角が擦れる

2019年04月30日

平成最後のロンシャン角擦れ特集 令和でも擦れてしまうのだろうな篇

以下ブログ掲載のロンシャン修繕事例の掲載画像は古い事例になります。
現在使用している革は変更になっております。

最新の補修事例はインスタグラムをご参考にされてください。
こちらは随時最新の補修事例を掲載しております。2020.2月追記。
使用している革はシリーズにより異なりますが、
それぞれより雰囲気の似ている革を使用しております。

インスタグラムrogo

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平成ではいくつのロンシャン プリアージュを治したのだろうか…。

当店に一番始めにご依頼頂いたプリアージュは今でもよく覚えています。
というのは、よく電車で角が擦れているプリアージュを毎日見ていたので
誰かしら「この擦れた角、どうにかならないかしら…」
と、思うだろうなと思っていた矢先、これ直せますかとご依頼頂いたので。

すでにペンが落ちるくらい穴が開いたものから、
ビニールがかかった新品のものまで色々。
旦那さんから名前入りでオーダーしたものをプレゼントされたけど
角が擦れるのが怖くて使えていなかったという方もいらっしゃいましたね。

軽くて折り畳めるという事で使い勝手が良く、使い道に合わせて
S・M・L・XLとサイズ違いで揃えたり、持ち手の長さ違いで揃えたりと
2個、3個と、一番多くて5個まとめてご依頼頂いた方もいらっしゃいました。

エッフェル塔のナイロンシリーズ
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付根の補強も出来ます。
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ロンシャンを使われている方というのは、角がすぐに擦れてしまうということを
体験済みですので、当店でロンシャンの角擦れ補強が出来るという事を知って
現在使われて穴が開いたロンシャンと、新しく購入された新品とをまとめて
ご依頼頂くパターンが多かったと思います。
ちなみに穴が開いていても新品の状態でも仕上がり具合に違いありませんので。

猫も二匹保護しました。
お姉さんと妹さんの猫ロンシャン。
それぞれが知らずに購入されて使われていたとか、シンクロ猫です。
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四隅の補修はサイズが小さいロンシャンほど難しいです。
というのも、そもそもすでに袋状の鞄の状態から四隅に革のパーツをぐるっと
縫製するので、皺がでないように少しずつ回しながら縫っていきます。
ですので鞄が小さいと回転させる時に内部の空間が狭く
ミシンの腕にひっかかり易く、その都度鞄を少しずつずらしては
回転させて縫ってを繰り返します。

逆に大きなLサイズのロンシャンですと、たるんだナイロン生地や
革の持ち手がだらんだらんして回転を邪魔して鬱陶しかったりもします。
Mサイズが補修には一番やさしいサイズでしょうか。

といってもいずれの場合もミシンもダダダと電動で縫える部分ではないので
一針一針手回しでミシン針を動かし縫製しています。
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ナイロン生地ですと擦れたら擦れっぱなしで痛んでいくのみですが
革で補強する事で擦れに強くなりますし、擦れても保湿を行なう事で
現状維持が可能な素材となります。
長持ちさせるには、定期的にレザーローションで保湿を行なって頂くと
色褪せも擦れ予防にもなります。

ロンシャンでは定期的に?カスタムオーダーできるようです。
名前や柄の刺繍を入れられたり、ナイロンの色をコンビにできたりと。
そして当店では常時、角のカスタム補強を承っております。
名入れにコンビ仕様で角カスタム、
これはきっと世界で一つのロンシャンでしょう。
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こちらはロンシャン プリアージュのクラブシリーズ。
馬の刺繍がポイントで、刺繍の色と革の断面が同じ色に染められています。
使い易い色なのか、このガンメタリックのご依頼が多いですね。
角補強のパーツ断面も同様に刺繍の色に合わせてそれぞれ
染めて仕上げています。革の色によっては断面の発色が綺麗にでないので
白で染めて下地を作ってから色を染める場合もあります。
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最近めずらしくビルベリーカラーのご依頼がありました。
ただこの濃い紫色の革のご用意がなく、色々と問屋さんを探しました。
クラブシリーズとネオシリーズはナイロンシリーズのブラウンのみと異なり
革の色が本体と同じなので、すべての色をご用意出来る訳ではないので
色についてはご依頼の際にご相談させてください。
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こちらはベーシックなナイロンシリーズ。
平成のご依頼で一番多い色はネイビー系だったかなと思います。
次にむらさき色という感じでしたでしょうか。
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四隅の補強パーツは、本体の縫い割り位置に合わせて補強パーツも
縫製しているので後付け感はなく、もともとついている感じに仕上ります。
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ご依頼数が多いので補強パーツを量産体制に。(といっても私一人なのですが)
裁断してコバを染めて縫い割りして、もくもくとパーツを積上げていきます。

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ネオシリーズに取り付けられているストラップが長い場合は短く加工できます。
こちらは10cmカットしたストラップ。
付根のパーツをばらして長さをカットして元の縫い目に縫製なので
見栄えは変わらず仕上ります。
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明日から令和となりますが、令和元年も引き続き当店を
ご愛顧頂ければ有り難いと思う次第でございます。
店主

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2019年04月19日

ロンシャン・プリアージュの持ち手を短くする件。

ロンシャンのプリアージュ、あなたは
肩に掛ける派、それとも肘に掛ける派、どちらでしょうか。

持ち手の長さがロングとショート二種類あるのですが
購入する時にはどのように決めていらっしゃるのでしょうか。
サイズが大きいのは肩掛けにしないと地面に付いてしまうのでロングに?
とかなんでしょうか。

でも大きいサイズを肘掛けで持った時のだらっとした
ラフな感じもいいかしら…。
とか、悩みそうですね。

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今回はそれとは別のお悩みで、プレゼントされたイニシャル入りのオーダーの
プリアージュでしたが、肩を怪我されて肩掛けでは使用できなくなってしまい、
箪笥の肥やしにしておくのは忍びないという事でロングからショートに
変更できないかというご相談。

お問い合わせの感じですと、新しく作り替えがご希望と云う事でしたが、
費用や交換により再縫製するナイロン生地部分の弱さなどの懸念が
ありましたので、短く加工する方法をご提案させて頂きました。

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測り方にもよりますが、ロングは54cmでショートが36cmぐらい。
付根部分が伸びていたりするので、その時お預かりしていたいくつかの
ショートのハンドルを計測して平均を出してみました。

中央でカットして9.0cmずつ短くします。
通常、持ち手のハンドルを中央のこの部分で繋げて
補修するというのは邪道だと思います。
というのは、この部分は手に触れる部分ですし負荷の掛かる部分ですので。

例えば平たい持ち手であれば本体付根の片側を分解してカットし、
もとの状態と同じように縫製や金具で固定する方法は可能ですが、
プリアージュの場合はエンド部分の形状問題がありますので
片側短縮方法はとれません。

またこの方法がとれるのは、プリアージュのハンドルは接着剤で
貼り合わされておらず、また芯材なども貼り込まれておらず、
一枚革を二つ折りにしているシンプルな仕様でしたので
今回の加工には向いている状態でした。

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今回の繋ぎ方は、ブランド鞄のショルダーストラップでも
ときどき使われている方法になります。

ショルダーの場合は、長い部分は1.0メートル以上革の長さが必要ですので
革によってはその長さを採れない場合があります、またコスト面などでも。
ですので、今回のように革を継いで作られているものもあります。

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繫ぎ目は縦ではなく斜めに。
縦で繋いでしまうと、ハンドルの中央は山なりになるので繋ぎ目の
一点にピンポイントで負荷が掛かってしまいます。
ですので、斜めに合わせる事で負荷の掛かる面を分散させています。

では中央で繋がなければ?という考えもありますが、
繫ぎ目は革が二重に合わさり接着され硬さが他の部分より硬くなるので、
円弧を描くハンドルの途中で繋いでしまうと、硬い部分でカクッと角が
でてしまう可能性や、逆にその結果その部分が折れて痛み易い事も
考えられますので、中央の山の頂上で連結した方がよいという判断に
なっています。

繫ぎ目は互い違いで端を斜めに漉いていますので、
合わせると同じ厚みになります。
今回は強度を踏まえて少し厚めに残し連結させています。
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通常この繋ぎ方の場合は、斜めに連結した部分は縫製しないのですが
今回は手に触れる部分ですので端の部分のめくれ予防に、
念の為、斜めに二本縫製を入れておきます。

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斜めに縫製を入れているので繋ぎ目は分かりますが、
斜めの縫製は茶色の#30番糸で、二つ折りの部分の縫製の糸はベージュの
#8番糸で縫製し、なるべく目立たないように仕上げてあります。
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連結部分も目立たず、繫ぎ目の強度も問題無い感じです。
持ち手の円弧も綺麗なラインになっていてカクッとした感じもありませんので
いい感じではないでしょうか。


補修費用などについてはHPをご覧下さい。
ロンシャンHPリンク


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