみると、ブリーフのカテゴリーも持ち手は
ほぼこのパターンの持ち手になっています。
お客様曰く、「改悪ですね…」と。
この持ち手、なにがそんなに評判が悪いのか…
それは今までのナイロンベルトに革を巻いている仕様ではなく
芯材にスポンジを用いた仕様にしてしまっている事でしょう。
これが一般的なトートバックであればそんなに問題にはならないのでしょうが
TUMIの鞄は鞄自体がなんでそんなに重いの?なにか荷物を出し忘れていない?
と思いたくなる程重いのです、ナイロンなのに。
(コンパクトタイプはそんなに重くないのですが)
その重い鞄にパソコンや書類やらがわんさか収納された場合には
相当な重量になります。
小学生のランドセルが重い問題に匹敵します。
課長、荷物置いてっていいですか状態です。
そんな重い鞄の持ち手の芯材がスポンジというのはいただけないですね。
メーカーであればその結果がどうなるかは重々承知のはずなんでしょうけど…。
これは悪く考えれば早めに痛むようにして買い替えさせよう作戦では…
とも勘ぐりたくもなります事案です。
余談ですが今はなきYAKUMOという国産の工業用ミシンメーカーが
あったのですが、ミシンが壊れないので買い替えが起こらずに
結果、会社が潰れてしまったという噂を耳にした事があります。
(JUKI社に買収されたようですが)
わたしも上下ミシンの古いYAKUMOを一台所有していますが、
(中古で購入したので定かではありませんが40年以上前のミシン)
壊れないのは消費者にすればとてもありがたいのですが、
メーカーとしてはそれでは厳しいのでしょう。
ちなみに工業ミシンなので家電のように毎年新機能が付いてバージョンアップ
なんていうのはないので、一度購入し酷く壊れなければ(まず壊れない)
余裕で数十年使えてしまうのです。
使わずに押し入れに眠っているSINGER社の八方ミシンは
100年くらい前のものですが、メンテすれば今でも使えますし。
スポンジ芯ですと柔らかいので画像のように持ち方によっては外側の持ち手が
ひねられて伸ばされ左右で太さが違ってしまう程、変形してしまう始末です。
そこでそんな改悪されてしまった持ち手の仕様を旧モデル仕様へと
仕様変更するのが今回のお題となります。
旧モデルはナイロンベルトに革が巻かれた仕様になります。
付根の革の形状がラウンドだったり三角だったりといくつかありますが
TUMIと云えば三角モデルが定番なので仕様変更モデルは
三角デザインにしています。
旧モデルの革の交換補修の際は、鞄に持ち手がくっ付いている状態で革の部分を
交換してミシンを掛けるので、鞄の重さがしんどいですが
今回は持ち手は別で製作して本体に後で組み込む事が出来ますので多少は楽です。
最終的には鞄に組んで縫製するのですが。
ナイロンベルトと革の間にも補強で芯材を挟み込んで耐久性を保たせてあります。
革はタンニン鞣しを使用していますので使い込む程にエイジングする次第です。
************************************
AFTER
もともと持ち手が組まれていたカン(連結パーツ)にナイロンベルトを
通して縫製してあります。
カンに通す部分のナイロンは二重に重ねて重い重量に
耐えられるように工夫しています。
カンに通す持ち手の仕様としては下の画像のTUMIモデルと同じになります。
すでに持ち手の仕様の一つとして存在するTUMIのモデルと同じになるので
交換した感はなく、そういうモデルもあるんだろうな的な仕上がりです。
比べて頂いてもオリジナルと遜色ない仕上がりになっているかと思います。
それもそのはず、革の形状や設定も旧モデルを型採りして製作していますので
同じになります。(画像のモデルも革の部分は交換致しました)
持ち手の長さは、35cmや40cmなどモデルによりまちまちですので
それぞれに合わせて製作致します。
TUMIのナイロンは防弾チョッキにも使われているという素材なので
一般的なナイロン素材に比べるとかなり丈夫なので、持ち手だけ
補修してしまえば安心して長く使い続けられると思います。
革の部分は定期的にレザーローションなどで汚れを落として
保湿を行なって頂ければ、擦り切れや色褪せなどの予防にもなりますので
適時行なって頂ければと思います。
革は痛んでからお手入れしても原状回復は難しいので、肝心なのは使い始めから
定期的にお手入れする事が重要となります。
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ampersandand at 22:51|Permalink│
2019年04月19日
現行モデルより旧モデルが…。 TUMI 持ち手交換 ALPHA篇
現行品のこちらのモデルは、芯材にはスポンジが使われていますので
鞄自体が重いで有名なTUMIの鞄ですと、その重さに耐えられないのか
旧モデルの持ち手よりへたりが早いようです。
こちらが現行品の持ち手
同じ形状での交換ももちろん可能です。
現行モデルの交換記事はこちら
その場合は同様に芯材にスポンジを使用しておりますが、
革の強度や芯材の使い方などでなるべくオリジナルよりは強度があがるように
製作しておりますが…どうでしょうか。
旧モデルのようにナイロンに革を巻いた方がやはり強度や革の伸び難さでは
軍配があがると思います。
また現行モデル形状での製作費用は結構掛かります、手間が掛かりますので。
今回は現行モデルから旧モデルへ仕様変更のご案内になります。
こんな感じで現行モデルはスポンジが芯材となっていて
スポンジを革で巻いています。
スポンジ自体も伸びますし、革も延びるのでへたり易いのかもしれません。
また柔らかい分、持った時にスポンジが潰れて巻いている革にたるみが生じ
そのたるみの皺が徐々に手で擦れる要因となっている可能性があります。
このモデルは、本体付属の金具に持ち手が直に取り付けられていますので
持ち手をそっくり交換になります。
まずは持ち手部分の製作。
旧モデル同様にナイロンのベルトに革を巻いて縫製します。
製作に使用している革は、タンニン鞣しのオイルレザーを使用しております。
持ち込まれるTUMI修理品で多くみられる乾燥による擦り切れには
オイルレザーが擦り切れ予防に効果的かと思います。
革の質もオリジナルよりよいのではないかと思います。
持ち手の長さはそれぞれ依頼品と同じ設定で製作致します。
現行品はロング、ミドル、ショートと3タイプ長さがあるようです。
当初、ミドルの長さはもともとショートが伸びたものか?
と思っていたのですが、それにしては伸び過ぎだなというのと
TUMI現行品の修理数が増えるにつれて、現行品の持ち手の長さのビックデータが
収集された結果、3タイプ長さがあるのでは?という見解に落ち着いています。
巻革の形状は旧モデルのTUMIのオリジナルで使用されているものから
型採りしておりますので雰囲気は合っていると思います。
AFTER
現行品から旧モデル(三角タイプ)へ仕様変更事例
どうでしょうか、旧モデル正規品と比べ遜色がないかと思います。
画像の持ち手は一番短いショートタイプになります。
こんな感じで仕様変更されても、オリジナル同様の持ち手に
変更されますので違和感が無く仕上ります。
現行品を使われていて、痛みが早いなと思われる方は
旧モデルへの仕様変更がお勧めであります。
TUMI補修費用などはこちら
鞄自体が重いで有名なTUMIの鞄ですと、その重さに耐えられないのか
旧モデルの持ち手よりへたりが早いようです。
こちらが現行品の持ち手
同じ形状での交換ももちろん可能です。
現行モデルの交換記事はこちら
その場合は同様に芯材にスポンジを使用しておりますが、
革の強度や芯材の使い方などでなるべくオリジナルよりは強度があがるように
製作しておりますが…どうでしょうか。
旧モデルのようにナイロンに革を巻いた方がやはり強度や革の伸び難さでは
軍配があがると思います。
また現行モデル形状での製作費用は結構掛かります、手間が掛かりますので。
今回は現行モデルから旧モデルへ仕様変更のご案内になります。
こんな感じで現行モデルはスポンジが芯材となっていて
スポンジを革で巻いています。
スポンジ自体も伸びますし、革も延びるのでへたり易いのかもしれません。
また柔らかい分、持った時にスポンジが潰れて巻いている革にたるみが生じ
そのたるみの皺が徐々に手で擦れる要因となっている可能性があります。
このモデルは、本体付属の金具に持ち手が直に取り付けられていますので
持ち手をそっくり交換になります。
まずは持ち手部分の製作。
旧モデル同様にナイロンのベルトに革を巻いて縫製します。
製作に使用している革は、タンニン鞣しのオイルレザーを使用しております。
持ち込まれるTUMI修理品で多くみられる乾燥による擦り切れには
オイルレザーが擦り切れ予防に効果的かと思います。
革の質もオリジナルよりよいのではないかと思います。
持ち手の長さはそれぞれ依頼品と同じ設定で製作致します。
現行品はロング、ミドル、ショートと3タイプ長さがあるようです。
当初、ミドルの長さはもともとショートが伸びたものか?
と思っていたのですが、それにしては伸び過ぎだなというのと
TUMI現行品の修理数が増えるにつれて、現行品の持ち手の長さのビックデータが
収集された結果、3タイプ長さがあるのでは?という見解に落ち着いています。
巻革の形状は旧モデルのTUMIのオリジナルで使用されているものから
型採りしておりますので雰囲気は合っていると思います。
AFTER
現行品から旧モデル(三角タイプ)へ仕様変更事例
どうでしょうか、旧モデル正規品と比べ遜色がないかと思います。
画像の持ち手は一番短いショートタイプになります。
こんな感じで仕様変更されても、オリジナル同様の持ち手に
変更されますので違和感が無く仕上ります。
現行品を使われていて、痛みが早いなと思われる方は
旧モデルへの仕様変更がお勧めであります。
TUMI補修費用などはこちら
ampersandand at 18:22|Permalink│
ロンシャン プリアージュの持ち手を交換するしかない件
前回の記事では持ち手を交換せず、短く加工するという
ご案内でしたが、今回は交換するしか方法がない案件となります。
はずれを引いてしまったようです。
ロンシャン・プリアージュのネオになります。
付根部分で革が裂けてきています。
常々ロンシャンをみていますと、よくこの部分が裂けないものだなと
思っていましたが、角の補修で日々と届くプリアージュを
みていますが、案外どれも裂けていないのです。
裂けてはいませんが革がかなり伸びているものは多数ありますが。
しかし今回ははずれを引いてしまったようです。
革は天然素材ですので、個体差がありなかには繊維の密度が荒く
引っ張られると裂けてしまい易いものも。
今回のプリアージュも繊維が荒くもろい状態でした。
型押しの柄に合わせて簡単に千切れてきてしまいます。
通常はこの部分は裏革を宛てて二重にして強度を出しておいた方が
無難なのですが、その分手間は掛かってしまいます。
使用されている革の厚みは2.0mm弱ありますので、一枚革の仕様としては
ぎりぎりな設定の範囲かと思います。
プリアージュの革は表面に型押しされていて硬さがあるので
スムースの革よりは伸び難い感じではあります。
ただ、今回の品のようにはずれを引いてしまうと、やはりその部分の
強度不足は否めません。
プリアージュはナイロン生地に裏面をコーティングし生地に
張りを出しているので実質薄手のナイロン一枚です。
ナイロン生地に直接革の持ち手を縫い付けています。
ですので荷物をたくさん入れて使われていたりすると
付根部分の縫製がナイロン生地に食い込み裂け始めている事例もあります。
ホックボタンの内側は樹脂のリングで食い込まないように
ちゃんと補強されているんですがね。
新たに持ち手を製作し取り付ける場合は、元の縫い目の位置に
マチ針で角々を合わせて縫製致しますが、それでも1.0mm2.0mmは
元の縫い穴には入らないところがあります。
その場合、逆に元の縫い穴の近くを縫製する事がかえって強度を
弱まらせてしまう場合があります。
古い縫い穴が近いと、負荷が掛かった際に生地がぐっと引っ張られ
その穴と縫い穴が繋がってしまう恐れがあります。
画像でもお分かりのように、縫い目というか切り取り線というか
言い方次第だと思います。点々と半券の切り取り線のように穴が開いています。
革であれば厚みもありますし、強度もあるのでそこまで
気にする事もないのですが。
心配し過ぎなのかもしれませんが、ただ、
「持ち手を交換してからナイロン生地が裂けてきました…」
なんていうお便りが届くのが怖いのです。
かといって持ち手を製作して、尚かつ付根四箇所を補強するとなると
費用も余計に高くなってしまうのですが…。
そして今回は色がグリーン、グリーンなんてあたっけでしたが
唯一在庫していたグリーンがなんともぴったり。
付根の裏は二重に革で補強しておきます。→これがあとで問題に…。
付根の形状、幅などはオリジナル通りに型採りして裁断。
元の縫い穴の角々をマチ針で穴同士を合わせて位置決めし縫製していきますが、
ここで問題が。
付根部分を二重に補強した為に、二つ折りのハンドルから付根部分の
フラットな部分に移行する膨らみの反発が強く、ぴたっと本体に
接地してくれない…。
ちなみにオリジナルの付根部分も一見同じように見えますが個体差が合って
付根部分の横幅が微妙に違っています。
おそらく縫製するロンシャンの職人さんの押さえつけ具合なんだと思います。
もしくはコンピューター制御で自動で縫製しているのならば誤差が凄いですが。
鞄のサイズによってはXL?だったかは持ち手の幅は、
強度的にもともと太く設定してあるようですが。
本体に縫い穴が開いているのでそれより幅が狭く取り付けてしまうと
縫い穴が見えてしまうので、なんとしても元の位置にセットせねばなりません。
指で押さえつけながら一箇所一箇所なんとか縫製することができました。
AFTER
ただ、やはり革の反発(膨らもうとする力)が強いので付根部分の真横に
縫製する縫い目が多少湾曲してしまっています。
色はオリジナルとかなり近いのですが、表面の型押しの柄はありません。
今回のオリジナルの型押しは角シボという柄になっていますが、
他にもプリアージュの場合は数種類の型押しがモデルにより
使い分けられているようです。
ロンシャンのオリジナルの型押し革の場合ですと同じ柄の革はありません。
ですので交換、補強の場合は一般的なシュリンク柄のシボ柄になります、
または今回のようにスムース革。
持ち手付根の内側も革で四箇所とも補強してあります。
やはり補強しないとナイロン生地が心配ですので。
持ち手製作2本、付根4箇所2重補強、付根内側4箇所補強と
オリジナルは単純に二つ折りして本体に縫製しているだけですが
再制作の場合は以上のような作業が追加されてしまいますので
必然的に持ち手交換の費用はお高くなってしまいます。
前回のロングをショートにする場合でも作り替えると同様の内容ですので
手間(費用)の掛かる付根部分をいじらずに、カットして縮める方法を
ご提案させて頂きました(革も変わらないので見栄えも同じになりますし)
ただ、強度を心配し過ぎなのかもしれませんので、オリジナル通りに
二つ折りでそのまま本体に縫製しても大丈夫なのかもしれませんが。
古いプリアージュを購入して、持ち手を補強無しで交換し、
5kgの鉄アレイを入れっぱなしで吊るしておいて強度が大丈夫かどうか
実験でもしてみようかなと思う、プリアージュな今日この頃…。
補修費用などについてはHPをご覧下さい。
ご案内でしたが、今回は交換するしか方法がない案件となります。
はずれを引いてしまったようです。
ロンシャン・プリアージュのネオになります。
付根部分で革が裂けてきています。
常々ロンシャンをみていますと、よくこの部分が裂けないものだなと
思っていましたが、角の補修で日々と届くプリアージュを
みていますが、案外どれも裂けていないのです。
裂けてはいませんが革がかなり伸びているものは多数ありますが。
しかし今回ははずれを引いてしまったようです。
革は天然素材ですので、個体差がありなかには繊維の密度が荒く
引っ張られると裂けてしまい易いものも。
今回のプリアージュも繊維が荒くもろい状態でした。
型押しの柄に合わせて簡単に千切れてきてしまいます。
通常はこの部分は裏革を宛てて二重にして強度を出しておいた方が
無難なのですが、その分手間は掛かってしまいます。
使用されている革の厚みは2.0mm弱ありますので、一枚革の仕様としては
ぎりぎりな設定の範囲かと思います。
プリアージュの革は表面に型押しされていて硬さがあるので
スムースの革よりは伸び難い感じではあります。
ただ、今回の品のようにはずれを引いてしまうと、やはりその部分の
強度不足は否めません。
プリアージュはナイロン生地に裏面をコーティングし生地に
張りを出しているので実質薄手のナイロン一枚です。
ナイロン生地に直接革の持ち手を縫い付けています。
ですので荷物をたくさん入れて使われていたりすると
付根部分の縫製がナイロン生地に食い込み裂け始めている事例もあります。
ホックボタンの内側は樹脂のリングで食い込まないように
ちゃんと補強されているんですがね。
新たに持ち手を製作し取り付ける場合は、元の縫い目の位置に
マチ針で角々を合わせて縫製致しますが、それでも1.0mm2.0mmは
元の縫い穴には入らないところがあります。
その場合、逆に元の縫い穴の近くを縫製する事がかえって強度を
弱まらせてしまう場合があります。
古い縫い穴が近いと、負荷が掛かった際に生地がぐっと引っ張られ
その穴と縫い穴が繋がってしまう恐れがあります。
画像でもお分かりのように、縫い目というか切り取り線というか
言い方次第だと思います。点々と半券の切り取り線のように穴が開いています。
革であれば厚みもありますし、強度もあるのでそこまで
気にする事もないのですが。
心配し過ぎなのかもしれませんが、ただ、
「持ち手を交換してからナイロン生地が裂けてきました…」
なんていうお便りが届くのが怖いのです。
かといって持ち手を製作して、尚かつ付根四箇所を補強するとなると
費用も余計に高くなってしまうのですが…。
そして今回は色がグリーン、グリーンなんてあたっけでしたが
唯一在庫していたグリーンがなんともぴったり。
付根の裏は二重に革で補強しておきます。→これがあとで問題に…。
付根の形状、幅などはオリジナル通りに型採りして裁断。
元の縫い穴の角々をマチ針で穴同士を合わせて位置決めし縫製していきますが、
ここで問題が。
付根部分を二重に補強した為に、二つ折りのハンドルから付根部分の
フラットな部分に移行する膨らみの反発が強く、ぴたっと本体に
接地してくれない…。
ちなみにオリジナルの付根部分も一見同じように見えますが個体差が合って
付根部分の横幅が微妙に違っています。
おそらく縫製するロンシャンの職人さんの押さえつけ具合なんだと思います。
もしくはコンピューター制御で自動で縫製しているのならば誤差が凄いですが。
鞄のサイズによってはXL?だったかは持ち手の幅は、
強度的にもともと太く設定してあるようですが。
本体に縫い穴が開いているのでそれより幅が狭く取り付けてしまうと
縫い穴が見えてしまうので、なんとしても元の位置にセットせねばなりません。
指で押さえつけながら一箇所一箇所なんとか縫製することができました。
AFTER
ただ、やはり革の反発(膨らもうとする力)が強いので付根部分の真横に
縫製する縫い目が多少湾曲してしまっています。
色はオリジナルとかなり近いのですが、表面の型押しの柄はありません。
今回のオリジナルの型押しは角シボという柄になっていますが、
他にもプリアージュの場合は数種類の型押しがモデルにより
使い分けられているようです。
ロンシャンのオリジナルの型押し革の場合ですと同じ柄の革はありません。
ですので交換、補強の場合は一般的なシュリンク柄のシボ柄になります、
または今回のようにスムース革。
持ち手付根の内側も革で四箇所とも補強してあります。
やはり補強しないとナイロン生地が心配ですので。
持ち手製作2本、付根4箇所2重補強、付根内側4箇所補強と
オリジナルは単純に二つ折りして本体に縫製しているだけですが
再制作の場合は以上のような作業が追加されてしまいますので
必然的に持ち手交換の費用はお高くなってしまいます。
前回のロングをショートにする場合でも作り替えると同様の内容ですので
手間(費用)の掛かる付根部分をいじらずに、カットして縮める方法を
ご提案させて頂きました(革も変わらないので見栄えも同じになりますし)
ただ、強度を心配し過ぎなのかもしれませんので、オリジナル通りに
二つ折りでそのまま本体に縫製しても大丈夫なのかもしれませんが。
古いプリアージュを購入して、持ち手を補強無しで交換し、
5kgの鉄アレイを入れっぱなしで吊るしておいて強度が大丈夫かどうか
実験でもしてみようかなと思う、プリアージュな今日この頃…。
補修費用などについてはHPをご覧下さい。
ampersandand at 14:13|Permalink│